武井壮「猛烈なプレッシャーがあります」フェンシング・男子エペ団体金メダルを振り返る

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMの番組「TOYOTA Athlete Beat」。9月11日(土)の放送では、タレントの武井壮さんをゲストに迎え、お届けしました。

(左から)武井壮さん、高見侑里

武井さんは、1973年生まれ、東京都出身の48歳。神戸学院大学で陸上を始め、10種競技を志してからわずか2年半で日本選手権で優勝。後に芸能活動をスタートさせ、“百獣の王”の異名で大ブレーク。

そして今年6月、日本フェンシング協会の新会長に就任。直後の東京2020オリンピックでは、フェンシング・男子エペ団体で日本初となる金メダルを獲得し、その歴史的瞬間を会場で見守りました。

◆「こんなに幸運なことはないな」

高見:東京オリンピック・フェンシング男子団体エペで金メダル、おめでとうございます! その瞬間を会場でご覧になられたときのお気持ちはいかがでしたか?

武井:僕自身(フェンシングの)経験はないのですが、突然会長に就任しちゃったもので、就任後初の大会がオリンピックだったんですよ(笑)。なので(会長としての)キャリアはすごく浅いんだけど、フランスの国技とも言えるような、そして、ヨーロッパで本当に盛んな歴史ある競技で日本の選手が世界一になったというのは、協会の会長という立場と、(オリンピックを)レポートするタレントとしての両サイドの立場で経験できて“こんなに幸運なことはないな”と思いました。

選手たちが本当に美しい汗と涙を見せてくれたので、一生分のオリンピックの思い出をいただけて、選手たちに感謝しています。

高見:(過去のオリンピックでは)フルーレでは個人と団体で銀メダルはありましたが、エペでの金というのはどれぐらいすごいことなのでしょうか?

武井:エペは“キング・オブ・フェンシング”と言われていて、最も実戦に近い形の剣術です。全身のどこを突いてもポイントになって“生身で相手を倒す”ということに一番近い競技だと思います。ヨーロッパでは、この種目が(フェンシングのなかで)競技者が一番多くて、このエペのチャンピオンが“キング・オブ・フェンサー”って呼ばれるほど、世界的にメジャーな競技なんです。

ただ、日本の(フェンシングの)歴史では、上半身の胴体だけを突くフルーレという競技が浸透して、太田(雄貴)さんがメダリストなったことでメジャー化していったので、このエペは少し出遅れていたんですけど、ここでまさか金メダルを獲得するとは思わなかったです。

高見:そうなんですね。

武井:予想でも「日本がエペで金を獲る」と言っていた関係者もそんなにいなかったんですけど、キャプテンの見延(和靖)選手はじめ、選手たちは本当に虎視眈々とそこを狙っていましたね。日本はいま、(フェンシングの)選手の登録者が約6,000人しかいないんですけど、その登録者数だけで世界一を獲得するのは本当に至難の業なので、価値のある素晴らしい大会になったんじゃないかなと。まさに歴史が生まれた瞬間だと思います。

◆日本フェンシング協会・会長就任の経緯

高見:武井さんが新会長になられたのは今年の6月でした。(前会長の)太田さんやフェンシングの選手のみなさんの熱意、置かれている環境を見て就任を決意されたのですか?

武井:僕の力が必要ということではなくて、太田前会長の4年間の活動は、アスリート上がりの会長としては、すごくハイレベルな改革をおこなってきたんです。多くの企業の方から支援を得て、競技の見せ方を変えたりして観客を増やしていく仕事をされてきて、そのすべての作業を聞いたときに“これはとてつもない作業だな”と思ったんですけど、僕には僕の領域があるとも感じて。

高見:はい。

武井:太田前会長もそれはよく理解されていて、「自分は退任するけど、今後もフェンシング界のために尽力していきたい。そこで、自分に足りない力を武井さんに補ってほしい」と。僕自身、ずっと芸能界でマイナー(な立ち位置)だったので、“マイナーな自分自身をメジャーにしていくためには何をしたらいいのか”ということを常に考えて芸能界にいたので、そこでシナジー(相乗効果)が生まれました。

“フェンシング”という名前は知っているけど、経験したことがない、という競技をどうやって世の中に知らしめることができるのか。そして、みんなに愛してもらうことができるのか、というところを僕のメインのお仕事としてやらせていただけるならば、そして、理事の方々にもそこに賛同していただけるなら「(会長を)やらせていただきます」という感じでしたね。

高見:はい。

武井:なので、僕にとってもチャレンジでした。でも、就任直後に“オリンピックで金メダル”という最大のお祝いをいただいたので、猛烈なプレッシャーがありますけど(笑)。

高見:(笑)。

武井:最高のお土産を持って営業できるようになったので、これで広められなかったら“僕の責任は大きいな”って、逆にプレッシャーをかけられたところです(笑)。

(フェンシングの)競技の面に関しては、“少ない競技人口でも世界一を獲れた”という素晴らしいメソッドが日本にはありますから、それをお借りして、それ以外の部分を充実させることで、“フェンシングって素晴らしい競技なんだな、あの業界に行くと人生が豊かになるんだな”っていうベースを作れば、競技人口は自然と増えるでしょうし、彼らに憧れる人が増えて“僕も剣を持ちたい!”という人が増えていくと思うので、全力で尽力していければなと思っています。

<番組概要>

番組名:TOYOTA Athlete Beat

放送日時:毎週土曜 10:00~10:50

パーソナリティ:藤木直人、高見侑里

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

2021/9/20 6:40

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