【本音レビュー】マーベル初アジアンヒーロー『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は特殊なカンフー能力の持ち主 / エンドロール後にも注目

【最新公開シネマ批評】

映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。

今回ピックアップするのはマーベル・スタジオの最新作『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021年9月3日公開)です。

ついにマーベルからアジアンヒーローが映画に登場ですよ。コミックスでは「マスター・オブ・カンフー」的な存在だったシャン・チー。

映画はコミックスをベースに、シャン・チーの力の秘密と家族ドラマが展開されるようです。ワクワクしながら、公開初日に劇場で鑑賞してきました!

【物語】

アメリカのサンフランシスコでホテルの駐車係として平凡な暮らしをしているシャン・チー(シム・リウ)。実は彼には秘めた力がありました。

幼少時代から父親のシュー・ウェンウー(トニー・レオン)から犯罪組織の最強の暗殺者として育てられていたのです。

でも優しい性格のシャン・チーは暴力を嫌悪して力を封印。普通の生活をしていました。

ところが、悪に染まり伝説の腕輪(テン・リングス)で世界を脅かす父の陰謀に巻き込まれ、対決することに!

【フツーっぽい青年が最強であることがポイント】

オリエンタルな雰囲気を貫きながらもド派手なアクションと映像でヴィジュアル最高な映画でした。

前半、シャン・チーの両親であるシュー・ウェンウーとイン・リー(ファラ・チャン)の出会いが描かれるのですが、いきなり展開されるアクションシーンがめちゃくちゃ綺麗。まるでダンスを踊るような流麗なアクションで、うっとりしちゃいましたよ。

で、主人公のシャン・チーですが、これまでのマーベルヒーローの中でも地味系のルックス。でもフツーに生きることを選んだ青年なので、役にピッタリでした。

どこにでもいる青年に見えて、実は特殊な能力を持っているというのがポイント。カンフーやらせたら最強ですから!

キレッキレのアクションにビックリ。カンフーアクションは、ただボコボコ殴るというのとは違い、動きや型が美しいなあと改めて思いました。

パンチも蹴りも空をシュっ!と切る感じが見ていて気持ちよいです。

【エンタメ傑作のいいとこどり!】

物語はシャン・チーと父親の確執をメインに、後半は最強の巨大な敵とのバトルが展開されていくという、どんどんボリュームアップして壮大になっていくのですが、いい意味で、いろんなエンタメ映画のいいとこどりをしている作品です。

悪の道に落ちた父と息子の闘いはまるで『スター・ウォーズ』ですし、街中でのバスを使ったアクションシーンなど随所に見せるシャン・チーのカンフーアクションと危なっかしい展開はジャッキー・チェン映画を彷彿させます。

カーアクションは『ワイルド・スピード』的なのですが、後半はファンタジー的な展開になり、ヴィジュアルも雰囲気も変化していくのです。

【トニー・レオンとミシェル・ヨーにくぎ付け】

このようにシャン・チ―の見せ場はたくさんあるのですが、個人的に惹かれたのはシャン・チーではなく父を演じたトニー・レオンなんですよねえ。

ウォン・カーウァイ監督の美麗な香港映画で何度も主役をはり、素晴らしい演技を見せてきたトニーが、ものすごいアクションを見せるっていうのがもうたまらない! 59歳ですが、あまりルックスが変わらないし、テン・リングスを操る姿は素敵です。

そしてミシェル・ヨーは、最近はアクション映画よりも普通のドラマでの活躍が目立っている印象があったので、マーベル映画でアクションを披露してくれるのがうれしい! 香港映画の2大スターの活躍に、胸が躍りっぱなしでしたよ!

ちなみに本作を見るとき、エンドロールで退場しないで、最後まで見てくださいね。マーベルの次回作『エターナルズ』につながる(!?)と思われるシーンが出てきますので、見逃さないように。

執筆:斎藤 香(C)Pouch

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』

(2021年9月3日劇場公開)

監督:デスティン・ダニエル・クレットン

出演:シム・リウ、トニー・レオン、オークワフィナ、ミシェル・ヨー、メンガー・チャン、ファラ・チャン

©Marvel Studios 2021

2021/9/6 17:45

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