日本名輪会・山口健治の「江戸“鷹の目”診断」/深谷が逃げて脚を使えば山田英が逆転

【「青森記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人!】◎深谷知広/○山田英明/▲吉田敏洋/△河端朋之/東口善朋/岡村潤/武田豊樹/永沢剛/坂本貴史/吉澤純平/嵯峨昇喜郎/上田尭弥

 つけられる先行が見当たらなくても、直線でコースを探し出し、伸びてくるのが追い込みの名手である。

「青森記念」(9月23日【木】~26日【日】)で、突出しているのが深谷知広だ。共同通信社杯に出走できなかったのは選考条件を満たさなかっただけ。ここは深谷からの2着探しとみたが、展開しだいでは、わずかだが波乱の決着もありそうだ。

 本命の深谷は、6月から“競輪”に復帰。まだ優勝はないものの、スピードは群を抜く。1カ月近いレース間隔もプラス材料。圧勝劇まであるのではないか。

 対抗は実績から山田英明しかいない。前々走の小倉は、FIとはいえ今年の初優勝。深谷が逃げて脚を使うようならゴール前届く。

 前々走優勝している▲吉田敏洋と、△河端朋之は、あっても2着までだろう。

 地元勢では嵯峨昇喜郎がGIIIの準決勝突破にもう一歩と強くなってきた。レースを覚え、先行するにしても緩急をつけられるようになってきた。青森の先輩ががっちりガードするだけに、勝ち上がりのチャンスもある。

 近畿に自力型が少なく印は回らなかったが、東口善朋は怖い存在だ。直線のコース取りはまさに名人芸で、3番手があれば本領を発揮する。

【大穴この1車】

 柴崎俊光(三重・91期)。

 いかにも追い込み選手らしく、直近成績は1着1回に2着が6回。今年はGIIIを3シリーズ走っているが、圧巻だったのは準決勝に乗った8月GIII川崎(【4】【2】【9】【3】)。2次予選2着は3万、最終日3着は北日本ライン3車に割って入り、7万9240円だった。FIでは26万(3月奈良、1着)、15万(5月松山、3着)に絡んでいる。高配当は定石どおり筋違い。2、3着に頑張るかどうかだ。

【狙い目の伏兵3人】

 ここは115期の3選手に注目。その1番手は岩谷拓磨(福岡)だ。富山県出身で高校時代は陸上競技で活躍していたが、競輪選手を目指し、父の友人でもあった吉岡稔真さんに弟子入り。昨年11月に特昇したあとは、GIIIで2度準決勝に進出している。競走得点は105点オーバーと高く、予選はクリアできる。

 藤井侑吾(愛知)は、S級2場所目の8月GIII富山(【2】【1】【2】【3】)が出色の競走だった。2着が多いのは脚にスタミナがあるから。本格化するのはこれからだ。

 武田亮(東京)は、初めて伏兵に取り上げた8月山口健治杯で【1】【4】【1】と期待に応えてくれた。2度目のGIIIも先手を取るだけだ。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

2021/9/22 17:58

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