【神戸新聞杯・オールカマー】「青天を衝け」、ただまっしぐらに/長岡一也

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【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆秋の気配に染まるように、移ろう姿を受け入れる

 我慢しない、逆らわない、明日のことはわからないと、美術家の篠田桃紅さんは書いておられた。百歳をすぎても大胆な抽象画を描き続け、海外からも高い評価を得られていたが、常識の世界に生きなかったから、長生きできたとも書かれていた。

 どこか競馬に通じるものがあると、ずっと感じていたのだが、9月に入ってこの先をにらむトライアルがいくつもあったが、思いが及ばない結果を突きつけられ、少しばかり気持ちが萎えそうになったとき、この言葉は力になった。

 身の回りに神経を使わざるを得ない日常だが、大きく息を吐いて頭を上げると、うす青く広がった空に、うろこ雲が白く群れをなし、水面の波のようになっているのが目にとび込んできた。

 秋空は、気持ちを澄みわたらせてくれる。

 そうだ、「青天を衝け」だ、ただまっしぐらにだ。

 目の前を駆ける馬たちの移ろいの姿を心に刻んでおけばいい。秋の気配に染まるように、その時々のレースをしっかり受け入れ、新しい明日を迎える、それでいい。

 オールカマーに神戸新聞杯は、そんな気分転換をしてのぞむことにした。

 どう考えてもこの2つでは、神戸新聞杯の方に安心感を覚える。1番人気の連対率がこの10年、9割を占め、ダービーからの直行組が9勝、2着6回と圧倒的。世代の頂点にキャリア4戦目で立ったシャフリヤールが、ひと夏越して順調ならば、どう自分の力を発揮するかだけだろう。

 春2冠がいずれも3着だったステラヴェローチェは、どこまで力をつけてきたか。これも、負けず劣らずの存在だ。菊花賞を頭に浮かべてレースを見てみたい。

 もう一方のオールカマー、こっちは中山の芝2200米(外回り)おむすび型のコースが、レースの行方を面白くしてくれる。

 スタートして第1コーナーまでの直線が432米、そこに急な坂が待っている。そして、第1コーナーから第2コーナーを頂点として高低差5.5米の坂を上りつつ、向こう正面へ。そこから今度は一気に坂を下りながら3コーナー、そして最終コーナーをスピードを落とさず直線に。

 その勢いで直線の2度目の急坂を上り切ってゴールに向かう。前半はペースが上がらず、ロングスパートして上がりの速いものに勝利は味方している。

 当然のことながら、中山のコース実績のあるものがよく、前走がGIだった馬がいれば尚更注目していい。

 このくくりで言えば、レイパパレとウインマリリンの2頭の4歳牝馬が。デビュー以来6連勝で大阪杯を4馬身差で圧勝したレイパパレは、前走が宝塚記念の3着。

 ウインマリリンは、前走が春の天皇賞の5着、両馬とも距離はベストに見える。

 これに中山得意のウインキートス、脚をためてレースぶりが安定してきたランブリングアレー、伏兵として主導権を取って持久力を生かすロザムールと、牝馬一色で攻めてみたい。

「これでよし めざすタイトル 目の前に」





  • 9/25 12:00
  • netkeiba.com

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