ひろゆきが警告する「自分の頭で考えられない人間を育てる親の言動」

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

「親ガチャ」問題はじめ、子育て&教育分野でも話題をふりまく日本屈指のインフルエンサー・ひろゆき氏。著書『僕が親ならこう育てるね』でも初めて子育て&教育論をまとめ、そのストレートな物言いが大反響となっている。そこで今回は子育ての重要テーマ「子どもの𠮟り方」について、ひろゆき氏の見解を聞いた。

◆子どもの叱り方に「いい叱り方」は存在しない

――「子どもの叱り方」というのは多くの子育て中の親が抱える悩みですよね。

ひろゆき:書店の子育て本コーナーを見ても「いい叱り方」「子どもに怒ってはいけない」といった本が多く並んでいますが、まず大前提として、子どもには躾は必要ですが、「いい叱り方」という画一的なものは存在しないと思うんです。

◆叱ると怒るはまったくの別物

――そう言われると、親としては迷走しちゃいますよ。

ひろゆき:いい叱り方はないんですが、「悪い叱り方」はあります。それは、叱るときに大人が怒ることです。これは子どもだけではなくて、上司が部下に対するときもそうかもしれませんが、叱ると怒るはまったくの別物。怒るは、ただ感情的に腹を立てて相手にぶつけているだけなんです。

 子どもは大人が怒りの感情をぶつける相手ではありません。躾、そして子どもの成長を促す教育ということであれば、適切な言い方で何がダメかを伝えなければいけないわけです。もちろん、子どもの発育段階においては、すべて静かな声で諭すように話すわけにもいかず、大声を出す必要もあるでしょうが、それでも怒るとは違います。

 怒るという一方的な感情を子どもにぶつけてしまうと、子どもは恐怖しか覚えていません。なぜ怒られたのかを理解する前に「怒っているから謝る」「怒っているから同じことをしない」と考え、その理由を見つけることを、考えない人間に育ってしまうと思うんです。

◆体罰では叱られた理由がわからない

――体罰についてはどうでしょうか?

ひろゆき:昭和の頃は叩いて覚えさせることが当たり前という風潮がありました。そうした風潮で育った人の中には、子どもに対して「叩かれないから同じことを繰り返すんだ!」と叩くことを正当化しようとする人もいまだにいます。

 でも、叩かれた理由を相手が理解できないのに叩くても、同じことを繰り返すだけ。実際、僕も躾と称して叩かれて育った人間ですが、宿題は忘れてばかりでしたし、遅刻もぜんぜん直りませんでしたね。

◆「叱られる理由」をきちんと理解してもらう

――体罰では根本的な教育にはならないってことですね。

ひろゆき:そもそも体罰で覚えさせることができるのは「叱られる理由」じゃなくて、その事柄が「やってはいけないこと」というだけですしね。躾や教育において、大切なのは「叱られる理由」をきちんと理解してもらうこと。

 ここで、じゃあ理由を理解してもらうために、しつこく聞くのもダメだと思うんです。「なぜ叱られるのかわかる?」と聞いて、その答えが間違えたら再び叱る……この問答を繰り返すと、子どもは「間違えたら叱られる」と思ってしまうので、逆効果です。

 人間は怒鳴ったり叩いたりしなくても、きちんと叱れば覚える生き物です。感情をぶつけて〝怒る〞躾は子どもを思考停止させ、考えない人にしてしまうもの。とりあえず悪い叱り方だけはやめたほうがいいと思うのです。

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

【ひろゆき】

西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。『僕が親ならこう育てるね』という初の子育て論本が発売。著者印税は児童養護施設へのパソコン寄贈に充てられる

2021/9/25 11:54

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