【本当に怖い】実在する心霊スポットが舞台の映画7選

 興収14億円超えの『犬鳴村』から、『樹海村』『牛首村』と展開する「恐怖の村」シリーズ、驚異の興収22億円を突破した『事故物件 恐い間取り』。今や心霊スポットは邦画ホラーの最前線を担うサブジャンル。そこで、今回は世界各国の心霊スポットを題材にした映画から新旧ホラーをご紹介。その魅力を探る!

●『シャイニング』(1980)

 本当に怖い、優良心霊スポットの条件はズバリ高確率で「出る」こと。長時間滞在すれば、その確率もあがる。宿泊可能な心霊スポット、幽霊ホテルでの体験談が多いのも納得だ。

 豪雪で休業中の巨大ホテルで管理人一家が体験する恐怖譚『シャイニング』は、モダンホラーの帝王スティーヴン・キングの代表作だが、実はキング自身の体験にインスパイアされた物語だ。

 1974年、キング夫妻は米コロラド州ロッキー山脈の麓(ふもと)に建つ由緒あるスタンリーホテルに宿を取った。ここは亡き創設者とその妻がさまよい、廊下を子どもが遊び回り、敷地内にあるペット墓地で犬と猫の霊が目撃される高感度な心霊物件。ホテルの冬期休暇直前、接客係の霊が常駐すると評判の217号室にチェックインしたキングは、自室の浴槽で誰かが死んでいたら…と妄想に背筋を寒くし、就寝中に3歳の息子が無限に続く廊下を消防ホースに追われる悪夢を見た。すっかり目がさえたキングはあっという間に『シャイニング』の骨子を書き上げたという。

 映画では浴槽から立ち上がる腐乱死体、赤くヒビ割れた顔で笑う男など、ショッキングな幽霊が総出演。うねうねと曲がる廊下に突然現れる双子少女の幽霊(原作は姉妹の設定だが双子ではない)も強烈で、「その方が気持ち悪い」と直感で変更した鬼才スタンリー・キューブリックのヴィジュアル感覚はやはり天才的。

●『コンジアム』(2018)

 心霊スポットを探検するなら、スケールが大きい方が手応えがある。人里離れた寂しい山中に佇む巨大な精神病院廃墟に、ネットで人気の動画配信チームが挑む本作は、韓国で封切られると『箪笥』に次ぐ歴代ホラー2位を記録する大ヒット。

 映画のモデルは「CNN選出の世界7大心霊スポット」や「韓国3大肝試し聖地」に輝く京畿道広州市の昆池岩(コンジアム)精神病院。「患者の変死が続く」「院長は自殺」「オーナーは失踪」と不穏な噂が絶えない物騒なスポットだ。

 本編ではスマホに小型のアクションカメラ、広角レンズ、ドローンを駆使してリアルな映像を追及。恐怖の震源地に主観映像でアタックする感覚は、日本の心霊テレビ番組や動画サイトのライブ配信に近く、ドッキリ怪奇現象や幽霊出現シーンの手数も豊富。心霊スポット探検を手軽に楽しめる体感型の快作だ。

●『カタコンベ』(2007)

 心霊スポットは我々の日常とは違う異界。死者の領域である墓地も肝試しの定番だ。真夜中に訪れる近所のお寺も風情があっていいが、フランス・パリの地下に広がる納骨堂=カタコンベは、およそ600万人の遺骨で埋め尽くされているというから、やはりスケールが違う。人骨を安置した地下坑道は複雑に入り組んでおり、ときには行方不明者も出るという。

 このカタコンベを舞台にした本作では、心霊スポット巡りと殺人鬼ホラーが合体。フランス留学中の姉に誘われ、地下納骨堂で行われるレイブ・パーティーに参加した内気なアメリカ人女性。だが、姉は謎の怪人に惨殺されてしまい、彼女は無数の遺体に取り囲まれた暗闇にたったひとり取り残され、逃げ惑う。

 この映画をプロデュースした『ソウ』シリーズの製作者グレッグ・ホフマンは、撮影後に首の痛みを訴え、病院で急逝。映画は1年近く製作が中断された。まだ42歳の若さだった。

●『JUKAI―樹海―』(2016)

 心霊スポットに出かけた人が頻繁に体験する怪現象のひとつが「理由もなく迷う」こと。「磁石や電子機器が狂う」「一歩入ると出られない」と恐れられる青木ヶ原樹海は、日本屈指の有名心霊スポット。さすがに「磁場が狂う」のはデマだとしても、四方を森に囲まれた風景は方向感覚を危うくするのかも。

 海外でも「スーサイド・フォレスト=自殺の森」の異名で恐れられる樹海。人知を超えたパワーを秘めた緑の迷宮を、死後の魂が迷う煉(れん)獄に見立てた作品も多い。テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のナタリー・ドーマーが主演、小澤征悦がハリウッドデビューを果たした本作も、気味悪い幽霊満載でスピリチュアル指数が高い。

 日本で教師をしている双子の妹が失踪したと知ったアメリカ人女性が、手がかりを求めて樹海へ。現地を取材するオーストラリア人記者と日本人ガイドに同行した彼女は、次々と予期せぬ怪異に遭遇してしまう…。

●『メキシコ・オブ・デス』人形島(2014)

 心霊スポットにチョイ足しされる不可解なデコレーション。意味不明な落書き、アウトサイダーアート風の不気味な置き土産。一体、誰が、何のために? 深まる謎は「人コワ」系の恐怖も手繰り寄せる。

 メキシコの首都から28キロほど離れた、アステカ文明の面影を残すソチミルコ地区に「人形島」と呼ばれる心霊名所がある。運河に浮かぶこの小島では無数の人形が木々にくくりつけられ、訪れる者に無言の眼差しを向けている。かつてこの島で暮らす男が、運河で溺れた少女を発見。取り憑かれたように人形供養を始めた。やがて少女と同じ場所で溺れ死んだという。

 8人の新鋭監督が競作したメキシコ産ホラーオムニバス『メキシコ・オブ・デス』の一篇「人形」にこの呪われた島が登場。観光客を襲う巨漢食人鬼が血塗られた凶行を繰り広げる。監督は『ABC・オブ・デス』(2012)に参加したホルヘ・ミッチェル・グラウ。心霊スポットとグロ趣味の融合をモノクロ映像でとらえ、独特なセンスを見せる。

●『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(2018)

 事故物件ばかりが心霊スポットになるわけではない。米国カリフォルニア州サンノゼにあるこの大豪邸は、いわば「怪奇建築」だ。

 名銃ウィンチェスター・ライフルで巨万の富を築いた実業家の老未亡人が、家族を見舞う不幸の原因が銃で死んだ怨霊の祟(たた)りと確信。霊障から逃れるべく、38年間、増改築を続行。霊を欺くために数々のトリックを仕掛け、どこにも続かない階段や極端に小さいドア、隠し部屋や秘密通路が設けられた。

 映画はそんな怪奇建築の詳細を好奇心タップリに紹介しつつ、幽霊否定派の医師が老婦人の精神鑑定を任され、邸内で恐るべき心霊体験をする。喪服を思わす黒衣の老夫人に扮した名女優ヘレン・ミレンが幽霊相手に大奮闘。監督のスピエリッグ兄弟は心霊懐疑派を公言しているが、実際の屋敷でロケした際は、奇妙な体験をしたと言い出すスタッフが絶えなかったそうだ。

●『セッション9』(2001)

 心霊スポットに不可欠なのが、その場所にまつわる因縁、暗い穢(けが)れに満ちた伝説だ。米マサチューセッツ州に実在したダンバース州立精神病院は19世紀後半に建てられ、今は禁止されたロボトミー手術やショック療法など、非人道的な治療が行われていた悪名高い施設。

 1985年に閉鎖され、廃墟と化したこの建物で、本作は命知らずの撮影を敢行。公共施設への改修工事でアスベスト除去を任された5人の作業員が、患者の治療過程=セッションを録音した音声テープを発見し、そこに記録された狂える虐待の痕跡を紐解くにつれ、一人ずつ姿を消してゆく。

 見どころはやはり、忌まわしい過去を秘めた廃墟に漂う「本物」の邪気。主演はドラマ『CSI:マイアミ』シリーズのデヴィッド・カルーソで「劇中に登場する小道具はどれも現場にあったもの。過剰なセット装飾など必要ない、恐ろしい場所だった」と証言している。(文・山崎圭司)

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