紅白で見たい、黒柳徹子のHBB「ツ、ツ、ツ、ツツ、チュ~」

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(12月20~26日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

黒柳徹子「練習してもできないかな?」

 ステイホームをひとつのきっかけに芸能人のYouTubeでの活動が盛んになった2020年。そんな年の瀬に、日本のYouTuberの代表的存在の1人といっていいだろうHIKAKINが、24日の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演していた。

 比較的よく知られているように、彼が最初に注目されたのはヒューマンビートボックス。今回の出演に際しても、HIKAKINは黒柳徹子の目の前でヒューマンビートボックスを披露する。『徹子の部屋』のテーマ曲も“演奏”する。黒柳はそれをときおり体を少し揺らしながら、若手芸人のネタを見るときのあの眼差しでじっと見る。

「練習してもできないかな?」

 さすが好奇心の強い黒柳、HIKAKINのパフォーマンスが終わるとそう言って、口元でさっそくプスプスと言わせ始める。「世界では女性でも上手い人が山ほどいます」と聞くと、彼女は我流のヒューマンビートボックスを始めた。

「トゥ、トゥトゥ、トゥトゥトゥ、チョチュチュ、チュチュチュチュ、チュ、チュチュチュ、チュチュ、チュチュチュ、ツツツツ、ツツ、ツツツツ、ツ、ツ、ツ、ツツ、チュ~」

 ヒューマンビートボックスというか、モールス信号のような何か。どこかへの暗号かもしれない。黒柳はゲスト審査員として年末の『紅白歌合戦』(NHK総合)に出演する予定だけれど、どこかの歌手のところにこのヒューマンビートボックスで乱入したりしないだろうか。あるいは特別企画で、やはりヒューマンビートボックスが得意な滝沢カレンとコラボしないだろうか。

藤本敏史「努力と対価が伴ってない。こらホンマにチクショーや」

 22日の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)で放送されていたのは「クリスマスだよ!太夫フェス」と題した企画。以前から同番組では、フジモンこと藤本敏史が顔を白塗りにしてコウメ太夫になる、フジモン太夫と称するネタが繰り返されてきた。そんなフジモン太夫が、有吉弘行や山崎弘也(ザキヤマ)らが”悪ノリ”で提案したパロディ企画を実現する企画だ。

 開幕した太夫フェス。オープニングアクトは湘南乃風のパロディ「湘南乃太夫」。フジモン太夫は『睡蓮花』の歌詞を変えながら、「めっちゃバリバリ塗っちゃって!」と歌い踊る。次は、『逃走中』(フジテレビ系)の本格パロディ「白塗り中」をVTRで。同じ白塗りのゴー☆ジャス、氏神一番と共にハンターから逃げるフジモン太夫。衣装や画面の細部、ナレーションまで本家の『逃走中』を忠実に再現しているのがおかしい。

 続けて、『半沢直樹』(TBS系)のパロディ「太夫沢直樹」。半沢直樹をフジモン太夫が演じ、脇を安田団長(安田大サーカス)、河本準一(次長課長)、隅田美保(アジアン)ら芸人が固める。フジモンらは特にふざけることなく忠実にドラマを再現していく。そして、最後はNiziUのパロディ「DaU(ダユゥー)」。さすが元・吉本印天然素材。ダンスは完コピだ。

 なお、フジモンいわく、このパロディ企画は相当な時間を使ったとのこと。湘南乃風のパロディで2~3時間、『逃走中』のパロディで8時間、NiziUのパロディで10時間、『半沢直樹』のパロディにいたっては14時間かかったという。

「努力と対価が全然ともなってない。こらホンマにチクショーや」

 なるほど、パロディは労力がかかる。裏方になるとさらに、だろう。そのせいだろうか、最近はあまり見かけなくなっている印象がある。そんな中での今回の「太夫フェス」は、なんだか久しぶりにパロディ企画を堪能した気がする。白塗りの50歳男性がいろいろやらされている、という前提が大いにふざけているから、そんな彼がただただ演技やダンスなどに真面目に取り組む画面に笑ってしまう。元ネタにひとつもテレ朝関連がないのもいい。

 黒柳徹子と滝沢カレンのヒューマンビートボックスの後ろで、フジモン太夫が踊っていてはくれないだろうか。

 あれは漫才ではない。そんな声が少なからず上がった20日の『M-1グランプリ2020』(テレビ朝日系)。野田クリスタルがステージ上を七転八倒し、それを村上がツッコミ続ける漫才を披露したマヂカルラブリーの優勝には賛否両論が巻き起こった。いや、実際に賛否両論があったのか、メディアがそんな構図を作ったのかはよくわからないのだけれど。

 その日一番面白い漫才師を決める大会なのだから、“漫才らしい”かどうかは脇に置いといてもいいじゃない、とは思うけれど、M-1の結果に対してはいつだって異議申し立てが起こるもの。ミルクボーイがあまり異論なく優勝した2019年のほうがイレギュラーだったのかもしれない。なにより、私自身もM-1が一旦休止になるまでのいわゆる第1期(2001年~2010年)のころは結果に憤慨していたことがよくある気がするので、人のことはいえない。

 そんな中、M-1で審査員を務めた塙宣之が、ナイツとして26日の『爆笑問題の検索ちゃん 芸人ちゃんネタ祭り』(テレビ朝日系)で奇妙な漫才を披露した。バンダナを巻いて手袋をつけた姿でセンターマイクの前にやってきた塙。当然、相方の土屋伸之がツッコミを入れ、塙はそれらのアイテムを外すことになる。さらに、塙の腰回りが少し大きくなっていることに気づいた土屋。指摘を受けた塙がしぶしぶズボンを脱ぐと、そこにはおむつが。で、シャツを脱ぐとブラジャーが。上半身はブラジャー、下半身はおむつだけの姿になった塙に土屋がツッコむ。

「絶対M-1の審査員辞退しろよ」

 さらに翌日、27日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、松本人志が「あれは漫才ではない」という声を受けこんなコメントをしていた。

「漫才の定義っていうのは基本的にないんです。いや、定義はないんですけど、定義をあえて設けることでその定義を裏切ることが漫才なんですよ。だから定義はあえて作るんですが、これは破るための定義なんですよ」

 なるほど、「あれは漫才ではない」に対して「漫才に正解はない」という声があがるは当然だ。けれど、「漫才に正解はない」が完全に受け入れられた世界では、マヂカルラブリーのような漫才は面白さが半減するのだろう。

 定義をあえて設けながらそれを裏切っていく。松本が語り、ナイツが実演した漫才の本質のようなもの。そんな止まることなく動き続ける運動体としての漫才を見ながら、私たちはそれぞれの場所から「あれは漫才ではない」と語ったり、「漫才に正解はない」と語ったりするのだろう。いや、漫才に語らされているのだろう。

 なにはともあれ、黒柳徹子と滝沢カレンのヒューマンビートボックスの後ろで踊るフジモン太夫、その脇で、スーツの下はブラジャー&おむつの塙が審査員席に座っていてほしい。

 25日の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)は人力舎特集。おぎやはぎやアンタッチャブル、東京03やドランクドラゴンなどお笑い芸人が多数所属する芸能事務所の芸人を集め、彼らの来歴や現状、相互の関係性などについてのトークが繰り広げられていた。

 で、アンタッチャブルによるおぎやはぎの漫才の完コピなど面白い場面がたくさんあったこの日の放送。最後のコーナーは、占い師・ゲッターズ飯田による人力舎芸人たちの来年以降の運勢の発表だった。

 最初に占われたのは光浦靖子。本来ならば今年、カナダへ留学する予定だったものの、新型コロナウイルスの影響で延期となってしまった彼女。飯田いわく、再度留学を考えるとしたら、タイミングとしては2022年か2024年がベストらしい。なぜなら「光浦さんの運気が全般的に、行動力が増してくるのが2021年の後半から」だから。

 が、そんな話を飯田がしているところに光浦は割って入る。

「え~、それは嘘だね。私はもう行動力満々だね」

 なんだか、「外れてる」ではなくて「嘘」という言葉のチョイスがいいなと思いました。占い師の土俵にハナから乗ってない感じがして。

  • 12/29 17:00
  • サイゾー

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