不倫沼からぬけ出すきっかけは、髪を染めた私を見て言った彼の一言

 女性がヘアスタイルをガラッと変えるのは、なかなかの覚悟がいりますよね。

 今回は、髪色を変えたことがきっかけで不倫の恋から抜け出せた女性のエピソードをご紹介しましょう。

◆関係をもった後に既婚だと知らされた

 原田加奈子さん(仮名・29歳・デザイン事務所勤務)は、妻子のいる男性Sさん(38歳・不動産業)と不倫関係になり3年になります。

 

「当時、無理やり同僚に付き合わされた相席居酒屋でSと出会いました。軽いノリで連絡先を聞いてくるチャラい人だなって印象でしたね。“郷にいれば郷に従え”だと思って交換しましたが」

 すると、ガードの固い加奈子さんがいくら冷たくしてもSさんは毎日LINEしてきました。

「そしたら、いつの間にか明るくて話題が豊富なSって良いなと思うようになってきて。そんな時、急に3日間もSからLINEがこなくなってしまい寂しくなって、しょっちゅうスマホばかり見てしまって」

 ついに自分からLINEしてしまった加奈子さん。

「それからすぐに会う事になり、男女の仲になるのですが…その時に初めてSから『言ってなかったけど既婚者なんだ』と聞いてショックでしたね」

 しかも、実は加奈子さんには恋愛経験が全くなく初めて関係を持った相手がSさんで…。

◆彼に好かれたくて髪型も黒髪ロングに

「もう好きになってしまった気持ちを止める事が出来なくて、不倫でもいいから関係を続けようという事になりました。今思うと本当に馬鹿なのですが…この時とても嬉しかったんですよね。なにせ初めての事ばかりで、トキメキ爆発という感じで」

 加奈子さんはSさんに好かれたくて、Sさんがファンだという女子アナと同じヘアスタイルにしました。

「そしたらSが『スゴく可愛いよ、よく似合ってる』と褒めてくれてポーッとしてしまって。まぁ、黒髪ロングのシンプルなスタイルなのですが。とにかくSは清楚系が好きなんですよ」

 そんな感じで自分を見失い、Sさんとの不倫沼にズブズブにハマってしまった加奈子さんでしたが、さすがに最近疲れてきたそうで…。

「3年も経つと、私にあまり気も遣わなくなってきて、平気で奥さんや子供の話をしてくるようになって。私の事なんだと思っているの?とモヤモヤするようになってきたんです」

◆髪型もカラーも変えて新鮮

 そんな時、長年通っている美容院に行った加奈子さん。

「『いつもと同じで』とオーダーすると、担当の美容師さんが『もうずっと同じスタイルだから、気分転換にイメチェンしてみませんか?』って提案してくれて」

 なんだかもうSさんの言いなりになっているのも馬鹿らしくなってきた加奈子さんは、自分が心からしたいスタイルにしようと決めました。

「結局、美容師さんと相談しながら、緑色のインナーカラーの入ったボブスタイルにしたんですよ。鏡に映る自分の姿が新鮮で、新しい自分になれたような感じがしましたね」

 美容師さんからも、新しいヘアスタイルにしてからの方が表情が生き生きしてるねと言われて、ご満悦な加奈子さん。

「そしたらちょうどSからホテルへの誘いがきたので、このヘアスタイルを見たらなんて言うのかな?と思い、いつものホテルに向かったんです」

◆彼からの否定の言葉で目が覚めた

 すると加奈子さんの姿を見るなり表情が曇るSさん。

「『なんだよその不思議ちゃんみたいな髪型は…自分じゃオシャレのつもりなんだろうけど、男からしたら萎えるだけだから』と、ため息まじりに言われて、やっぱりねと思いました」

 彼は全く加奈子さんの気持ちなど無視で、自分好みのお人形に仕立て上げて、興奮したいだけだと気づいたそう。

「初めての恋で何も見えなくなっていましたが、ようやくSは私の事なんて大切に思っていないし、むしろ私の個性とか邪魔に思っているんだと分かって。ようやく目が覚めたんですよ」

 何も言わずに部屋から飛び出した加奈子さんは、電車に乗り込みLINEを開くと、Sさんをブロックしました。

「今まで不毛な時間を過ごして、もったいない事をしたなと後悔してます。奥さんやお子さんにも悪かったですし、これからはもっと自分をしっかり持って、私を丸ごと好きになってくれる男性を見つけたいと思います」

<文&イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】

漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

2021/9/20 15:47

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