東出昌大、芝居には「禅問答みたいなところがある」持論を語る

 俳優の東出昌大が22日、都内で開催された映画『草の響き』舞台あいさつに、斎藤久志監督と共に出席。自らの経験をもとに、芝居には禅問答のようなところがある、と持論を展開した。

 早世の小説家、佐藤泰志の作品を映画化する本作。精神に失調をきたし、ふるさとの函館に妻と戻った男・工藤和雄を、2018年の『寝ても覚めても』以来3年ぶりの映画主演となる東出が演じる。

 「台本を一読してラストシーンにほれ込んだのですぐにやりますとお返事しました」と言う東出。斎藤監督との対面時にはすぐに電話番号の交換を申し出たそうで、斎藤監督は「そんなことしたことないんで『な、なにすんだ』って(笑)。でも『聞きたいことがいっぱいある』っていうことだったので、そういうふうなアプローチをしてくるんだなと。僕と違う発想が東出さんの中にあった」と芝居に対する東出の姿勢に感心したことを明かした。

 また東出は、若いキャストが演技に苦戦していたことを振り返り「お芝居って禅問答みたいなところがあって『おい芝居するな』って言われても芝居しないといけない」と自然な演技の難しさを語る。「『芝居しないで存在する』ってなんなんだろう、みたいなのって、たぶんキャリアを重ねていったりいろいろな人から勧められた作品だったり本だったりっていうのを読んだ時にだんだん身に付く」と経験をもとに持論を展開し、「まだ若いから煮詰まってたんですけど、みんな最後まで諦めないで監督についていっていたから、キラキラしていてすごく良かったです」と微笑んだ。

 さらに東出は自身の演技について「瀬々(敬久)監督がコメントをこの映画に書いてくださった。『東出は小器用にやろうとしない。お芝居に正直』みたいなことが書かれていて」と瀬々監督の言葉を引用。最後には「できたらいいんですけどね、小器用に。難しいですね」と笑っていた。

 映画『草の響き』は、10月8日より全国順次公開。

2021/9/22 22:11

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