日本名輪会・山口健治の「江戸“鷹の目”診断」/小松崎の番手から守澤が抜け出す!

【「松阪記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人!】◎守澤太志/○清水裕友/▲郡司浩平/△平原康多/浅井康太/稲川翔/宿口陽一/小松崎大地/中本匠栄/皿屋豊/黒沢征治/三谷竜生

 落車負傷による欠場はケガの程度にもよるが、心身ともにリフレッシュできるチャンスでもある。

「松阪記念」(9月9日【木】~12日【日】)は、GII共同通信社杯(9月17日~)への前哨戦として記念最終戦になる。東日本のメンバーが充実しているだけに、西日本勢の奮起が望まれるシリーズになりそうだ。

 本命には好調な守澤太志を推す。前走の小田原記念決勝戦3着は、珍しく自力で戦い抜いていた。小松崎大地の絶好の番手から北日本のワンツーを狙う。

 対抗は清水裕友。小田原記念は5着だったが、ここは前団がやり合うようならまくり逆転がある。あとは欠場明けの郡司浩平と落車続きの平原康多。この2人の実力者は、勢いに乗れば一気に浮上する。

 地元の浅井康太が前走の松山で今年4度目の優勝を飾った。とはいってもFIばかり。ファンも本人も納得しているはずがない。グレード戦で活躍してこその選手だからだ。皿屋豊に加えて、有力候補には入らなかったが竹内雄作や山田諒が前で戦う。印が回らなかった「歴戦の雄」が快走劇を連発してもおかしくない。

【大穴この1車】近藤龍徳(愛知・101期)。

 小柄ながら競りにも強い追い込み選手。コース取りの巧さでレースの格を問わず高配当を出している。8月オールスター(【5】【4】【2】【7】)3走目の14万車券は、ラインの3番手で後方からの攻めを封じながらのものだった。6月GIII松山(【8】【5】【1】【8】)の準決勝は番手からインを突いて8万超。そしてここ松阪では5月FI(【4】【2】【3】)の準決勝で8万30円。万車券の脇役こそが大活躍のポジションだ。

【狙い目の伏兵3人】

 吉田茂生(岐阜・98期)の調子のよさが目を引く。前々走のGIII松戸(【7】【2】【1】【3】)は初日敗退も、その後3走の動きが光った。GIIIは6月福井と4月奈良で決勝戦に乗っている。予選は突破できる。

 3月に特昇した青柳靖起(佐賀・117)が伸び悩んでいる。「勝ちたい病」が災いして、まくりに頼りがちだからだ。S級2場所目の4月武雄記念2日目は逃げて圧勝している。積極策なら、その再現がある。

 菅原大也(神奈川・107期)は、中学時代に空手で活躍し、高校ではインターハイの円盤投げで入賞したスポーツマン。S級に定着して2年目になりFIでは初日快勝が続いている。直近4カ月の成績は1着8回に2着0回、3着も1回だけ。買うなら2、3着はいらない。アタマ流しだ。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

2021/9/8 17:58

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