遂にミッドナイト・ボートレースが開催。最終レース発走時間や概要を徹底解説

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◆ボートレースのミッドナイト開催が目前に迫る

 ボートレースの深夜開催が始まる。最終レースが22時時に迫る時間まで開催される「ミッドナイトボートレース」が、10月20日のボートレース下関からを皮切りに、12月2日にはボートレース大村、来年1月6日からはボートレース若松と、3レース場での深夜開催が発表された。

 このミッドナイトボートレースは、これまでのナイター開催が主に15時台からスタートし、21時前までに終わっていたのに対し、17時台から22時前までの時間帯で開催される予定だ。

◆不可能と言われたボートレースのミッドナイト開催

 働くといえば「平日9時5時」、定時上がりは「アフター5」なんて呼ばれていた時代はもう過去のもの。在宅勤務やシフト勤務などが当たり前になってきた昨今において、余暇を楽しめる時間は人によって大きく異なってきた。だが、競輪が先駆けて始めたミッドナイト・深夜開催は、なかなかボートレースでは難しいだろうとされてきた。

 その理由はモーター音である。競輪は静かにレースすることが可能な「音エコ」レースなのに対し、ボートレースではどうしてもモーター音が鳴り響く。騒音問題に直結するため、ボートレース場の近隣に住む方々の理解がどうしても必要であった。

 だが、2015年11月に同じモーターを使用しているオートレースが飯塚オートレース場でミッドナイト開催を始め、現在では山陽オートレース場も加わり、オートレースファンを増やしている。オートレースでは消音マフラーを装着し、さらに近隣の住民とも同意を得て開催に至った。

 ボートレースもミッドナイト開催を実現しようとさまざまな研究、折衝をおこなってきたことだろう。予想するうえで気になるモーターの取り扱いなど、詳細は近日中に発表されるので待ちたいところだが、第一回となる10月20日〜25日のボートレース下関でのミッドナイトボートレースでは出場予定選手(斡旋)もすでに発表されている。

 西島義則、服部幸男、市川哲也といった実力派ベテラン勢、地元で迎え撃つ谷村一哉、原田篤志。さらには女子レーサーからは長嶋万記、G1級常連の市橋卓士や若手成長著しい羽野直也、小池修平。さらには選手会長の上瀧和則まで出場予定となっており、普段の一般戦と比較しても豪華なメンバーとなっているのだ。

◆コアなボートファンにもうれしい17時開始

 しかし、最終レースが22時前というのは競輪やオートレースが23時過ぎまで開催しているのと比較すると若干早く終えてしまう。まだまだ始めたてなのもあり、モーター音に関する問題など、今後、日程や時間を拡大していく期待を持ちたいところだ。

 そして実は17時に始まるということは、多くのボートレースで開催される日中開催とはリレーする形となる。10時台〜16時台が標準的な日中開催の時間帯なのだが、これをリレースする形で17時から始まるので、レース場2つをじっくり集中して楽しみたいコアなボートレースファンにとっても朗報なスケジュールともいえよう。

 とにかく待ち遠しいミッドナイトボートレースの初回は10月20日から6日間の下関。忘れずにチェックしておいてほしい。

◆これからの公営競技は手を取り合って協力したほうがよい

 10月20日からボートレースでミッドナイト・深夜開催が始まる。最終レースは22時前と、まだ先に深夜開催を始めた競輪やオートレースと比較すると早い最終レースとなるのだが、ネット販売でいずれの公営競技も売り上げが伸び、好調な公営競技界も深夜時間帯に3競技が入り乱れる激戦となることになり、穿った見方をすれば戦国時代でギャンブラー顧客の奪い合いが始まったように見える。

 だが現実はそうなってはいない。モーニングと呼ばれる早朝時間のレースはボートレースが先駆けて導入し、現在競輪やオートレースでも始まっているが、いずれも売り上げを伸ばしており、「顧客の喰い合い」とは程遠い。

 さらに昔を見ると地方競馬の大井競馬場が日本初のナイター開催を始めたのはもう35年前になる1986年である。そして現在、どの競技でもナイターは当たり前にやっている。もはや、他競技のファンの奪い合いなどという議論は意味を成さないのだ。

◆昔はファンの奪い合いを意識する理由があった

 だが、昔からのファンにすると「奪い合い」は当然のことだと思っている。それは馬券・舟券・車券を買うためにはレース場か専用場外に行くのが当たり前だったからだ。競馬を打ちたければ、競馬場か競馬の専用場外に行く、といった具合で、足を運んだら最後、もうその1日は他競技を打つなんて考えは起きないだろう。

 しかし、今はどの競技でもネット投票が売上の主である。どこにいようとも、スマホ1台あれば投票できる。実際に競馬場でスマホ画面からボート中継を見て投票する人や、競輪場でオートレースを投票する人も増えている。また、コロナの巣ごもり需要によって新たに公営競技に興味を持った方々はより自由である。昼は競馬、夜はボート、深夜は競輪と、競技の境目など一切気にしない新世代が生まれている。

 もはやネットの世界においては「どの競技が」と分けて考えないファンが増えてきているのだ。1日中楽しめるレース・スポーツで、かつ投票することもできる新しいネットコンテンツとして公営競技は存在しているのである。また、場外売り場でも複数競技を扱う売り場が増えてきている。ネットだけではなく、リアルでも融合が進んでいるのだ。

◆公営競技ネット中継は生番組でトップクラスの視聴者数がいる

 知らない人にとっては意外かもしれないが、Youtubeでの生配信における同時接続数、通称・同接数も、人気の配信に混じってボートレースをはじめ公営競技の生配信番組が上位にランクインするのは日常となっている。リアルタイムランキングサイトを見れば、Vtuberの配信に混じって、ボートレース中継などの公営競技番組がランクインしているのである。タダで見られるスポーツ中継として、公営競技は日本一の生配信コンテンツに成長している。

 この状況で、ファンの奪い合いという浅い考えはもう捨てたほうがよい。他競技から興味を持ってくれたファンが、そのまま興味を広げてくれて今があるのだ。全ての公営競技を配信解説してきた筆者としては、ファンの方々にも「競馬が一番おもしろい」とか「ボートしか勝たん」ではなく、仲間だと思って公営競技全体の発展を応援してもらいたい。また、運営する側の方々も、ぜひ協調路線をとっていただいて、打つ人も、見る人も楽しめる日本の文化として発展していってほしいと願ってやまない。

文/佐藤永記

【佐藤永記】
公営競技ライター・Youtuber。シグナルRightの名前で2010年、ニコ生で全ての公営競技を解説できる生主として話題に。現在はYoutube「公営競技大学」を運営。子育てやSE業界の話題なども扱う。Twitter:@signalright

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