知らなきゃ損!本場・関西の焼き方をマスターして、ホルモンの醍醐味を存分に味わおう
ここ数年でホルモン専門を掲げる焼肉店が急増しているが、20年ほど前までは、東京で牛の内臓を食べさせる店はほんのわずかだった。
そこに勝機を見出したのが『肉山』のオーナー・光山英明氏。彼は東京に新たな牛ホルモン文化を広めた、伝道師でもある。
そんな光山氏の原点である店『ホルモン酒場 焼酎家「わ」』で、“本場流・ホルモン焼きの食べ方”を聞いてみた!
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※緊急事態宣言中の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
パワフルに焼いて食べるのが、粋なホルモン道
ホルモンは1枚ずつ焼くのではなく、ごちゃ混ぜにして豪快に焼くのが本場の関西では主流。東京でこの焼き方をすれば、間違いなく一目置かれるはずだ
「僕が生まれ育った大阪・生野には、昔からホルモン文化が根づいていました。
ごく身近な食材だっただけに、関東では牛ホルモンを塩で出す店がほぼないと知ったときは驚きました。こんな旨いのに、なんで食べへんのって。
そこで大学時代に住んでいて、馴染みのあった吉祥寺に『ホルモン酒場 焼酎家「わ」』を出したんです。
当初は、お客さんに何を頼んだらいいのってよく聞かれました。え?そこから?って。
大阪だとカルビ、ホルモン、白米が基本みたいな部分があったから、おっかなびっくりでも食べたお客さんがめちゃくちゃ美味しい、と言ってくれるのは嬉しかったですね」
手本を見せてほしいとお願いすると、おもむろにトングを取り、皿上の肉をすべて網の上に。
瞬間、ジューッとホルモンの大合唱が始まり、白煙とともに食欲をそそる香りが威勢よく立ち上る。
「これが肉焼きの原風景やと思うんですよね。脂がしたたって火が上がってもビビらず、あわてず。バーンと焼いてガーッと食べるのがホルモンの醍醐味です」
トングでホルモンを転がしながら、表面がジュクジュクしてきたら食べどき。
口に入れて、本能のままに脂の甘みや旨みを味わうことで得られるのがホルモン・ハイとも言える恍惚感だ。
赤身肉の人気店『肉山』オーナーの原点は「ホルモン焼き」だった!
店の名物「お肉9種」2,750円(1人前)。このプレートで一躍人気店になった。
ハラミや小腸、ギアラなど1度にさまざまなホルモンを堪能できる盛り合わせ。キムチのハーフと野菜3種が含まれる。
いいホルモン店を見極めるコツはテッチャン、米、酒!
「まず、肉で見分けるとしたらテッチャンが分厚い店は間違いないです。夏場は少し痩せてしまうこともあるけれど、脂付きと艶がいいのは仕入れの良さの証明。
あとは炊き立てのご飯を出しているか、お酒がきちんと美味しくて、価格が高すぎないこともひとつの判断基準。肉以外の部分にこそ、店の本質というものが出る。
最近は高価格帯のホルモン店もあるけれど、お酒2杯に腹いっぱい食べて4〜5,000円くらいというのが目安。
でもホルモンは習うより慣れろ、なので、たくさん食べてホルモンを好きになってもらえたら嬉しいです」
光山イズムを体験できるのは『ホルモン酒場 焼酎家「わ」』
隅に小さく「わ」と書かれた暖簾を目印に。
なみなみ注がれる焼酎は一律500円。2時間の飲み放題は1人 2,200円。カウンターのみの店内で、カジュアルに牛ホルモンと焼酎をたのしんで。
大阪・生野区出身。上宮高校野球部主将として甲子園ベスト8に進出。
大学卒業後は酒の卸販売を経て、2002年に『ホルモン酒場 焼酎家「わ」』をオープン。
赤身肉専門店『肉山』を始め、自身が手がけた店は国内外に60店舗を超える。
▶このほか:「見よ、この鮮度を!」東京でホルモンと言えばココ。新鮮素材をコースで味わい尽くそう