コロナ禍で開いてる店がない。恐る恐る彼女を家に誘ってみると…
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:初デートは成功。でも2度目のデートをなぜか男から拒否される女のやりがちな、“あるコト”とは…
「唯香ちゃん、この後どうする?ウチに来る…?」
出会って、今日で2度目のデートだった唯香。いい雰囲気だったものの、まだ交際前だし、ハッキリと「付き合おう」と言葉にしていないので、断られるかなとも思っていた。
だが唯香は意外にも、否定的ではなかった。
「どうしようかな…。でも、飲めるところもないしね」
「え?いいの!?」
自分から誘っておきながら、まさかの展開に声がうわずる。
今年で33歳になる僕。さすがに一夜限りでいいから女性を口説きたいという欲もなく、唯香のことだって中途半端な気持ちで誘ったわけではない。
ただ、交際前なのにアッサリとついてきてくれた唯香。
「じゃあ、行こうか」
2人でタクシーに乗り込む。妙な静けさが漂う車中で、そっと手をつないだ。
彼女と別れて、約1年。出会いと別れを繰り返してきたけれど、ようやく本気になれる人と出会えた気がする。
唯香はどちらかといえば、ガードが堅そうなタイプ。
それなのに、どうして3度目のデートで、この誘いに乗ってきてくれたのだろうか?
コロナ前後で変わった価値観。女が男の家へ行った理由は?
Q1:出会ったタイミングで、男が勝っていた点は?
唯香と出会ったのは、僕の友達である美波の紹介だった。
美波は僕より3つ年上の既婚者で、お互いに何の恋心や男女の仲もなく、純粋に仲の良い女友達だ。
そんな美波から、急に連絡が来たのが約2ヶ月前のこと。
「レンレン、今って彼女いなんだよね?」
「うん、今はいないよ」
「じゃあ紹介したい女の子がいるから、紹介させて!」
「お、おう。ありがとう」
テキパキとした美波の仕切りで、気がつけば僕たちは3人で会うことになっていた。
それが、1ヶ月半前くらいのことだ。
「こちら、唯香ちゃん。私の後輩。で、こっちが蓮くん。こんなイケメンで高身長なのに彼女がいなくて。ちなみに結婚願望アリです!」
美波の進行具合に、思わず僕は笑ってしまった。
「美波は、なんなの?紹介所なの?(笑)」
「違うよ!(笑)いや〜私はもう結婚しちゃったけど、最近みんな“出会いがない”ってよく言っていて。しかも2人ともこんなにも美男美女なのに、シングルなわけでしょ?せっかくだから、何かプラスになればいいなぁと思って」
ふと思い出したが、美波はイイ奴だった。
そして美波が紹介してくれた唯香は、身長165cmくらいだろうか。細身ですらっとした、美人な子。
僕の好きなタイプを紹介してくれた美波の手腕に、拍手を送りたくなる。
「じゃあ、2人の連絡先LINEでつなげておくね。あとは自由にどうぞ♡」
それだけ言うと、嵐のように去っていった美波。しばし圧倒されながらも、残された僕たちは会話を楽しんだ。
「唯香さんは、どこに住んでいるんですか?」
「私は広尾です。蓮さんは?」
「僕は三宿です!広尾って、家賃高くないですか?ひとり暮らし?」
「うーん、どうですかね。あまり気にしたことないけれど…」
こんなに綺麗だったらモテるだろうし、多少お金がかかりそうな香りもする。
だが僕としては唯香がタイプだったし、彼女も欲しい。それにそろそろ真剣に結婚もしたい。
「こんな綺麗な人が、僕でいいんですかね?」
「そんなそんな。蓮さんのほうこそ、何でシングルなんですか?」
「僕は前の彼女と別れてから、コロナになったし出会いもなくて」
「わかります!私もです。あと私の場合、交際するまでが長いというか、ガードが堅いってよく言われます」
それは最高である。ホイホイと男性についていく女性は論外。本命彼女には“鬼の鉄壁”と呼べるくらいのガードがほしい。
「そっちのほうがいいじゃないですか!僕は賛成です」
「そうですか?面倒くさいなぁと自分でも思いますけど…。交際前に、そういう関係になるのが嫌なんですよね」
釘を刺された気がしたが、それは当然のことだろう。お互い、いい大人だし、唯香が言うことはもっともである。
「そうですよね。僕も大人になってからはそう思うなぁ」
お互い、第一印象は悪くなかったと思う。
気がつけば、あっという間に時間が過ぎていた。とりあえず初回はお茶だけで解散したが、連絡先はもう美波がつなげてくれている。
僕がすべきことは、解散してすぐに唯香にお礼をかねてLINEを送るだけだった。
— 蓮:良ければ今度、2人で食事でもどうですか?— 唯香:ぜひ!いつ空いていますか?
こうして、僕たちは食事へ行くことになった。
まだ会って3度目。「ガードが堅い」と自負していた女が折れた理由は
Q2:最初は迷っていた女が、覚悟を決めたタイミングは?
2人で会うのは、初めてとなる日。今日も唯香は可愛い。しかしデートが始まるや否や、唯香は突然質問をしてきた。
「蓮さんって、結婚願望あるんですか?」
「僕?めちゃくちゃあります!」
思わず、前のめりになってしまった。僕が勤めている日系企業では、30歳を過ぎると半数以上が結婚をしている。
いつまでも独身でフラフラと遊んでいると落ち着きがなく見えるのか、クライアントから「早く結婚したら?」と言われたり、上司からも「結婚したほうが箔がつく」と言われたりする(かなり時代に逆行していると感じるが、うちの業界はそうなのだ)。
それを素直に話すと、唯香は目を丸くして驚いていた。
「そんなこと言われるんですね…。じゃあ、同期とかは結構みんな結婚している感じですか?」
「そうですねぇ。8割くらい結婚しているかな。唯香さんは?お友達とか、同期とか結婚していますか?」
「私の周りでも続々と、みんな結婚していっていますね…。私も早く結婚したいなぁとは思っているんですけど」
「そうなんだ」
いいことが聞けた気がする。というのも、30歳を過ぎて気がついたことがある。
どんなに美人で性格がいい子でも、結婚に向かない子もいるのだ。でも唯香は美人で僕のタイプなうえに、結婚願望がある。これは非常に嬉しいポイントだ。
しかも出会いが減っている今、こういうチャンスは本当に大事にしていかなければならない。
だから僕は、いつも以上に丁寧に対応し、デート中も一生懸命盛り上げた。
そして迎えた2度目のデート。連絡も頻繁に取り合っていたし、僕としては交際してもいいかなと思っていた。
ただ実際に今このタイミングで交際となると、必然的に結婚まで考えることになる。唯香だったらいいかなとも考え始めていたが、もう少しだけ見極めたいという欲もあった。
— もう少しだけ、様子を見よう。
そう思いながら食事をしていたが、そもそも今は外でお酒が飲めず、お店も開いていない。
でも彼女ともう少し一緒にいたくて、食事が終わったあと僕の家に誘ったのだ。
「唯香ちゃん、この後どうする?ウチに来る…?」
— ヤバ。ちょっと早かったかな…。
自分でも、そう思った。大事に進めたい気持ちはあったものの、僕も男である。
しかし予想に反して、彼女は家に来ることになったのだ。
「え…どうしようかな。でも、飲めるところもないしね」
「うん。唯香ちゃんがよければ」
「じゃあ、お邪魔します」
結局、この1ヶ月後。体の関係が先ではあったものの、僕たちはこのまま交際することになった。
しかし、最初から唯香も僕のことを好いていてくれたのだろうか?
交際前に家に連れ込んでしまったが、どうしてその時点で関係を持つことに対し、OKと言ってくれたのだろうか。
結果が良かったからいいものの、参考までに女性の意見を聞きたいと思っている。
▶前回:初デートは成功。でも2度目のデートをなぜか男から拒否される女のやりがちな、“あるコト”とは…
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女が交際前に迫られてもOKを出した理由は?