正司敏江師匠をお姫様抱っこした芸人、よゐこ・有野晋哉が回想「客いじりが凄い面白い」

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有野晋哉が19日、「御疲れ様で御座いました。」とブログを更新して正司敏江さんのエピソードを綴っている。よゐこの2人が松竹芸能の養成所に入った1990年頃、正司敏江・玲児師匠と言えば笑福亭鶴瓶(当時39)が敬語を使うほどの大御所で、有野は「怖い師匠と思ってた」こともあり玲児さんとは一度も話せなかったが、敏江さんとは何度も話す機会があったという。

かつて正司敏江・玲児が1000人ほど収容できる劇場に出演した時のことだ。当時は消防法も緩かったのか、満席なうえに通路までギッチリ詰まっていた。客席から「敏江ちゃん! 子供潰れてしまうわ!」という声が聞こえると、正司敏江さんは「ほな、子供と爺ちゃん婆ちゃんは舞台上がって!」とセンターマイクの周りを囲むように大勢の客を体育座りさせて漫才を続けたそうだ。

1974年に離婚してからもコンビは継続したが、玲児さんが2010年12月に成人T細胞白血病リンパ腫のため71歳で亡くなってからはピンで歌や漫談を披露した。有野は「心斎橋角座があった頃の師匠は、トレードマークの振袖、頭のリボンで、ちゃんと舞台に上がる」、「1人で舞台に上がって、すぐ客席降りて、お客さんと話す。芸人がやってはいけないとされる客いじりをする。それがもう、凄い面白い」と振り返った。

正司敏江さんの客いじりとは「どこから来たん?」「へー男1人で来たん、独身か」と話しかけ、別の客に「あんたらどっから来たん?」「へー、子供は? 娘が独身? ちょうどええのがおるわ」といった感じで、それを見ていた有野は「まあハズレなしでウケてはる。これをやりなさいって言われても無理や」と舌を巻いていた。

ある日のこと、有野が劇場に寄るとトリを務める先輩漫才師が楽屋のモニターを見ながら「舞台降りてくれへんわ」と笑っていた。正司敏江さんの客いじりが長引いて予定時間をオーバーしていたのだ。有野は先輩漫才師に「これは止めてきていいんですか?」と確認をとって客席に向かうと「敏江ちゃん、もう帰ろう!」と声を掛け、「あ、後輩のよゐこ有野ですー」と客に挨拶しながら敏江さんをお姫様抱っこしたところ「いや! 力持ちやねぇ!」と嬉しそうにしていたそうだ。

ちなみにタレントの松尾貴史は、Twitterで「この方ほど、体を張った漫才を他に知りません。時代を築かれて、後進にも助言を惜しまない素晴らしい先輩だったと聞きます」と正司敏江さんを哀悼しており、他にもTwitter上で「数年前、ピン高座を観たときも客席に降りて話し掛け笑わせていた。偉大な芸人さん。合掌」という声があった。

三味線奏者の虹友美さんは、Twitterで正司敏江さんと並ぶ記念写真とともに「関西演芸協会でお世話になっていました…演芸協会の行事や、舞台でご一緒した時は、いつも優しくお母さんは元気か? 子供は何歳なったんや? とお声をかけてくださいました」と冥福を祈っており、師匠の気さくな人柄がうかがわれた。

画像は『有野課長と呼ばれたり 2021年9月19日付公式ブログ「御疲れ様で御座いました。」』『虹 友美(なないろ三味線) 2021年9月20日付Twitter「夜分失礼致します」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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  • Techinsight japan

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