オリックス失速、優勝は楽天か。前半戦データから紐解くパリーグ優勝候補

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―[数字で見るプロ野球]―

◆パ・リーグを前半戦通り143試合終わらせると……

 前回セ・リーグで実施した「前半戦の対戦成績の成績通り後半戦を消化したら最終順位はどうなるか」のパ・リーグ編だ。もし前半戦のチーム対戦成績のまま、つまりチーム状態が一切変わらずに全日程を終了したら順位はどうなるのかを計算してみた。

 ここで算出された成績より良ければ「後半戦頑張った」となり、悪ければ「後半戦失速した」ということがわかる。

◆カギは接戦試合 楽天が抜け出すがその差はわずか

 算出方法はチーム別前半戦対戦成績を出し、残試合も同じ割合で勝敗引き分けが増えるものとして計算している。まずは小数点まで算出した「チーム状態が前半と変わらなかった場合の最終想定順位(小数点込み編)」だ。

<最終想定順位(小数点込み編)>
       勝   負   分   勝率
楽天     66.97 56.80 19.21 0.5411
ロッテ    64.63 55.73 22.63 0.5370
オリックス  65.73 57.95 19.30 0.5314
ソフトバンク 62.37 58.73 21.89 0.5150
西武     55.03 65.50 22.46 0.4565
日本ハム   51.92 72.93 18.14 0.4159


 交流戦はもう終了しているので、パ・リーグ同士の対戦だけが増加していくため順位は変わる。交流戦優勝の数字が大きかったオリックスが3位まで落ちてしまい、楽天が繰り上がる形となった。つまり、オリックスは前半戦の同一パ・リーグ対戦成績を後半戦に向上できるかが順位維持のカギとなる。

 ただ、今年は延長戦がないため引き分けの率がどうしても上がる年なのだが、パ・リーグはセ・リーグと比較しても引き分けだった試合の割合が多い。最終想定順位を見ると引き分けを決着させるだけで逆転できる僅差である。

 難しい判断だが、リーグ優勝を意識するのであれば今年は日本ハムが大きく負け越している影響で勝率が5割を超えている球団は4球団もあるため、引き分けは例年以上かつセ・リーグ以上に悪いほうに出てしまう。

 とはいえ勝ち越しを狙った無理な采配が祟って負けを増やしてしまってはCS争いに影響が出る。接戦の試合で勝ち越しを狙うべきか? 引き分けを守るべきか? パ・リーグは監督采配の重要度が今年は高そうである。

◆ソフトバンクは同一カード25試合目が大事か

 さらに厄介なのは、整数化した場合である。66.97勝なんていう小数点での勝利数は現実ではあり得ない。一応先に整数化した場合の最終想定順位はこうだ。
(整数化の例)楽天の対オリックス 8.93勝10.7負5.36分⇒9勝11負5分

<最終想定順位(整数編)>
       勝 負 分 勝率
楽天     68 57 18 0.544
ロッテ    64 56 23 0.533
オリックス  65 59 19 0.524
ソフトバンク 62 58 23 0.516
西武     55 65 23 0.458
日本ハム   52 72 19 0.419


 整数化する前と順位は変わらないのだが、問題なのは按分がうまくできない対戦成績のカードがソフトバンクに多い点だ。例えばソフトバンクは対西武を前半戦5勝8負2分。これを25試合対戦した場合に増幅させると8.33勝13.33敗3.33分となり、0.33ずつとなった結果をどこかに割り振らないといけないことになってしまった。(一応この場合は一番勝率を動かしづらい引き分けに按分している)

 ソフトバンクは対日本ハムでも負けと引き分けで同様の問題が起きている(負けと引き分けの按分のため引き分けにしている)。下位2球団に対して対戦成績をほんのわずかに良くするだけでさらに差は詰まることになる。もし先ほどの対西武との按分を引き分けではなく勝ちにすると

ソフトバンク 63 58 22 0.521

 となり、もうオリックスの0.524とは3厘差だ。この計算結果と現実を比較すればチームが後半戦に奮起したかどうかがわかると考え算出したのだが、パ・リーグの場合は「大混戦」であることを象徴する数字だといっていいだろう。

◆5位西武も全然「ある」

 そして対戦実績が極端な西武もまだ可能性がある。オリックスと楽天には前半戦ボコボコにされてしまっていたが、ロッテとソフトバンクには割と勝ち越している。この状況を後半戦に大きく変えてしまうと、全てのバランスが崩れる「後半戦のカギ」となる球団になっているといっていいだろう。

 序盤に大量の怪我人が出た影響を考えると、後半戦を普通に戦えた場合は脅威だ。

文/佐藤永記

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【佐藤永記】
公営競技ライター・Youtuber。シグナルRightの名前で2010年、ニコ生で全ての公営競技を解説できる生主として話題に。現在はYoutube「公営競技大学」を運営。子育てやSE業界の話題なども扱う。Twitter:@signalright

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