永瀬廉NHK『おかえりモネ』りょーちんの悲しすぎる告白シーンが示した「画期的朝ドラ」も苦戦のワケ

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 清原果耶(19)主演のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』の第16週「若者たち」(8月30日~9月3日放送)で、百音(清原果耶)に対する“りょーちん”こと亮(永瀬廉/22)の告白が、視聴者の心を揺さぶったようだ。

 前週、義母のフミエ(草村礼子/81)に、震災で行方不明になったままの美波(坂井真紀/51)に、死亡届を出してやってほしいと頼まれ、新次(浅野忠信/47)は「出せば美波を殺すことになる」と動揺。再び酒を飲んで暴れてしまい、それ知った亮は船に戻らず、東京で行方をくらませていた。

 心配した百音が亮に電話をすると、亮は「もう全部やめたい」と百音に本音をぶつける。それを横で聞いていた未知(蒔田彩珠/19)は、思いを寄せている亮が、いざというとき頼るのが百音であることにいらだち、百音に強くあたってしまった。

 第16週では、百音は長距離バスで気仙沼に帰ろうとする亮を、「もう1日だけ休ませてあげたい」と引き留め、汐見湯へ連れ戻す。そこへ、明日美(恒松祐里/22)から連絡を受けた、三生(前田航基/22)と悠人(髙田彪我/19)が仙台からかけつけて……という展開。

 久しぶりに集まった島の幼なじみ6人が、みんなで祈ってUFOを呼ぼうとした思い出を語っていると、疲れて眠っていた亮が目を覚まし「祈ってもUFOは来ない」「一生、ずっとこのまま。でも、それはしょうがない」と、自身の将来を諦めたような思いを吐露した。

 これに三生は「みんなで祈ればかなうんだよ! 俺らはUFOだって何だって呼べるんだよ」と涙ながらに訴え、「俺ら、もう普通に笑おうよ」と、震災で抱えた苦しみや悩みから開放されるよう語りかけた。すると、笑いながら亮が「腹減った」と、日常を取り戻したようなひと言。百音たちは安堵の笑顔を浮かべた。

■永瀬廉の演技に絶賛の声

 6人は築地に繰り出し、つかの間の楽しいときを過ごす。汐見湯に戻り、コインランドリーでスマホを見ていた亮を百音が呼びに来ると、亮がふいに百音を腕を引く。驚く百音に亮は「昨日、百音に変なこと言った」と、百音からの電話に出たとき「俺、やっぱ、モネしか言える相手がいない」と言ったことを謝った。

 これに百音は「別に変なことじゃないよ。話したいなら聞くし」と応じるが、亮は「違う、そういう意味じゃない」と言うと、さらに百音の腕を引き寄せ、「分かってんでしょ?」と迫る。すると、百音は「何でもするって思ってきたよ。りょーちんの痛みがちょっとでも消えるなら」と返事。

 続けて、百音は「でもこれは違う。私はりょーちんのこと、かわいそうとか絶対に思いたくない」と訴えるが、亮は「それでもいい」と百音に取りすがる。しかし、百音はまっすぐ亮を見つめると、「これで救われる?」と受け入れようとせず、亮は諦めたように笑い、「ごめん」と謝った。

 そして、亮は「怖え……こういうの、本当、怖えわ」と声を震わせ、「ごめん、俺、そもそも誰かを好きとか、そういうの、もういいんだった」と笑みを浮かべ、「だって怖えじゃん。死ぬほど好きで、大事なやつがいるとかさ。そういう人が目の前から消えたら、自分が全部ぶっ壊れる」と語り、先ほど見ていたスマホの画面には、亡き母の写真があった。

 この告白シーンを見ていた視聴者からは、ツイッター上で「りょーちんの想いを考えると切なくて心かき乱されそう」「かっこよくて爽やかな告白しそうなタイプだったのに、対極にあるような“分かってんでしょ”という、かっこ悪い、すがるような告白。いやぁ、むしろグッときた。永瀬廉うまいなぁ」などと、大きな反響があった。

■深みのある作品だからこそ苦戦

 これまでの朝ドラの恋愛模様は、朝の支度をしながら見る時間帯ということもあり、複雑な恋愛感情が描かれることは少なく、あっても三角関係がほとんど。今作のような、若者たちの苦悩と嫉妬が入り交じる四角関係は画期的で、今回は朝ドラの歴史に残る告白シーンになりそうだ。

 しかし、これは諸刃の剣でもあり、複雑である以上、朝ドラらしい“分かりやすさ”は薄れてしまう。それは視聴率にもあらわれていて、初回は19.2%を記録し、前作『おちょやん』の初回18.8%を上回るも、その後は18%~15%台を推移していて、今週は16.5%から横ばい状況(ビデオリサーチ調べ/関東地区/平均)。

 今のままでは、『おちょやん』の期間平均17.4%を下回ってしまうどころか、朝ドラの期間平均ワーストを記録した、09年度後期の『ウェルかめ』の13.5%ほどではないが、トンデモ展開で物議を醸した、12年度後期の『純と愛』の17.1%にも及ばない危険水域が見えてきている。

 ただ、脚本が清原の初主演作でギャラクシー賞の18年9月度月間賞など、各賞を受賞したドラマ『透明なゆりかご』(同局)や、今作にも出演する西島秀俊(50)と内野聖陽(52)がダブル主演した人気ドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)を手掛けた安達奈緒子氏なので、今後も神回が見られる可能性は高いと思いたい。

 今作の制作統括を務める吉永証氏はインタビューで、安達脚本について「描かれる人物像が非常に奥深い。セリフが考え抜かれていて、単純な一言のように聞こえても、丁寧に読むと、実はその人物が抱えている背景や考え方がしっかりと書かれている」と評価しており、これまでの朝ドラとは違った、深みのある作品を目指しているようだ。

 脚本だけでなく、俳優陣も若手からベテランまで芸達者をたっぷり揃えている。数字にとらわれない、伝説の名ドラマになるなることを期待しながら、最終回まで見届けることにしよう。(ドラマライター/ヤマカワ)

■見事な演技を見せた幼なじみ6人

 これまでの朝ドラの幼なじみはホッとする関係が多かったが、『おかえりモネ』では、それぞれの複雑な関係や思いを丁寧に描いている。実際の収録現場は和やかそうだ。

※画像はNHK『おかえりモネ』公式ツイッターアカウント「@asadora_nhk」より

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  • 日刊大衆

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