前代未聞!秋の殺人台風から「命と家を守る」プロ直伝の心得10
お盆休みの日本列島を記録的な豪雨が襲った。
「8月11日以降、九州・中国地方など全国66か所で、72時間の総雨量が観測史上、最多を更新。被害も甚大で、4326戸に家屋被害が、118地点で土砂災害が確認されました。死者・行方不明者も10人出ています」(全国紙気象庁担当記者)
死者・行方不明者245人(消防庁発表)を出した西日本豪雨から、わずか3年。なぜ未曽有の豪雨災害が頻発するのか。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は、こう指摘する。
「温暖化の影響で、極端な気候“シビアウェザー”が進行しているせいです。気象庁の統計でも、1時間に50ミリ以上の豪雨の発生件数が、ここ10年間で1.5倍に増えているんです」
秋には、予測不能な進路で暴風雨をもたらす“殺人台風”も襲来する。
「全国、どこで豪雨災害が起こっても不思議ではない」(気象庁関係者)と言うように、豪雨災害は他人事ではないのだ。そこで今回は、和田氏協力のもと、“命と自宅を守るための心得”を紹介したい。
まず重要なのは情報収集だ。自治体のハザードマップに加え、和田氏が勧めるのは、スマホアプリの“NHKニュース・防災”だ。
「停電でテレビが使えなくても、ネットさえつながれば、アプリでニュース映像や速報が見られますので、ぜひ活用してください」(和田氏=以下同)
そのため、スマホ関連アイテムの用意は必須だ。
「スマホの防水ケースはもちろん、充電に使うモバイルバッテリーも用意しましょう。4〜5回充電できる20000mAh(ミリアンペア・アワー)以上の製品がオススメです」
食料品は1週間分を目安にストックしておきたい。また、豪雨では傘は役に立たないため、雨ガッパも準備しておこう。
■避難行動の注意点
避難行動に移るときは、次の点に注意したい。
「被災エリアにいる場合は、万全を期して、高齢者避難の目安とされている気象庁の“警戒レベル3”警報で、避難を始めましょう。加えて、高台やマンションに住む知人と、一時的に避難させてもらえる関係を作っておくのも大切です」
被災後の生活を考えるなら家財も守りたいが、浸水は手作りの“水のう”でガードできる。
「二重にしたゴミ袋に水を入れた“簡易水のう”を玄関などに並べれば、浸水をブロックできます。下水の逆流で、家屋内が浸水することもありますので、トイレや風呂場の排水口も、水のうでフタをしておきましょう」
最近多い雨戸がない家屋の場合、ガムテープを窓に貼り、強風によるガラスの飛散を防ぐのも有効だ。
最後に、電気トラブルへの対処も忘れずに。
「避難するときは、必ずブレーカーを落とし、停電復旧後に発生する“通電火災”を予防してください。また、大切な電化製品は2階、もしくは高所へ避難させておきましょう」
豪雨災害は、もはや他人ごとではないのだ。