乃木坂46の山崎怜奈（れなち）がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。（ダレハナ）」。9月1日（水）の放送では、この日が“防災の日”ということで、「線状降水帯」と「都内の坂道に潜む危険」について報道情報センター・田村優介記者に聞きました。

左から、田村優介記者と土屋信行先生

TOKYO FMでは、毎年“防災の日”に「防災ワンデー」と題し、さまざまな防災情報をお届けしています。今回は“線状降水帯”に着目。それは発達した雨雲が連続して発生し、帯の様に同じ場所を通ったり停滞したりするもの。破壊的な降水量で大きな災害を引き起こす要因となりますが、もしもそんな線状降水帯が首都圏で発生した場合はどうすればいいのでしょうか？

田村記者はこの問題に対して、事前に取材を敢行しました。テーマは「坂道が危ない!? 地名には要注意」。水害に詳しい専門家の土屋信行先生とともに取材に向かったのは東京都港区の「乃木坂」……そこは“坂”の多い場所で、土屋先生は「坂道に強い雨が降ると水が集まりやすく道路は川のように水が流れ、危ない場所になってしまう。10センチ水が流れると足がすくわれる恐れがあり、できる限り高い建物に避難してほしい」と注意を促します。

坂道を下ると、建物の奥にがけ地を発見。そこで土屋先生が注目したのが、古びた大谷石。これは建材としては風合いがあっていいものの、風化しやすいという弱点があり、いまでは構造用材としては使われていません。

大谷石でできた土留め壁

ただ、以前は頻繁に使われ、目の前にある擁壁もその名残です。土屋先生は「老朽化度も50年ぐらい経っているかもしれない。大きな雨が降ると土砂崩れの可能性もあり危険」と危惧します。都心にはこうした場所がまだまだ数多くあるそうです。

さらに坂道を進むと、地下室の前に土のうが。過去に浸水の経験があり積まれているのではないか、と土屋先生は推察。地下室が浸水し、水が30～40センチ溜まると、大人でも水圧でドアが開かなくなってしまうためとても危険で、浸水を防ぐために土のうはとても効果的だと言います。

地下室前の土のう

……取材音声を聴きながら、スタジオでは田村記者から「土のうはどうやって入手すると思いますか？」と質問が。れなちは「全然想像がつかない……」とお手上げ状態。なんと都内23区では無料で配布や貸し出しを行っているそうで、「『土のうステーション』という名前で土のうが提供されている自治体もあります」と田村記者。

ただ、土のうは運ぶのが大変。さらには、急に大雨が降ってきたときにすぐに用意できるわけではありません。そこで田村記者は自宅で準備できる「水のう」を紹介してくれました。準備するのは、45リットルのゴミ袋ないし大きいサイズのレジ袋2枚だけ。袋を2枚重ねにして半分程度水を入れ、袋の中の空気を抜き、口を結べば完成です。

しかも、これは浸水対策だけでなく、集中豪雨などが起きると低い土地にある住宅では「排水溝逆流浸水」と言って下水が逆流してしまうことがあるそうで、トイレやお風呂場の排水溝の上に水のうを置くことで、それを防ぐことが可能になるとのこと。

そして、最後に土屋先生は地名の重要性を指摘。そこから読み取れることも多いと言い、「地名は長い歴史のなかで先祖の方が『ここは危ない』と伝えるために付けた危険情報のシグナル」と力説します。

それこそ「坂」や「谷」などが付いた地名はなにかしら意味があり、そこを調べることで歴史探訪にもなるため「楽しみながら危険を文化にする、そういう感覚で備えていただきたい」と土屋先生。

さらには、晴れた日だけでなく雨の日にも行くことで、より危険を察知することができるそう。「ぜひ現場を歩いてみて、体感してみることが危険予知の大切な学び」と話していました。

なお、「坂」や「谷」のほかにも、地形を表す言葉には「窪」、「合」、「袋」などがあり、道路の名前で川がついている通りは、かつて川だったところで、大雨の際には道路が川になり、流れが早くなりやすいので注意が必要だと呼びかけました。

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聴取期限　2021年9月9日（木） AM 4:59 まで

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＜番組概要＞

番組名：山崎怜奈の誰かに話したかったこと。

放送日時：毎週月～木曜 13:00～14:55

パーソナリティ：山崎怜奈（乃木坂46）

番組Webサイト：https://www.tfm.co.jp/darehana/