「脱炭素」聞かれれば「必要」だと思うけど... 「カーボンニュートラル」の認知率は半数に届かず【目指せ! 脱炭素社会】

「カーボンニュートラル」の認知率は43%にとどまる一方、その取り組みの必要性は74%の生活者が感じていることが、広告大手の電通(東京都港区)の調査でわかった。「カーボンニュートラルに関する生活者調査」を、2021年8月12日に発表した。調査は2回目で、この結果は前回から大きな変化はみられなかった。

また、「2030年度に温室効果ガスを46%削減することを目指すことを政府が表明したこと」の認知率は53%と高かったものの、「4月の気候変動サミットで『脱炭素』が議題となったこと」の認知率は40%にとどまった。

なお、認知率は「内容まで理解している」「言葉だけは知っている」と答えた人の割合の合計数で示している。

気候変動サミット「脱炭素」が議題、認知率は40%

「カーボンニュートラル」とは、人間のさまざまな活動で温室効果ガスの排出と吸収が同等なことをさす。この認知について聞くと、カーボンニュートラルの「内容まで知っている」または「内容までは知らないが、言葉だけは知っている」と答えた人は、合計で42.8%だったが、「内容まで含めて知っている」と答えた人は11.8%で、引き続き内容の理解の浸透は課題=図表1参照。

また、「カーボンニュートラル」の実現に向けた取り組みの必要性を聞くと、73.8%の生活者が感じていた=図2参照。

政府が「2030年度温室効果ガスを46%削減することを目指すことを表明したこと」の認知率が53%にのぼる一方、「4月の気候変動サミットで『脱炭素』が議題となったこと」は40%、その他の政策情報の認知率は約3割にとどまる。

「パリ協定」の内容は認知されている傾向がみられるものの、国が発表している「グリーン成長戦略」の認知は約4割にとどまり、「14の重点分野」が設定されたことの認知はさらに低くなる。

「14の重点分野」のうち、「自動車の脱炭素化・蓄電池技術の実現」「資源循環型社会の実現」の取り組みに対してはやや認知されているが、現状では「14の重点分野」の取り組みへの認知は低い傾向は前回調査から変わらないという。

投資家が熱く期待を寄せる企業は......

脱炭素とカーボンニュートラルに「取り組んでいる」、あるいは「今後取り組んでほしい」と思う企業のうち、取り組んでいることがよく知られていて、今後への期待も高い業種には、「自動車」のほか、「電気機器」「エネルギー(電力・石油)」「運輸(鉄道・空運・陸運)」などが挙がる。一方、「通信」「食品」「小売業」はいずれも低い傾向にある=図表3参照。

カーボンニュートラル、脱炭素の取り組みの結果、生活者が追加コストを許容できるのは「電気代」 「ガス代」「水道代」などライフラインの割合が高い。カーボンニュートラルから想起されやすいと考えられる。一方で、「医療費」「保険代」「通信費」などの許容度は低く、カーボンニュートラルから想起されにくいと考えられる。

また、個人投資家のカーボンニュートラルや脱炭素への関心が高まっている。投資意向がある人のほうが、意向がない人よりも、脱炭素やカーボンニュートラルへの取り組みに対する認知が高く、なかでも、「自動車の脱炭素化・蓄電池技術の実現」認知率は81%にのぼる=図表4参照。カーボンニュートラル、脱炭素社会実現のための取り組みに対する賛同意識も8割超と高い。

さらに、個人投資家が脱炭素とカーボンニュートラルに取り組む企業への投資を検討する際に重視するポイントを聞くと、カーボンニュートラルの実現に取り組んでいる個人投資家は、

「カーボンニュートラルに関する情報を開示している」
「カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの広報を実施している」
「環境課題に対する活動の費用を公表している」

など情報開示・PRを前提として、

「商品の製造過程において、CO2排出量の削減に取り組んでいる」
「カーボンニュートラルの実現に向けた商品を発売販売している」
「商品の運搬過程において、CO2排出量の削減に取り組んでいる」
「環境に配慮した企業と協業・取引を行っている」

など、開発・製造・輸送・販売にわたるサプライチェーン全体での企業の取り組みを重視していることがわかった=図表5参照。

なお調査は、電通グループの横断組織「サステナビリティ推進オフィス」「電通Team SDGs」が全国10~70代の男女計1400人を対象に、6月9~10日に実施した。

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