北朝鮮人民が恐れる「トンデモ新法」の理不尽実態(2)不動産の処分で降格・解任

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 韓流ブームと時を同じくして、世に広まったのが副業だ。テレワークで上司の目が届かないのをいいことに、熱中する日本のサラリーマンも少なくない。ところ変わって、北朝鮮でも副業市場は大盛況。しかし本業を疎かにする不良社員へのペナルティーの重さは比べものにならない。締めつけに躍起となっている現状を「デイリーNKジャパン」の高英起氏が指摘する。

「国営の工場や企業で働いても給料は雀の涙で、家族を養うのは厳しい。そのため、仕事の空き時間を利用して、市場で商売をするなど副業が当たり前になりつつあります。ところが入れ込みすぎるあまり、会社をサボる問題児が急増。その結果、1日に2回、従業員の出勤状況を地域の警察署に報告する義務が会社に課せられるようになりました。ここで無断欠勤がバレたら、事情を問わずに刑務所に送還。最高で1年の懲役刑が科せられます」

 生活の糧を得るためとはいえ、お縄を頂戴しては元も子もない。

 同様に、日本ではお咎めナシでも北朝鮮で重罪扱いされるのが、公共料金の未払いだ。日本では期日までの支払いが滞っても、ライフラインを止められる程度で済むが、高氏は「北朝鮮では捕まりますよ」と告発してこう続ける。

「昨年の法改正によって、行政処罰法123条の『電気使用料納付秩序違反行為』で3カ月以下の懲役刑に服すことになりました。かつて北朝鮮の電気料金は定額制でしたが、19年末から所有する電化製品の数によって料金が加算されるようになりました。負担が増えたことで支払いが滞ったり、支払いを免れるために、家庭の電気メーターの数字を改ざんする事案が増加。税金のシステムがない北朝鮮では、公共料金こそが貴重な国の財源。そのため、厳しく取り締まりをしていて、未収金が常態化すると刑期が3カ月以上に延びるケースもあるそうです」

 金がなければ逮捕する─。なんとも非情そのものではないか。

 また、国が一元管理しているはずの不動産にまつわる法律も制定されている。

「85条『不動産非法処分行為』です。不動産を非法的に処分した者に3カ月以上の懲役刑を与えるもので、地位の高い人の場合は、降格や解任などの懲戒規定も盛り込まれています。意外かもしれませんが、実は『使用許可権』という形式で不動産を得ることが可能で、これを売り買いする不動産市場も存在します。もちろん、地上げ屋のような土地成金がいる。北朝鮮で〝トンジュ〟と呼ばれるセレブの中には、海外に別荘を持つやり手も少なくありません」(在韓ジャーナリスト)

 とはいえ、国が一斉に摘発に動く可能性は低いようで、

「マンションやビルなどの大規模な建物の建築費用は、トンジュからの投資で賄っています。摘発するとその資金源を失うことになりかねない。現在、平壌を中心に大規模な工事プロジェクトが複数進行中なので、しばらくは泳がせる方針なのかもしれません」(外信部記者)

 建前だけでは国家の運営は立ち行かないのである。

*「週刊アサヒ芸能」9月30日号より。(3)につづく

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  • 9/25 10:00
  • アサ芸Biz

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