「中田翔は特別待遇。普通はクビだ」野球記者が語る球界の暴力と不祥事処理

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◆中田翔の移籍はVIP待遇か

 中田翔選手が日本ハムから巨人に移籍して1か月が経った。同僚への暴力行為から無期限出場停止となり、その9日後に巨人への無償トレードが発表。日本中で賛否両論の意見が飛び交うなか、移籍2日後には先発出場し、移籍後初本塁打を放つ活躍をみせた。しかしその後は打撃が1割台に低迷。9月11日に登録を抹消され、現在は2軍での調整が続いている。

 新天地で再起を図った中田選手は、今のところ躍動できていない状態である。しかし、そもそも事件を起こして事実上の解雇となった選手が他球団でプレーできていること自体、かなりのVIP待遇であるとプロ野球関係者は口を揃える。スポーツ紙の野球担当記者に聞いた。

「ドラフト1位入団、日本代表の4番を任されたことのある大物だからこそ、問題を起こしても他球団、それも巨人への移籍ができた。これはもう、破格の待遇だよ。並の選手なら解雇となっていた可能性も高いだろう」

◆不祥事を起こして消えてゆく選手

 この記者によれば、不祥事が表沙汰にならずファンにも記者に気づかれず、人知れず消えるように球界を去っていく者は珍しくないという。

「成績を残せなきゃクビになるのは、この世界の鉄則。だけど、それ以外の理由でユニフォームを脱ぐケースは意外に多い。私がこれまで見てきた中で実際にあったケースは、後輩を指導と称して殴ったり、同僚や先輩の財布からカネを盗んだりした素行不良タイプだけじゃない。

 何度指導しても朝起きられなくて練習にいつも遅刻したり、時間を守れなくて解雇されたのもいたし、プロの生活に馴染めなくてノイローゼになり、親が球団に『もうウチの息子は無理だからヤメさせてくれ』って駆け込んできたのもいた」

◆窃盗現場を選手が撮影

 この記者によれば、窃盗騒動と暴力事件はさして珍しいことではないとも。

「数年前、とある球団に育成契約で入団した選手が窃盗事件を起こした。その選手は毎日のようにパチンコ屋に通っていて、選手たちの間で『あいつ、よくカネが続くな』と噂されるくらいだったんだとか。

 だがその頃、選手たちの間でもう一つ話題になっていることがあった。それは財布からカネが減っていることが多々あると。そこである選手が寮の部屋に携帯のカメラをビデオにして食事に出かけたところ、例のパチンコ好きな選手が部屋に入ってきてカネを抜いているのがバッチリ映っていたというんだ」

 その後、この一件は球団の知るところとなり、シーズン終了後にこの選手は球団を去ることになった。

◆シーズン途中に解雇しないワケ

 だが、れっきとした犯罪行為を行っていたにもかかわらず、シーズン途中でクビになることがないとは、大甘裁定ではなかろうか。この点についてある球団関係者は「それは最後の温情だった」と指摘する。

「球団としても自分のところで窃盗があったなんて分が悪い。シーズン途中でクビにすればマスコミに騒がれて、さらに管理体制の不備や指導不足を指摘されたりで頭の痛いネタになる。

 シーズン終了を待って契約を打ち切れば、それ以上のツッコミは入らない。それと、窃盗でプロ野球選手をクビになったとあれば、その後の人生はまずもって明るいものにはならないでしょう。球団としては、その選手に対する最後の温情だったんじゃないか」

◆体罰や暴力が大嫌いだった落合博満

 また、窃盗と並んで多いと記者が指摘する暴力事件だが、こちらも起こしてしまうと厳しい処置が待っているという。前出の記者に聞いた。

「10年くらい前までは、指導と称してコーチが若手を殴るなんてことは、さして珍しくなかった。球界というか、アマチュアを含めて『体罰は指導』という風潮があったのも事実。だけど、最近は減りましたよ。だから、中田の一件はこれほどの大事になった。

 暴力、体罰と言えば落合さん(※元中日ドラゴンズ監督の落合博満氏)のエピソードだろう。落合さんは一切の体罰、暴力を認めなかった。コーチ陣だけでなく、選手たちにも体罰厳禁を申しつけた。だが、それでも手を出してしまった者もいたのだが、落合さんはそれを許さず、手を出した者はもれなくユニフォームを脱ぐことになった」

◆中田翔の今後はどうなる?

 一軍で華々しく活躍できるプロ野球選手はほんのひと握りで、入団こそできたものの、夢半ばで諦めていく選手が山のようにいる。一流の実績を誇る中田翔選手だからこそ救いの手が差し伸べられた今回のケースを話を聞いた記者も球団関係者も口を揃えて「恵まれている」と話す。

 二軍ではミスターこと、長嶋茂雄氏からも指導を受けたという中田翔。彼が、今後巨人軍にどのような恩返しをするのか注目したい。

取材・文/SPA!編集部


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  • 9/17 15:54
  • 日刊SPA!

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