フジテレビ系で９月１８日、１９日のゴールデンタイムに放送されたアニメ『鬼滅の刃』がまたしてもとんでもない数字をたたき出した。

　１８日放送の『鬼滅の刃　竈門炭治郎 立志編 第三夜・鼓屋敷』の平均世帯視聴率は１４.４％（すべてビデオリサーチ調べ、関東地区）、１９日放送の『鬼滅の刃 第四夜・那田蜘蛛山編』は１４.７％を記録。

　他局の高い視聴率だった番組を見てみると、１８日は『サンドウィッチマン＆芦田愛菜の博士ちゃん』（テレビ朝日系）は１１.８％、『世界一受けたい授業』（日本テレビ系）が９.７％。１９日の番組では『ポツンと一軒家』（テレビ朝日系）が１４.２％だった。

「ただ、現在テレビ各局が最重要視している１３～４９歳のコア層の視聴率、“コア視聴率”では１８日の『鬼滅の刃』は１１.９％、１９日は１２.６％でした。『博士ちゃん』のコアは４.０％、『世界一受けたい授業』が４.１％、『ポツンと』は１.６％です」

『ポツンと』は世帯視聴率では１４.２％と『鬼滅の刃』に肉迫していましたが、コア視聴率ではとんでもない大差をつけられています。『ポツンと』だけではありません、『鬼滅の刃』は他局の番組を“皆殺し”にするほど、コアでは圧勝中の圧勝だったんです」（制作会社関係者）

　９月１１日と１２日にも『鬼滅の刃』の『竈門炭治郎 立志編 特別編集版』の第一夜「兄妹の絆」と第二夜「浅草編」がそれぞれ放送された。

　１１日の世帯視聴率は１３.３％、コア視聴率は１０.５％、１２日の世帯は１３.４％、コア１１.７％で、『鬼滅の刃』は２週にわたってとんでもない数字を記録したことになる。

■『鬼滅の刃』がフジテレビにもたらした「２つの出来事」

　前出の制作会社関係者が続ける。

「９月２５日には、同じくフジテレビで『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が地上波初放送となります。映画の興行収入は４００億円を超えて歴代最高を記録する歴史的な大ヒットとなった作品ですから、当然、２５日の世帯・コア視聴率もとんでもないことになるでしょう。

　また、その後、アニメの第２期『遊郭編』がスタートします。アニメは毎週日曜の２３時１５分から放送されますが、そちらも凄い数字になるでしょうね」

　２０２０年は映画で日本中を席巻した『鬼滅の刃』だが、今年の秋から冬も“鬼滅一色”になりそうだ。

「『鬼滅の刃』の地上波放送ですが、フジテレビに２つの快挙を呼んだんです。１つは９月の第３週、１３～１９日までのゴールデンとプライム帯のコア視聴率でフジテレビが“２冠”を獲得しました。

　その週のゴールデン帯のコア視聴率は６.１％、プライム帯も５.６％と高い水準を記録しています。その週の月曜から金曜まで、フジテレビの番組で特別数字の良いものは、１７日に放送された『人志松本の酒のツマミになる話』（６．０％）とその後の『全力！脱力タイムズ』（５．１％）くらいで、他はありませんでした。フジテレビの２冠は明らかに『鬼滅の刃』がけん引した結果です。

　そして、『鬼滅の刃』が呼んだもう１つの快挙とは、木村拓哉さん（４８）主演映画の高視聴率です」（民放キー局ディレクター）

■木村拓哉『マスカレード・ホテル』のコア視聴率も爆上がり

　１８日の『鬼滅の刃編 第三夜・鼓屋敷』の放送終了後、２１時からは木村が主演を務めた映画『マスカレード・ホテル』がフジテレビで放送された。

　２０１９年公開で興行収入４６.４億円を記録した『マスカレード・ホテル』。シリーズ最新作『マスカレード・ナイト』が９月１７日に公開したのを記念しての地上波放送となった。

「『マスカレード・ホテル』の世帯視聴率は１６.７％、コア視聴率は９.１％とこちらも非常に高い数字を記録しました。“さすがキムタク”という声もありますが、昨年１月２日に『マスカレード・ホテル』が地上波で初放送されたときの世帯視聴率は１２.４％。それから４ポイントも数字が上がっているんです。

　もちろん、映画の最新作が公開され、注目度が高いというのもあるでしょうが、『鬼滅の刃』が高視聴率を取り、そのバトンを受ける形でスタートしたといういい流れがあり、今回の『マスカレード・ホテル』は高視聴率をたたき出したと、関係者の間ではもっぱらですね」（前出の民放キー局ディレクター）

　１７日から公開が始まった木村主演の『マスカレード・ナイト』は、素晴らしい初速で、興行収入５０億円超えも射程圏内にとらえたと報じられている。テレビ界で猛威を振う『鬼滅の刃』と映画『マスカレード・ナイト』が、長年不調がささやかれるフジテレビに勢いをもたらす、救世主になるのかもしれない――。