ひろゆきが「離乳食は手作りすべきか?」の議論は無意味だと考えるワケ

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

 愛するわが子どもを大切に育てたい――その想いとは裏腹に、育児に疲弊する現代の親たち。子育て&教育論をまとめた著書『僕が親ならこう育てるね』が話題のひろゆき氏は、育児にも「適度な手抜きが必要だ」と説く。その理由とは?

◆離乳食を市販品で済ませてはいけない?

 日本人は「自分の苦労を他人にも味わわせたい」派の人が多いのか、「子どもの食事はすべて市販の離乳食」と主張した人に反対意見がたくさん出て、大炎上したことがありました。

 この反対意見の中に「市販の離乳食だと子どもへの愛情が足りない」とあったのですが、少々おかしいなと思った次第です。

 離乳食を食べる0~1歳の子どもは、食事を「誰に与えてもらっているか」の印象は残っていたとしても、「食事が市販品だった」までは覚えていないと思います。もし0~1歳の記憶があって「離乳食が市販品だった」と言う子どもがいたら、相当の天才児です。

 おそらく離乳食が手作りか市販品かの騒ぎにコメントをするような大人よりも、マシになっていると思います。

◆手作りよりも雑菌混入の可能性は明らかに低い

 栄養価のバランスや安全面を危惧する意見もありましたが、市販品は各企業が栄養バランスを考えて作られていますし、衛生的なクリーンルームで調理・密閉・殺菌され賞味期限も明記されています。

 一般家庭の台所で手作り離乳食を作って冷凍保存するよりも、雑菌混入の可能性は明らかに低いわけです。

 もちろん、手作りを食べさせたい人は食べさせてあげればいいとは思いますが、それは育児でストレスをためない範囲の余裕がある人が、好きにやればいいこと。

 育児の事情は人それぞれなのに「離乳食を手作りすべき」と押しつけるのは違いますよね。

◆健全な子育てをするためには親が健康であること

 離乳食だけではなく、育児で利便性の高いものはどんどん利用したほうが、健全な子育てがするためには大切なことです。

 飛行機の酸素マスクは墜落時、子どもに装着させる前に、親が先に装着することがルールになっています。

 これは親が酸素不足で気絶したら子どもにマスクを装着できず、生存確率が下がるからです。つまり、親が子どもの面倒を見られない状態は、子どもにとってデメリットでしかないのです。

◆影響がない範囲での〝手抜き〟は利点のほうが大きい

 健全な子どもを育てるためには、親が健全であることは重要。もちろん食事の量が少ない、栄養価が足りていない、運動が足りないなど子どもに影響が出る〝手抜き〟はよくないですが、影響がない範囲での〝手抜き〟育児は、むしろ子どもにとってはいいことでもあるのです。

 周りの感情に流されて、日本人が思う〝ちゃんとした育児〟をした結果、睡眠不足になれば、注意力が低下して事故の確率も上がります。下手すれば、育児ノイローゼになってしまう可能性もあるでしょう。

 “手抜き”できるところは“手抜き”する。それが最終的に子どものためにもなると思うのです。

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

【ひろゆき】

西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。『僕が親ならこう育てるね』という初の子育て論本が発売。著者印税は児童養護施設へのパソコン寄贈に充てられる

2021/9/26 11:54

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