2学期が始まったけど「学校に行くのがしんどい」クラスメイトの言葉で出せなくなった本当の性格
ラジオの中の学校、TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」。8月30日からの4日間は、『しんどー相談室』と題し、しんどい、つらい思いを抱えている10代のリスナーの声を取り上げています。2日目となる8月31日のテーマは『学校に行くのがしんどい』です。パーソナリティのさかた校長とこもり教頭が、2学期が始まったけど登校するのがつらいというリスナーの話を聞いていきました。そのなかから、先週夏休みが終わったという高2の女性リスナーとのやり取りを紹介します。
――このリスナーから届いたメッセージを紹介
【高校2年生になってクラスになじめません。本当の性格は明るくてうるさいのに、クラスでは出せずに静かにしています。高校2年生になった日に、クラスメイトから「あいつと同じクラスになりたくなかった、マジ最悪」と言われ学校が怖くなり、行きたくないと思うようになりました。周りの人が話しているのを見ると、私の陰口を言っているのではないかと思ってしまい下を向いてしまいます。いままでは「夏休みがあるから頑張ろう」と思っていましたが、夏休みが終わって学校に行くとまた自分じゃなくなってしまいました。こんな自分が嫌いです。学校に行きたくない、しんどい】
◇
さかた校長:書き込みを読ませてもらったけど、学校が怖くなってしまったんだね。同じクラスの子から言われたきつい言葉は、突然言われたの?
リスナー:廊下を歩いていたら、指をさされて「あいつと同じクラスになりたくなかった」と言われました。
さかた校長:うん……嫌やな。なんで言うんやろな。その子とは面識があったの?
リスナー:友達が同じクラスだったから、名前とかは聞いたことがありました。でも関わったことはなかったです。
こもり教頭:でも同じクラスだから、授業があれば一緒にいるわけだよね。ソイツが休み時間もクラスにいたら、そこでも一緒なんだよね。
リスナー:そうです……。
さかた校長:「明るい性格」って書いてくれていたけど、そこからクラスにいる自分は変わってしまったのかな。
リスナー:はい……あまり性格が合わないな、という子と一緒にいます。
さかた校長:じゃあ、一緒にいてはくれるけど、本当の自分は出してないのかな。
リスナー:出してないです。自分がめっちゃうるさい、というのは(その友達は)知らないです。本当の自分を出して1人になるのも怖いし……。
こもり教頭:「本当は性格が明るくてうるさいタイプ」って書いてくれていたけど、その自分を隠すようになったのは、自分に悪口を言ってきたその子にまた何か言われるのが怖くて「目立たないようにしよう」と思っているの?
リスナー:そうです。
さかた校長:1学期はどうやって過ごしていたの?
リスナー:「もうちょっとしたら夏休みだ」とか「もうちょっとしたら3連休があるから頑張ろう」とか、休みのことばっかり考えて学校に行っていました。
こもり教頭:うん……目標を探しながら過ごすってつらかったね。本当によく頑張ったよ。
さかた校長:そうだね。また2学期が始まって1週間が経ったけど、今の本当の気持ちはどういう感じかな?
リスナー:夏休みに戻りたいです。
こもり教頭:うん……家族には言いづらいのかな?
リスナー:ここまでは言ってないけど、知っています。
さかた校長:そうか。話す第一歩が進めているのなら、もっと親御さんに話してもいいと思うよ。
リスナー:はい。
こもり教頭:高校1年生のときは、どうだったの?
リスナー:文化祭のときは、みんなを引っ張ったりしていました。
こもり教頭:そうか……今年の文化祭はどうだったの?
リスナー:みんなが意見を出すときも、去年は「これやりたい、あれやりたい」って言っていたけど、今年は言えなかったので……面白くないなと思っていました。
さかた校長:うん……本当の気持ちを抑え込んで学校に行っていたら、周りの人が陰口を言っていると感じてしまうようになったのかな?
リスナー:はい……。
さかた校長:そうか。本当はそんなこと全然なくて、勝手に悪いほうに考えてしまっているのかもしれないしね。友達にも本当の自分を見せられないで、本来ならまったく傷つかないでいいところで傷ついてしまうのは、すごくもったいないな。
リスナー:はい……。
こもり教頭:今いる場所って、学校って、自分の場所なんだよ。もちろん自分1人のものじゃなくて、クラスが30人なら30人全員のものなんだよ。たくさんの人がいるから、誰かが我慢して成り立つ状況があるのはわかるけど、誰か1人が“楽しい”を搾取していいものではないんだよ……よく我慢しているな。
リスナー:はい……。
こもり教頭:本当に頑張っているよね。だからこそ、俺はいま一緒にいてくれる友達に本当のことを言ってもいいじゃないかなと思う。本当の自分を知られることや1人になってしまうことが怖いかもしれないけど、それよりも自分を押し殺してこれから半年以上も過ごすことのほうが俺はつらいと思っちゃうな。
リスナー:はい……。
こもり教頭:かけがえのない時間だからね。ここからの学校生活を楽しんでほしいと思っているよ。
リスナー:はい……。
さかた校長:うん……本当は明るい性格だと教えてくれたし、そんな君がこうやって泣いて話しているのはすごく嫌なんだよ。(1年生のときは)みんなを笑わせて楽しませていたわけやからな。君にひどい言葉をかけたその子は、キラキラしていた君が羨ましくて言ってしまったと思うんだよね。それほどに自信を持って過ごしていた日々があるんやから、俺たちは早くそのときの自分に戻ってほしいと思うよ。
リスナー:はい……。
さかた校長:そんな言葉は毒でしかないから、本当の自分を知っているなら、教頭が言ったように、今近くにいる子に少しずつでもいいからやりたいことや好きなことを話してみたらどうかな。2学期が始まって、学校に行っているのはめちゃくちゃ偉いからな。
リスナー:はい。
さかた校長:その事実があるから、親御さんや友達にもう少しだけ踏み込んで、自分の気持ちを話してほしいな。もし無理だったら、またここで話してくれてもいいからな。
リスナー:はい。
さかた校長:ここにいるからな!
リスナー:はい、ありがとうございます。
こもり教頭:ありがとう。
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9月1日の『しんどー相談室』は「貧困でしんどい」を、9月2日は「差別でしんどい」をお届けします。
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<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK!
パーソナリティ:さかた校長、こもり教頭
放送日時:月~木曜 22:00~23:55/金曜 22:00~22:55
番組Webサイト ⇒ https://www.tfm.co.jp/lock/