『テレフォン人生相談』虐待を承知で子どもにウサギを飼い与えようとする母親…しんどすぎる相談内容、地獄の20分間

 8月24日放送のラジオ番組『テレフォン人生相談』(ニッポン放送)に登場した相談内容が常軌を逸しており、ネット上でちょっとした話題になっている。

知らない方のために説明すると、このプログラムは月~金曜の昼11時から20分間放送されるニッポン放送の看板の1つで、1965年に始まった長寿番組だ。番組内容はタイトルの通り、電話をかけてきた聴取者の悩みに専門家(精神科医、弁護士、エッセイストなど)が答えるというものである。

 先週と今週は聴取率調査が行われ、「夏休み子育て特集」と銘打ったスペシャルウィークが実施されているが、その相談内容がエグかった。

子どものウサギ虐待を見て見ぬふりをする母親

 この日、電話をかけてきたのは53歳の女性。14歳の長女と11歳の長男、そして56歳の夫がいるという。長女は5年前から不登校気味となり、中学受験をして進学校に入学したものの、頑張り過ぎて再び不登校に。家にいることが多くなった長女だが、日中は相談者が仕事でパートに出るため、次第に寂しさを募らせるようになる。その気持ちを紛らわせるために母が飼い与えたウサギを、長女は虐待し始めた。

「ウサギの首を絞めたり、ウサギを壁とか階段に向かって投げつけたりするんです」

 母親から注意を受けると、長女の虐待はよりエスカレート。仕方なく、相談者は見て見ぬふりをするようになった。

「で、下の子も『自分も世話をしたい』という気持ちになって、『もう1匹ウサギを飼ってほしい』と言ってきまして。確かに、その気持ちはわかるんですよね」

 つまり、「ウサギをもう1匹飼ってもいいかどうか?」というのが今回の相談内容だ。いろいろと大変なことが起こっている。まず、1匹目のウサギがそんな目に遭っているのに、もう1匹飼っていいわけがない。いや、それ以前に長女の心中に向き合おうとせず、「もう1匹ウサギを飼ってもいいか?」という愚問を相談の最優先事項にする女性の神経を疑いたくなる相談だ。

 この質問内容を受け、パーソナリティの今井通子は以下のように返答した。

今井 「でも、そのウサギ強いですねえ。首絞められても生き残ってるし、壁に投げつけられても生き残ってる」
女性 「骨を折ったこともありますし」
今井 「ウサギが骨を折ったの?」
女性 「そうなんです」

「そのウサギ強いですねえ」の一言には、「そのウサギが死んでもおかしくないことを娘さんはしていますよ」というニュアンスが込められていた。事実、「娘はウサギの骨を折った」というヤバい事実が新たに掘り起こされたのだから。

 彼女の悩みに回答するのは、メンタルトレーナーの田中ウルヴェ京先生だ。相談内容について、ウルヴェ先生は女性に聞き直した。

ウルヴェ 「(相談は)ウサギを飼うか飼わないかだけでいいですか? 本当にそれでいいですね? それとも……?」
女性   「やはり、突き詰めていくと家族関係のことが1番根っこにはあります」

当然である。そこじゃない。話を掘り下げると、2人の子どもたちはまるでモンスターのようだった。

「子ども2人が私に暴力的なんです。それが怖くて(『ウサギを飼うな』と)言えない。叩いてきたり、蹴ってきたりです。刃物を出してきたときもありました」

 テレフォン人生相談なんてしてる場合じゃないだろう。即、然るべき機関へ相談しに行ったほうがいい。ウサギの首を絞めて壁に投げつけ、母を殴ったり蹴ったり刃物で脅迫してくる子どもたち。家庭内で事件が起こってもおかしくないレベルだと思う。

 問題の根源は、相談者である女性自身にあるのではないか。今年で結婚して20年、39歳にしてようやく授かった長女。中学受験をさせ、ペットを飼う財力がこの家庭にはあった。聞かれてもいないのに「進学校」と口にする相談者。周囲への体裁を重視する自意識を察することができる。年齢は53歳になり、娘と真っ向から対峙する体力と気力はもうないかもしれない。だから、娘と息子に及び腰になった。ただ、彼女なりに対策法は考えているようだ。

「子どもから『お母さんは嫌いだ』とよく言われるんで、『じゃあ、どんなお母さんだったらいい?』『今のママの悪いところ話してもらえたらなあ』と聞いて、話をしたい」

 子どもたちに屈服し、言いなりになろうとする母。だから、問題行動を目の当たりにしても見て見ぬふりをし、現実と向き合おうとしなかった。そもそも、「仕事が忙しい」という理由で長女にウサギを飼い与えたのが逃避行動ではないか。以下は、叱責する今井と相談者によるやり取りである。

今井 「ウサギの首を絞め、骨折させ、壁に投げつけた。その行動を異常だと思わなかったところが、もうそもそもあなた自身が非常識な状態なんです」
女性 「いや、私は異常と思ってました。本当に、病院に連れて行かないといけないと。カウンセリングの先生には『心療内科の救急外来に連絡をとったほうがいい』と言われたことがあります」
今井 「言われたことがあるけど、やってないんでしょ?」
女性 「そうなんです、まあ、はい(笑)」

いよいよ、開き直る相談者。このトーンで会話できているのが怖い。終始、口ぶりが他人事みたいなのだ。当事者意識が欠如しているから、子どもたちと向き合わない。“優しく接する母”の体裁を剥がすと、問題を避けたがる無責任母の素顔が露わになった。ある意味、ネグレクトだ。

 特に恐ろしいのは、凶暴な弟へもう1匹ウサギを飼い与えようとしている思考である。子どもの敵意を自分からそらす目的で、“生贄”のウサギを増やそうとしている。虐待が目当ての、スケープゴートとしてのペット。ウサギがいなくなったら矛先が自分に向かうから、2匹目のウサギもやぶさかじゃない母。ウサギのようになりたくないから見て見ぬふりをし、そして何もしないのだ。

この女性が口にする「飼う」の言葉が、ずっと「買う」に聴こえて仕方なかった。「おもちゃが壊れた」程度の口調で「ウサギの骨が折れた」と告白する感覚。虐待でウサギが死んでしまったらゴミのように捨て、ためらわず新しいウサギを飼い始めてしまいそうだ。

 気になるのは、相談内容から夫の存在がまったく見えてこないことである。母と同様に父も子どもと向き合おうとしていないのか? 相談者の夫は、現在56歳。定年も視野に入っている年齢である。

 やはり、早急に第三者を入れないとダメだ。心療内科はもちろん、公的な相談窓口にも頼る必要もある。そして子どもたちだけでなく、家族全員へのカウンセリングが必要だと思う。

 あと、言ってしまうとウルヴェ先生の回答もまずかった。

ウルヴェ 「お嬢さんや息子さんに対しては、まず、じーっと見てあげてもらえますか? 何か答えたりしゃべったりせずに、ちゃんと見てあげる。そして『ああそっか、ウサギ傷つけたのかあ。何かあった?』とか。興味を持ってほしいです、お子さんに」
女性   「あぁ~」

 いや、そんなレベルじゃないだろう。もっと現実的に、具体的に対処してほしい。

 ただ、「子どもに興味を持て」というアドバイスに関しては同意だ。相談者の興味は子どもではなく、逃げること1点に集中している。こんな家庭状況で「ウサギをもう1匹飼ってもいいですか?」と相談しにくること自体、問題から目をそらしすぎである。はっきり言って寒気がする。

 しかも、相談者の反応を見るとあまり響いていなさそうなのだ。見せるリアクションは、「あぁ~」と絶えず弱火。明らかにピンときていなさそうである。「聞き流しちゃダメ」と今井がさすがに注意していたが……。とにかく、ウサギを早急に保護してあげてほしい。

 今回の相談は、聴いていて本当にメンタルが削られた。昼間から放り込まれた不意を突く闇。「『テレフォン人生相談』を聴く」という地獄を存分に味わう20分間だった。もはや、放送事故に近い内容なのでは? 着地点が何の解決になっていないのもしんどかった。

  • 8/31 18:00
  • サイゾー

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この記事のみんなのコメント

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  • まぁ何を言ってもプロのカウンセラーのやり方があるし、ド素人のサイゾーの記事を書いてるヤツの考えじゃ解決にはならないわな。 普通(一般的な)の教養と常識のある人ならサイゾーの言うこともわかるしその通りだろうけど、 今回の母親は根本的に自分が原因なのにそれを理解出来てなかったからねぇ…… 電話くらいじゃ解決出来ないよね

  • 原因が教育や家庭環境にあるのは明白としても、今、最も優先して行うべき事はウサギの保護。今日・明日にも殺されてしまう恐れがあるからだ。警察を介入させてでも力ずくで実行しなければならない。だが、この母親には出来ないだろう。ならばこのラジオ局側から行動に出なければならない。教育や家庭環境へのテコ入れはその次に行う事だ。

  • りぇし

    9/3 12:00

    知ってる人も多い、90年代に起こった暴力息子をバットで殺害した父親の話も、なんかこんな感じでした。追い詰められてアドバイスしてくれた医者やカウンセラーの声が全然全く届かない。サイゾーの記事なので、どこまでホントか怪しいけれど、このお母さんとこの子供に最悪の事態が訪れてないでほしいと願います。

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