蚊には効かない「虫除けグッズ」の落とし穴。間違って買わないための方法とは

◆「虫除け」であって「蚊除け」ではない!?

 アウトドアだけでなく、公園の天敵といえば害虫ではないだろうか。特に人間の血を吸う蚊は、痒みから肌が荒れてしまう人も多くいる。ハーフパンツで過ごそうものなら、蚊の格好の餌食となってしまうため、必ず対策をしなければならない。

 一般的な対策として簡単にできるのが、虫除けスプレーなどの虫除けグッズを使用することだろう。しかし、市販で売られている虫除けグッズは、必ずしも蚊に効果があるわけではないという話もある。

◆消費者庁から措置命令も……

 話題となったのは2015年2月。消費者庁が「表示に根拠がない」として、空間用虫除け剤を販売する4社に措置命令を出した。この措置命令の内容は、「空間虫除け剤が寄せ付けないとされていた虫は主にユスリカとチョウバエで、人間がもっとも避けたい"血を吸う蚊"には効果がなかった」というもの。

 虫除けの目的は虫刺されから身を守ることにある。特に夏場に厄介な血を吸う蚊からは身を守りたいと誰もが思うところである。にも関わらず、蚊を寄せ付けないと思って購入した「虫除け」が「蚊には効果がない」となったら、これはもう、なんのためのものかと思ってしまうことだろう。

◆ちゃんと蚊に効果がある商品も

 この一件から6年以上が経ったが、今売られている商品にはどういった変化があるのか、そして今の虫除けグッズには吸血をする蚊にも効果があるのだろうか。現在の虫除けスプレーについて、ある殺虫剤メーカーの担当者は「蚊に効果があるものも今はちゃんとある」と言う。

「最近ではイカリジンやディートという虫除け成分が配合された商品が多く販売されており、この成分は血を吸う蚊にも効果があります。どちらも医薬部外品のため『蚊に効く』と謳えるのですが、法律上、医薬部外品でないと効果効能を謳うことはできません。

 その商品が蚊に効くかどうか気になる場合は、ホームページの製品情報に『適用害虫』という項目があり、効果のある虫が書かれていますので、そちらをチェックしていただきたいです」

 このメーカー担当者が言うように、最近では各社で「イカリジン」や「ディート」という成分が使用されている商品が増え、この成分が入っている商品は蚊にも効果があるとされている。

◆「適用害虫」で何に効くのかを確認

 もしこれから買おうとしている商品が血を吸う蚊に効果があるのかを確かめたい場合は、各メーカーのホームページや商品の外箱に書かれた「適用害虫」をチェックしてから購入するのがいいだろう。都内で4歳の男の子を育てる母親は「たかが蚊、されど蚊」だという。

「夏とか秋って虫除けは絶対に必要なんですよね。ウチの子は蚊に刺されるとアレルギー体質なのですごく腫れて掻いちゃって、掻いた傷跡がトビヒ(※細菌感染による皮膚病)になって保育園のプールがダメになったこともあるんです。

 蚊に刺されたくらい……って思ってると、けっこうな大事になっちゃうから、子育てされてるお母さん達は虫除けグッズには気を遣います」

 買う前に「適用害虫」はしっかり読んでから買う。虫除けグッズ購入の際には気をつけたいものである。

取材・文/日刊SPA!編集部

2021/9/18 8:54

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