50万円から購入できる軽井沢の格安別荘は“買い”なのか

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―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。

 私は幼少期から、毎年軽井沢の別荘に行っていたのですが、軽井沢が好きで、20代の頃は軽井沢で働いてしまったほど。ですから、ユーザー目線でも、業者目線でも、ある程度軽井沢の別荘事情には詳しい方だといえるのですが、そんな私が今回お伝えしたいのは、軽井沢の格安別荘についてです。

◆土地、建物込みで低価格のワケ

 別荘というと、「高い」というイメージがあり、特に軽井沢のような有名リゾート地となると、そういった印象はよりあるといえます。

 しかし、実は軽井沢には、かなり安価な価格帯で売りに出されている別荘があるのです。しかも最近では、その値段は50万円ぐらいからあるという状況。もちろん、これは「建物と土地」の値段であります。

 別荘に限らず、家というと中古でも数千万円はするというイメージがありますが、なぜ、このような格安物件が軽井沢に存在しているのでしょう。こういった格安別荘は、人気が低下したリゾート地にあるという印象です。

 例えば、軽井沢といっても、長野県北佐久郡軽井沢町ではなく、「北軽井沢」と呼ばれる群馬県嬬恋村であるとか、御代田町の「西軽井沢」などと思われるかもしれません。

 余談ですが、三島由紀夫の小説で、泣いている女性に「北軽井沢の別荘での思い出があるじゃないですか」と励ました男性が、「旧軽井沢です」と反証されるシーンがあったかと思います。旧軽井沢でないにしても、長野県の軽井沢町ということはそれなりに価値が高いといえます。

 そして、そういった軽井沢町の中に、なんと50万円といった格安物件が存在するのです。

◆格安物件があるエリア

 軽井沢町の中の軽井沢という前提で、軽井沢のエリアを説明すると以下のようになります。

・旧軽井沢 東京でいうなら、松濤や赤坂といった格式ある一等地といったところ
・中軽井沢周辺 特に南が丘・南原エリアは東京でいうなら、成城といった感じ
・千ヶ滝エリア 堤康次郎が開発した巨大別荘地 傾斜地が多い
・南軽井沢エリア 傾斜地が多い 大規模保養所の中古物件など、思わぬお宝も

 いずれも、平地の値段が高く、傾斜地が安価という傾向があります。ちなみにこれは、タワーマンションとは逆だといえます。タワーマンションの場合、眺めが良い最上階が最も高価で人気という傾向ですが、軽井沢の場合は、眺めの良い山頂エリアよりも、何も見えない平地のほうが人気であるのです。

 ですから、格安物件があるのは、当然傾斜地エリアとなります。

◆格安物件の特徴

 そして、そういった格安物件の特徴が、昭和40年代ごろに建てられた、比較的コンパクトな物件であります。

 別荘というと、豪華な建物を想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、格安物件は、2部屋+風呂トイレといったこぢんまりとした建物という傾向があるように感じます。

 格安物件というと、なにかしら『訳あり』と思われるかもしれませんが、私がかつて見た物件は、事故物件という感じではありませんでした。単に、需要がないから、この価格になっているのだな、というのが率直な感想です。

 ちなみに、軽井沢は湿気が多いため、カビ臭い別荘も多いのですが、傾斜地に建てられた別荘は、土台と傾斜地の間に隙間が空いているため、そこまでカビ臭くありません。平地に建てられた別荘よりも、カビ臭さに関してはよほど快適だと思います。

◆格安物件の維持費

 次に、格安別荘にかかる費用を説明したいと思うのですが、ここがまさに格安物件の格安たる理由といえる部分かもしれません。

 それこそが、管理費の高さです。格安物件は、本体価格が数十万円だったとしても、年間の管理費が20万円から30万円程度かかる場合が多い傾向です。

 なぜ、そんな管理費がかかるのかというと、その答えこそ、格安物件のエリアが、民間業者が開発した管理地だからということになります。

 道路や水道といったインフラは、行政ではなく民間業者が管理しているため、管理費が高い傾向があるのです。ただ、この管理費には、水道の水止め作業が含まれている場合もあるため、「何もしてくれないのに割高」というわけではありません。

 軽井沢の冬は、外気温がマイナスになるため、水を抜く作業をしないと水道管が破裂してしまいます。管理会社は、春には水出し、秋には水止めを行ってくれます。また、冬に使いたい場合、希望すれば水出し+水止め作業をしてくれるでしょう(おそらくこれは標準の管理費とは別途料金)。それに加えて、荷物の受け取りや、変な虫がいるから追っ払ってくれみたいな対応もしてくれるか可能性もあります。

 仮に管理費が年間30万円だとしても、一月あたりに換算すると2万5000円。ですから、これから物件を購入したいと思っている方が、きちんと予算を組んだならば、決して払えない額ではありません。

 その一方で、こういった管理費は、“年金暮らしの高齢者”や、“相続したけれども別荘には興味がない”という人には負担になるといえます。

 また、別荘を「所有」すると、当然固定資産税もかかります。ですから別荘の年間維持費は管理費+固定資産税となります。そうなると、年間維持費の予算として50万円程度は確保したほうが良いということになるわけです。これもまた、予め覚悟すれば払えない額ではないでしょうが、人にとっては大きな負担となるでしょう。

 そして、そういった負担をなるべく早く減らしたいというニーズから、格安物件が登場するのだと思います。

◆格安物件にかかる購入額以外の費用

 次に、格安物件を購入するにあたり、購入額以外にかかる費用を説明したいと思います。

 格安物件の中には、比較的綺麗というモノもありますが、そういった物件でも、水回りはどうしても古くてあまり清潔感がありません。

 例えば、トイレは1970年代風の清潔感が感じられない雰囲気だったり、キッチンも、なんだか衛生的な見た目ではないなど、水回りに難があるといえます。

 ですから、私としては、水回りに関しては、リフォームする前提で購入するのが良いと思うのです。

 そうすると、仮に100万円以下で買えたとしても、トイレ+風呂+キッチンのリフォームで300万円ぐらいの予算があったほうが良いと思います。

◆ホテルとどっちが得?

 以上のことから、軽井沢の格安別荘は、年間維持費が50万円、物件とは別にリフォーム予算として300万円程度ぐらいかかるといえます。

 そうなると、「ホテルに泊まるのとどっちがお得なのか」となることでしょう。

 ここでは、私が個人的に好きな「軽井沢浅間プリンスホテル」に宿泊するという前提で考えてみたいと思います。浅間プリンスは、今のようなハイシーズンにおいて、一人1泊6万円前後、10月の平日といったオフシーズンで2万円前後というのが相場のようです。

 仮に全ての期間において、ホテルの宿泊料金が、仮に1泊2万円だとすると、これから3年ぐらいの間、年間50泊以上は軽井沢に泊まる、という場合、別荘を買うほうがお得といえるかと思います。

 近頃といえば、新型コロナによる影響で、リモートワークが当たり前といった世の中ですから、年100日ぐらい軽井沢で仕事をしながら自然を満喫するという使い方は、大いにありだと思います。

 また、ホテルに自分の机を置くといったことは、できなくはないですが困難。それに対して、別荘だと、落ち着く仕事部屋を作るということもできるでしょう。

 さらに、別荘に連泊しながら、たまに気分転換でホテルに泊まるということもできるわけです。なんだかんだ、軽井沢に別荘を持つというのは、楽しいと思います。

 特に、今のようなリモートワークが可能という時代の場合、よりそういった価値は高まるでしょう。私は個人的に、「休暇」という前提での軽井沢ではすぐにやることがなくなってしまうと感じています。その一方で、軽井沢という自然の中で仕事や勉強をすると、非常に心地良いわけです。実際、私は、軽井沢で仕事をしながら受験勉強をして大学に入ったわけですが、あのときの心地よさは今でも忘れられません。

◆結論 若者にこそオススメしたい

 そういった意味では、仕事の効率化を図るという意味で、若い人が軽井沢の中古別荘を買うというのは大いにありなのではないかと考えます。

 ですから、軽井沢の格安中古別荘は、第二の仕事場所として、今こそ検討する価値があると思うのです。

文/斉藤由貴生

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―

【斉藤由貴生】
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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