陣内智則『ダウンタウンDX』で若手のトーク中に見せた珍しい表情ほか今週のバラエティベスト3

 この日刊サイゾーさんにコラムを掲載するようになって1年。月に2~3本、元芸人目線でたくさんのお笑い芸人やバラエティ番組を分析してきた。

 今回からは少し内容を変更し、僕のコラムの特徴でもあるとことん深掘りするスタイルでなく、もっとライトにいくつかの(バラエティ)番組をピックアップして、見どころを伝えていくスタイルも加えていこうかと思う。

 もちろんお笑い事件簿や賞レースなどは変わらず、がっつり深掘り考察をお届けするつもりだ。

 さて、今回は「今週の見どころベスト3」といった感じで、元芸人目線で少し気になった番組を『軽掘り』していこう。

1本目、ZAZYフリークの小1の進化ぶりがすごかった『探偵!ナイトスクープ』

 まずひとつ目の番組は21年8月13日に放送された『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)だ。

 この回は”探偵!ナイトスクープ リターンズ”と題して、過去に放送された名作を振り返り、さらにその後どうなっているかを見るという恒例企画。今回リターンされたのは2020年10月に放送された「夢はフリップ芸人! ZAZYに憧れる小学1年生」という企画。

 大概の子供は芸人の真似をする。僕が子供の頃『8時だよ全員集合』を見た翌日は誰しも志村けんさんや加藤茶さんを真似し、クラスメイトと笑いを取りあったものだ。

 この小学1年生はただのモノマネではなく、本当にフリップ芸人になるべく、ZAZYのネタの内容、間、フリップをめくるタイミングなど、相当研究しているのだ。過去の放送では恥ずかしくてきちんと話が出来なかったのだが、果たして一年後はどうなっているのか?

 一年後の彼はまだZAZYに憧れたままで、さらにネタの研究に励んできた来た様子が目に見えてわかった。取材に行ったカンニング竹山さんやスタジオにいる松本さんが『末恐ろしい!』と言わせたのだから大したものだ。

 何より僕が驚いたのは、手書きではなく、パソコンとペンタブを使いフリップを作成していること。わずか7歳でプロの芸人と同じ手法を使っている……何とも恐ろしい。子供がここまでやるだけで周りの大人は褒めるだろうが、本気でプロを目指すなら言い回しを直す必要がある。自分を客観視して、どんな風に人に見えるのかの研究をする事。

 ちなみに最も難しいのはプロになるまで夢が続いているかどうかだ。

2本目、マミィ酒井のネタ中に見せた陣内智則の意外な表情とは

 次は9月9日に放送された『ダウンタウンDX』(日本テレビ)にて、珍しいワンシーンがあった。

 この回は「ウチの事務所のウラ側丸裸SP」と題して、マヂカルラブリーを筆頭にさまざまな若手芸人が集まり、自身の事務所についてトークするといった企画。メインMCのダウンタウンさんがその場を回し、陣内智則さんがツッコミを入れ、そして若手芸人がテーマに沿ったトークを展開していた。

 その珍しいワンシーンは、人力舎代表のザ・マミィが、おぎやはぎの矢作さんの話しをしているところ。矢作さんが蟹を食べに連れて行ってくれるというエピソードで場が盛り上がった最後にザ・マミィの酒井が「西麻布で獲れたカニを……」というボケをした。

 それに対してぺこぱがツッコミ、笑いに溢れた空気になっていたが、その中で陣内さんだけ一言もつっこまず、聞いてはいるものの何処となく上の空な感じだった。芸人がこの表情をする時は間違いなく『もうその部分はオンエアでは使われない』とか『次のトーク展開は……』などと考えている。

 めったに見ることの出来ない表情が放送されたので、軽掘りさせてもらった。

 最後はこちらも9月9日に放送された『ニンゲン観察バラエティ モニタリング」』(TBS)から。その中で注目したのは「THE FIRST FAKE」だ。

 本家は歌い手がマイクの前に立ち、編集をせずに歌を一発録りするというもの。当番組では同様に芸人やアイドルに一発録りと伝えて歌わせ、一番盛り上がるで落とし穴に落とし、その表情をモニタリングするというもの。

 今回は四千頭身が出演。第七世代としてブレイクしたが最近では、ほかの芸人から少し遅れを取っているような感じがしていた。しかし、この番組の後藤を見て、その印象は間違いだと気づいた。

 相方に不満を持つツッコミの後藤が仕掛け人となり、相方二人を落とし穴に落とす。ボケの都築とのトークは、後藤が明らかにオチまで見えて確実に笑いが取れるとわかっていたし、石橋に関してもたったひとつのツッコミで笑いにした。

 そしてなんといっても仕掛け人だったはずの自分が落とされた時が秀逸で、あまり言葉数は多くないが、確実にテロップで使われる言葉を選び、それだけを発していた。これは後藤の経験を重ね、無駄な言葉が無くなった証拠だ(なお、次回のコラムでは、このような若手芸人の成長について深掘りする予定である)。

 というわけで初の試みであった、軽掘りコラム。いかがだったでしょうか。

 軽掘りのつもりが何となく深掘りになってしまう! これは僕のせいではない! お笑いが面白いせいだ!!

……というわけで、2年目の檜山もよろしくお願いいたします。

2021/9/16 12:00

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