大麻が入ったお菓子を食べた少年少女、中毒症状で病院に搬送される(英)

9月4日深夜、英ウェストヨークシャー州のグレートホートンで救急要請があり、8歳の男児と17歳の少女が重い中毒症状で病院に搬送された。

また同じ日の午後、総合病院「ブラッドフォード・ロイヤル・インファーマリー(Bradford Royal Infirmary)」のスタッフから、同じくグレートホートンに住む15歳の少年が大麻入りのお菓子を摂取して体調を崩したと警察に連絡があった。

警察の調べによると、中毒の原因となったのは彼らが食べた「エディブル(edibles)」と呼ばれるお菓子に入っていた大麻成分で、幻覚作用などをもたらすTHC(テトラヒドロカンナビノール)であることが判明した。

幸い3人とも回復したが、いずれもお菓子の入手経路は分かっておらず現在も調査中だという。

今回の件を受け、ウェストヨークシャー警察のリチャード・パッドウェル警視(Richard Padwell)はこのように述べている。

「このようなことが起きたのは憂慮すべきことです。子供たちは病院での治療を受けて回復しましたが、8歳の男児については当初、悲惨な結果になるのではないかと心配していました。」

「我々は以前から大麻入りのお菓子『エディブル』が流通していることを認識しており、近隣地域の警察チームやその他の専門家はエディブルの供給に関与している者をターゲットにし、逮捕および押収するための調査を続けています。」

続けて、「このような特殊な大麻によって子供たちの健康が危険にさらされたことは明白です。これらのエディブルは人気ブランドのお菓子のようなパッケージで、子供たちにとって魅力的に見えるでしょう。しかし大麻の有効成分であるTHCが非常に多く含まれており、すぐに気分が悪くなってしまうのです」と明かした。

実際に彼らが食べたお菓子は「CALIBO」というブランドで「Dope Rose」や「Stoney Worm」などの名前がついており、ドイツの製菓会社「HARIBO(ハリボ)」のブランド名を真似ていると見られる。

さらにパッドウェル警視は「保護者の皆様はこのような商品が地域社会で流通していることに注意し、危険性を認識して、どんなことでも報告していただきたいと思います。私たちは若者を薬物から守るため、学校などの関連機関と協力して引き続き問題意識を高めて参ります。同時にこれらの商品の供給に関与した者を積極的に摘発し、適切な刑事罰を受けるようにしていきます」と語った。

昨今ではTikTokやInstagramを利用して大麻入りのお菓子を販売する業者が現れたことにより、動悸や幻覚などの症状で救急搬送される若者が毎年数百人にのぼっているという。学校では大麻乱用で治療を受ける子供の数が7年間で約3倍になるなど、患者数が急増しているそうだ。

その事実を受け、保護者らは「子供たちが簡単にエディブルを手に入れる可能性があり、それが壊滅的な結果を招く恐れがある」と懸念している。

画像は『The Sun 2021年9月6日付「SWEET SCARE Parents warned after three children left seriously ill after eating dangerous cannabis sweets」(Credit: West Yorkshire Police)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 上川華子)

2021/9/12 5:00

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