MM[インタビュー前編]男の娘2人が全身全霊で開いたアイドルの扉「“今、人生で1番生きてる!”って思うくらいめっちゃ濃い時間」

ぎんしゃむとぷうたんの男の娘アイドルユニット、MM(メイメイ)。SNSの総フォロワー数が80万人を超えるインフルエンサーである2人は、YouTube動画でアイドルとして活動していくことを宣言すると、ゼロから自分たちの道を切り拓いていき、2020年10月18日にSHIBUYA O-EASTでのワンマンライブでステージデビューを実現。そして、2021年9月7日にデビューシングル「イロトリドリノヒビ」をリリースする。ぎんしゃむとぷうたんは、これまでどのような人生を歩むことで、アイドルという夢を叶えることができたのか。また、今、どのような想いを持ってアイドル活動に臨んでいるのか。今回、全2回にわたるインタビューを実施。前編では、2人の馴れ初めやアイドルとして憧れている存在、ユニット結成からデビューステージまでの歩みなどについて話を聞いた。

撮影:河邉有実莉
編集協力:村田誠二

うちらだったら絶対売れるからってバリ押ししました(ぎんしゃむ)

──まずは、2人が一緒に活動するようになったきっかけから教えてください。

ぎんしゃむ:
きっかけは、まずSNSで知り合って一方的に自分がフォローして、そこから相互フォローになって、4~5年前、中学生くらいの時に“1回、遊ぶ?”ってなって会ったんですけど、最初は性格が合わないな、みたいな感じになって(笑)。しかもお互いの住んでるところも遠かったし。

ぷうたん:
静岡と大阪だったんです。

ぎんしゃむ:
それでもう疎遠、みたいな(笑)。連絡も取らなくなって。

ぷうたん:
会う前までは夜けっこう毎日電話したりとかしてて……それも1年くらい続いてて、やっと会ったら“え、なんか違う!”って(笑)。で、1回連絡を取らなくなって、ちょっと経ってお互い上京してから何かのきっかけで連絡を取り合って“また久しぶりに遊ぼう”って会ったら、お互い反抗期とか終わってて。

ぎんしゃむ:
トガッてたのが丸くなって。

ぷうたん:
笑いのツボとかも同じで、そこから“けっこうオモロいじゃん”ってなったんです。

ぎんしゃむ:
で、自分はずっとアイドルしたかったんで、ぷうたんに“アイドルしようよ”って言って、それがきっかけだよね。

ぷうたん:
ちょうど高3の時だから2年前だよね。まわりの友達がだんだん進路を決め出してて、自分も焦ってもう就職先も決めようって面接とか入れてる状態の時に、ぎんしゃむに“アイドルやりたいから、一緒にプロデューサー探すためにYouTubeやらない?”って言われて。でも、うちは就職する気まんまんだったし、中学生の頃からイベントに出たりインフルエンサーみたいな活動はしてたんですけど、思うようにいかなかったこともあって、“これで終わりにしよう”と思ってたところだったから、すごく迷って。

──就職先はどういう職種で?

ぷうたん:
アパレル系です。

ぎんしゃむ:
そこを押しに押して(笑)。ぷうたんからは“親も、アパレル系の方が安定するって言ってる”みたいなことを言われたんですけど、自分はアイドルしたかったし、ほかにいないんですよ、これくらい可愛い男の娘は。

ぷうたん:
ふふ、恥ずかしい(笑)。

ぎんしゃむ:
これはもう手放せないと思って、“絶対、大丈夫だよ! うちらだったら絶対売れるから”ってバリ押しして(笑)。

ぷうたん:
うちもアイドルがずっと好きで、自分を表現することがずっと好きだったから、“このまま諦めてしまったら、死ぬ時に絶対後悔する”と思って、やるなら本気でやろうってことで、そこから始まりました。

──2人ともアイドルをやりたいという強い願望があったみたいですが、それはなぜですか?

ぎんしゃむ:
ほかの仕事に活かせるような取り柄がまったくないというか、可愛い以外に取り柄が見つからなくて(笑)……そんな、1,000年に1人の可愛い逸材ってわけではないですけど、ちょっと可愛いくらいしか取り柄がなくて、でもちょっと可愛いと、可愛いって言われるじゃないですか。だからそれが向いてるのかなって自分で勝手に思い、アイドルに憧れもあって、“自分、可愛いしアイドルになるか!”っていうテンションです(笑)。

──アイドルのどんなところに憧れていたんですか?

ぎんしゃむ:
ちやほやされるし(笑)、ブリッ子ってけっこう世間には否定されてしまいがちですけど、アイドルだとそれは大前提みたいに許されるから、“アイドルだから”っていうテンションに憧れてました。

──具体的に好きなアイドルはいましたか?

ぎんしゃむ:
NMBさんはすごく好きでした。面白いし、ステージはキラキラ、可愛いっていうのが憧れで、そうなりたいなって思ってました。

──特に誰が好きでしたか?

ぎんしゃむ:
けっこう昔からさや姉(山本彩)が好きでした。今は、指原莉乃さんが、総選挙で1位になってから注目され始めて、テレビでよく観るようになって好きになりました。

ぷうたん:
うちは、小さい頃からAKBさんをよく観てて、それで可愛い女の子が好きになって、小5くらいの時にきゃりーぱみゅぱみゅちゃんの「ファッションモンスター」のMVを観て、当時は思春期とかもあって1番自分と葛藤してた時期でもあったから、こうやって自分の好きなこと、自分が思う可愛いをちゃんと発信して、誰かに認めてもらってるっていうのがすごく素敵だなと思ってました。アイドルっていうか、“きゃりーぱみゅぱみゅちゃんが好き!”って言ってました。今でも変わらず大好きですね。

──原宿カルチャーにも影響を受けましたか?

ぷうたん:
そうですね。中3くらいの時はバリ原宿系でした。

ぎんしゃむ:
ハハハ!!!(笑)

ぷうたん:
厚底履いて、蛍光の水色とかめっちゃ着て、みたいにきゃりーちゃんにめちゃめちゃ影響されてました。でも原宿系ファッションをしてから自分自身をちゃんと表現できるようになって、自分の“好き”を恥ずかしがらずにできるようになったので、自分の根幹はそこから来てるような気がします。ちょっと成長して、ちゃんと女の子になりたいって自分自身を認めて、自分のやりたいようにやるっていうのも全部そこからなので、本当に人生の分岐点を作ってくれた、というか、今の自分を構成してくれたのがきゃりーちゃんでした。

ぎんしゃむ:
ホントに影響されてたもんね。

ぷうたん:
きゃりーちゃんがいなかったら、マジで今、自分こうなってるかもわからない。たぶん化粧も始めてない。

ぎんしゃむ:
影響デカっ!

ぷうたん:
ホントにデカい。自分が今まで悩んできた分、ホントに今度は自分がきゃりーちゃんみたいな存在になりたくて……すごく励まされたから。

ぎんしゃむ:
素晴らしい。

ぷうたん:
感動する話なんですけど(笑)。

これからは強くなろうと思って頑張る!(ぷうたん)

──お化粧を始めたのはいつ頃?

ぷうたん:
うちは中2くらいです。その時、ハロウィンメイクみたいな、猫メイクとかめっちゃ流行ってて、ノリで100均で買ってYouTube観てやったんですよ。そうしたらめちゃめちゃ目の形が変わって、“メイクってこんなに顔変わるんだ!”ってすごくびっくりして、これ、普通のメイクでもっと追究すれば、自分のコンプレックスとか隠せたり、もっと可愛くなれるんじゃないかと思って、中2くらいからプライベートで化粧し始めました。

──その時、髪の毛の長さは?

ぷうたん:
男の子っぽいけど中性的なというか、女の子のショートくらいでしたね。

──それでメイクもして外に遊びに行っていた?

ぷうたん:
行ってました。地元は静岡の小さい街だったので、まわりは否定的な意見がめっちゃ多かったんですけど、親は“自分が好きなようにしたいんだったら応援するけど、まわりに悪口とか言われて泣いたり怒ったりするくらいのプライドだったら辞めなさい”って言われて。

──ご両親の理解があったんですね。

ぷうたん:
はい、すごく理解してくれました。

──ぎんしゃむさんは、メイクを始めたのは?

ぎんしゃむ:
自分も中学生の時に始めました。思春期だったんで、やっぱり見た目を気にするじゃないですか。当時、一緒にいる女の子の友達がすごく顔の濃い子で、メイクしなくてもハッキリした顔立ちだったので、“自分、顔薄っ!”みたいになって(笑)、それもきっかけで絶対メイクしようって。したら、“可愛くなったー”みたいな感じで、そのままノリで(笑)。

──当時、メイク道具はどうやって揃えていたんですか?

ぎんしゃむ:
薬局に行って、友達に“何使ってる?”って聞いて買ってました。

──中学生の頃からインフルエンサー的な活動をしていたそうですが、具体的にどんなことをしていたんですか?

ぎんしゃむ:
Twitterに自撮り上げて、みたいな感じです。承認欲求爆発中学生みたいなアカウントでした(笑)。

ぷうたん:
その時、“ジェンダーレス男子”って、メイクしてる男の子がけっこう流行ってて。

ぎんしゃむ:
バリ流行ってたよね。もともと顔が中性的だから、それでフォロワーも増えてて、自己肯定感爆上げ、承認欲求バリ満たされ、みたいな感じでした(笑)。

──すごい(笑)。そのままインフルエンサーとして活動していくこともできるじゃないですか。アイドルの方が難しいところもあると思うのですが、それでもアイドルに踏み切った理由は?

ぷうたん:
インフルエンサーも、それはそれで楽しいだろうとは思うんですけど、アイドルを始めて思ったのは、ファンの方との距離感がより近くなって、ちゃんと“人対人”で関われる気がするし、悲しいこともつらいこともあるけど、それ以上に嬉しいことだったり楽しいことだったり達成感があって、“あ、自分がやってる意味ってコレなんだな”と思ったので。アイドルやり始めてちょうど1年経つか経たないかくらいですけど、本当に“今、人生で1番生きてる!”って思うくらいめっちゃ濃い1年でした。しかも人生でこんな泣いたことないってくらい泣きましたし。

ぎんしゃむ:
確かに。

ぷうたん:
人として成長もできてるなって思う。

──どんなことで泣いたんですか?

ぷうたん:
なんだろう……うちけっこうすぐ泣いちゃうから(笑)。

ぎんしゃむ:
すぐ泣くんですよねぇ。

ぷうたん:
レッスン中にウマくいかなかったら泣いちゃうし、レコーディングの時も、自分が歌い終わってプレイバックを聴いた時にウマく歌えてないって思っちゃって、まわりの人は褒めてくれるけど、自分はちょっと違うなと思って泣いちゃったり、ライブでも、前回できなかったことをメモして、次のライブまでに復習してそれを活かせるようなパフォーマンスをできるようにするっていうのを自分に課してるんですけど、それができなくてライブのあと泣いちゃうとか……この間は過呼吸になるくらい泣いて(笑)。

ぎんしゃむ:
なんかバカ真面目で。失敗なんてどんな大きい人たちだってするじゃないですか。MMはまだ始めたばっかりだし、ライブもそんなに場数を踏んでないんだから、“失敗したけど全力で楽しんだし、お客さんも楽しんでくれたし”っていうテンションなんですよ、自分は。もちろん失敗はよくないけど、反省だけして次に活かそうって。“次、次! ドンネク(ドンマイ、ネクスト)!”みたいなテンションなんですよ。ぷうたんは、そういう時に毎回、“なんか……できなかった……”みたいな。

ぷうたん:
“できない”を“できなかった”で終わらせたくなくて。あと、MMは最初ライブが全然なくて、月に1回あればいい方だったので、1回1回のライブを大切にしたかったっていうものあって。みんなにも“真面目すぎだよ。もっと楽しめばいいんだよ”って言われるんだけど、自分的にはライブは楽しむのは大前提って思ってて、その上で、“この会場で、このお客さんで、この環境でできるのは今しかない”とか深くまで思っちゃって、それで泣いちゃう、いつも(笑)。

ぎんしゃむ:
あ~。バカ真面目っていうか(笑)。

ぷうたん:
でも、これからは強くなろうと思って頑張る!

諦めないって大事だなって思いました(ぎんしゃむ)

──YouTubeの動画もいくつか観ましたが、2人の性格は本当に対極的ですね。

ぎんしゃむ&ぷうたん:
(2人同時に)ね!(笑)

ぎんしゃむ:
反対ですね、全然。

ぷうたん:
だから2択でどっちがいい?って意見を聞かれると、真っ二つに分かれたり(笑)。

──それはどうやって解決するんですか?

ぎんしゃむ:
お互いが意見を言って、納得させられた方が勝ち(笑)。

ぷうたん:
勝ち負けで考えるの!?(笑) 勝ち負けじゃなくて、お互い意見を言って、そっちがいいなと思ったら“それで”って。

ぎんしゃむ:
自分は負けず嫌いだから、絶対に説得します。納得させようってテンションで“これはこうだし、こういうところもあるから、こっちがいいと思う”って。そうすると、ぷうたんが折れるんですよ、“じゃあ、それでいいよ”みたいに(笑)。

ぷうたん:
違う。だって、そもそも聞こうとしてくれないんだもん。それに、こっちは話し合いのつもりなのに、まわりの大人の人たちの顔色がどんどん曇ってくるから、それもちょっと気まずいなと思って“じゃ、いいや”って折れる(笑)。

ぎんしゃむ:
そう、周りの大人は自分たちがケンカしてると思うのかわからないんですけど、“空気ゲキ渋っ!”みたいな感じで(笑)、気まずい……みたいになって謝ります(笑)。これはもう毎回です。プロデューサーさんに“これはどっちがいいと思う?”って聞かれたら、“絶対に決まらないですよ”って言って、案の定“自分はこっち”、“自分はあっち”みたいになって、“もう絶対決まらないんで決めてください”って言って、結局プロデューサーさんの意見を聞いてそれになるっていう(笑)。だから、これからはこっちに2択の質問を振らないでほしい(笑)。

ぷうたん:
そうかも。

ぎんしゃむ:
イチから考えてって言われたら、まだ意見を出し合って、お互いが納得いくものを言えるんですけど、二択を提示されると、絶対に言い合いになるから、二択まで絞ったんなら、大人の人がどっちか選んでくださいって(笑)。

ぷうたん:
それくらい真反対なんです。

──なるほど。プロデューサーの話が出ましたが、真っ白なキャンバスのプロデューサーの青木(勇斗)さんなんですよね。それはどういう経緯で?

ぎんしゃむ:
知り合いの子が、青木さんが新しいアイドルを始めたいって言ってて、しかも“男の娘アイドルが気になってるみたいだから話してみたら?”って連絡してくれたんです。

ぷうたん:
YouTubeで“プロデューサーを探してます”ってずっと言ってて、それを青木さんも知ってくれてたんだよね。

ぎんしゃむ:
それまでいろんなプロデューサーさんに会って話してきたんですけど、ことごとく“2人でアイドルさせるのは難しい”って言われて……。

ぷうたん:
もう全員“2人はちょっと……”って感じで。

ぎんしゃむ:
“せめてもう1人……”みたいな感じだったんですよ。

ぎんしゃむ:
“最低でも3人欲しい”ってめっちゃ言われたよね。でも、やっぱりうちらみたいな逸材はもう1人見つからなくて(笑)、難しいなぁと思ってたら、青木さんは“2人でやろう!”ってすごく前向きで。

ぷうたん:
マジでスーパーヒーローに見えた(笑)。しかも、青木さんと話す前には、これで決まらなかったらアイドルを諦めようって2人で話してたんですよ。そうしたら“2人でやろう”って言ってくれたから、もう安堵でした。

ぎんしゃむ:
しかも、“2人のやりたいようにしていいよ”みたいなテンションで、プロデュースもみんなで意見を出し合ってやろうって感じだったんで。

ぷうたん:
もうヤバい人、見つけた!って感じだったよね。

ぎんしゃむ:
素晴らしいプロデューサーさんに出会えたなって思いました。

──2人がやりたいことを貫き通したからこそ、そういう結果になったんでしょうね。

ぎんしゃむ:
諦めないって大事だなって思いました。

ぷうたん:
ホント、学んだ。

「イロトリドリノヒビ」

発売日:2021年9月7日(火)
TRJC-1109 ¥1,100
CD only

1.イロトリドリノヒビ
作詞・作曲・編曲:本田正樹

2.nosy hero
作詞・作曲・編曲:古屋葵

3.イロトリドリノヒビ(inst)

4. nosy hero(inst)

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