ぶれずに猫耳。わーすたの世界戦略

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 “猫耳”をトレードマークにアイドル界を駆け回る、わーすた。‘15年に「日本のカワイイ文化を世界に発信する」というコンセプトのもとに誕生し、今年で6周年を迎えた。

 これまで世界11か国でライブを開催するなど、ずっと5人で歩んできた道のりだったが、メンバーの坂元葉月が年内いっぱいでグループから卒業、そして芸能界も引退する。坂元の決断を今後も活動を続ける廣川奈々聖、松田美里、三品瑠香、小玉梨々華の4人はどう受け止めたのか。これまでの歩みを振り返りながら、彼女たちが青春を捧げてきた「わーすた」への想いを存分に語ってもらった。

◆6周年を迎えた心境

――まずは今年6周年を迎えられて、その心境から聞かせてください。

三品 6年って本当に長いけど、振り返るとあっという間だったっていう想いもありますね。この5人でやり続けてこれたのも凄いことだなって。

――その大事な6周年ライブを久しぶりの有観客で迎えられたことに特別な思いも?

小玉 はい。ファンの方に会う大切さとか、ライブができる喜びとか。オンラインのイベントも私たちのすべてを出し切ってるんですけど、お客さんがいることによっての熱量だったり、目の前の人に届けたいという想いが沸きあがってくるから。生のライブが1番楽しいなっていうのは改めて感じました。

――活動を積み重ねていくなかで楽曲やパフォーマンスなど変化もあったと思いますが、メンバー自身はどう感じていますか?

廣川 グループ名が『The World Standard』という略なので、楽曲にもワールドミュージックが軸になっていて。初期の『いぬねこ。青春真っ盛り』とか『うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ』だったりは、日本らしさを届けている楽曲で。私たちが大人になるにつれて、ロックやジャズなど歌える曲にも幅がきましたね。アイドルらしいアイドルというよりは幅広く歌えるツインボーカル、そして3人がパフォーマンスメンバーという、わーすたの強みを活かせる形になっていってるのかなと思います。

◆メンバーの坂元葉月が卒業

――そんな中で、坂元さんが卒業発表されたということで、改めて経緯を教えてください。

坂元 今まで一度も卒業を考えたことがなかったのか?と言われたら、そんなことはなくて。それこそ同じレーベルでやっていた先輩だったり、身近な人が卒業していく姿を見ながら、自分に置き換えることもありました。何歳までやるの? どういう理由で辞めるの?って。もちろん6周年ライブのときは5人で迎えられることが嬉しかったし、もっと上に行きたいっていう気持ちも持っていたんです。ただ、改めて自分の気持ちと向き合ったなかで、すごく悩んだけど卒業を決意しました。

――その話を聞いたメンバーはどういう反応でした?

松田 メンバーそれぞれが思うことはたくさんあったと多いますけど、私は驚くというよりも「もうそんな時期がきたのかぁ」って。やっぱりいろいろなアイドルが生まれては無くなっていくアイドル業界で、6年目まで活動できたことは奇跡に近いことだと思うし。一緒に頑張ってきた子が新しい決断をしたということを聞いたから、応援してあげたいなって。

――ここまで「5人のわーすた」という強い気持ちで続けてきたと思いますけど、一人が抜けてしまうことで、解散の危機は感じなかったですか。

廣川 葉月から卒業の話を聞いたときは本当にショックで。4人で続けていく画も見えなくて、その不安はすごくありました。ファンの方にも「わーすたはずっとこの5人だよね」って言われていたし、私もそう思っていました。でも葉月ともいろいろ話して、わーすたへの愛情がありながら、卒業を決めたのは相当な覚悟があったんだなと。それに、好きでいてくれる方がこんなにもいるグループをここで絶対に無くしちゃいけないって思った。

三品 そうだね。正直、今もまだ4人で続けていくイメージはできていないんですけど、それでも、わーすたを続けていきたい。みんなで話して覚悟を決めたから、今はちゃんと前を向いて堂々としていきたいなって思ってます。

――卒業コメントのなかには、22歳になって同級生が就職していく姿を見たりしたことも理由の1つに挙げていて。卒業後は芸能界も引退されるということなんですが、やりたいことっていうのもメンバーには伝えたんですか?

坂元 まだ卒業後のことはリアルに想像できていなくて、やりたいことが決まったら1番にメンバーには報告したいです。今みんなに言えることは、地球上のどこかでは生活してますと伝えてます(笑)。

小玉 地球に居てくれたら会えるから安心はするよ。

廣川 普通の女の子になったら感覚も変わるだろうし、そういう時間をゆっくり過ごしてほしいって思ってるから急がなくていいよ。ニートになってたら困るけど(笑)。

――メンバーとしてアイドルを辞めて社会に出たら、ちゃんとやっていけるのかと心配になったりはしない?

三品 葉月はめっちゃ真面目で、これはやるべきことだなって思ったらやるんですよ。

坂元 そう。私、地頭はいいんですよ! 小学校5年生から中学に入るまで授業もあまり聞いてなくてもテストの点数はよかったんで、「自分は天才かも」って思って、そこから取り返しのつかないことになりました(笑)

三品 自惚れちゃったんだ……。でもやればできる子だから。

――社会に出れば順応していけそうかなと。

坂元 12歳からアイドルをやっているから、今までバイト経験とか一切ないんですよ。だから、逆に無敵なんじゃないかと思っていて。例えば、学生の頃に接客業のバイトで大変な思い出があると、「接客業に就くのはやめよう」ってなるじゃないですか。そう考えたら、なんでもできる私には未来しかないと思ってます!

廣川 ほんとボジティバーだからね。

◆現体制でのラストシングルが発売

――そして、現体制のラストシングル『読み人知らずの青春歌』が8月18日に発売。楽曲には、ずっとグループを見てきたスタッフさんが関わっていたり、熱い想いもSNSで書かれていました。

小玉 初めて聞いたときは曲の世界観というよりも、自分の心情とか今のグループの環境に照らし合わせてちゃって、すごくウルウルしてました。もちろんいい曲なんですけど、曲に感動したというよりは気持ちが重なりました。

坂元 ……それは曲に感動してるんだね。

三品 この楽曲と今の私たちとリンクしてすごく感動しました、と言ってます。

小玉 そう。すごく重なり合いました!

坂元 瑠香が通訳したのにまだしゃべってる(笑)

廣川 あと今回のMVは、葉月が主演でショートムービーのような感じで構成されていて。葉月と4人が別々で撮るシーンが多くて、空いてる時間に葉月の撮影を見ていて、「卒業シングルなんだな」っていう実感があったり。とくに葉月が走り出すシーンを遠くから眺めていたら、すごく寂しくなってなんとも言えない気持ちになりました。

――MVでは、坂元さんは22歳からアイドルという夢に挑戦する女の子という設定でしたが、現実的にはありですか?

坂元 めちゃくちゃありだと思います! ……って、年齢のことを言って辞める人が言うのもアレだけど(苦笑)

三品 葉月は始めるのが早かったから(笑)

松田 ファンの方からDMで「今からアイドルを始めたいんですけど、どう思いますか?」っていう質問も結構あるし、「わーすたを見てたらアイドルがやりたくなった」っていう女の子が意外と多いんだよね。最近はいろんなアイドルがいるし、何歳からでもいけると思う。

坂元 うん。夢を追うことに年齢は関係ないんじゃないかな。このMVを見た人で、胸のどこかに「本当はこういうことをやってみたい」って夢があるなら、その背中を押せるような作品になってます!

――みなさんは、青春をわーすたに捧げてきたと思いますが、もしアイドル以外の青春があったら、どう過ごしていました?

廣川 ん~何をしてたんだろう。もしアイドルを選んでいなかったら、私は服飾系の大学に行ってたかなって思います。アイドルの衣装とかスタイリストさんに興味があったので。

三品 自分からやりたいと思えることが何もなくて、最近始めたギターが初めてぐらい。それまで何も選ばずに過ごしていたので、たぶんグータラしながら、流れるようにのんびり生きていたと思います(笑)

松田 私も安パイな高校、大学に行って、普通に就職してただろうなって思う。あ、でも高校生の恋愛みたいなことはしたかったなぁ。TikTokとかに出てくるような。

三品 エモいムービー作るんでしょ?

坂元 毎日が記念日のやつね。美里やりそう~!

松田 動画は絶対作ってたと思う(笑)。制服を着て学校帰りにデートとか、学校行事を一緒に過ごすとかさ。少女マンガを読み漁って生きてきて、それでキュンキュンを接種してる
から憧れがいっぱいある。学生でいられる時間は有限だし!

三品 わかる。学校行事で可愛くするのはやりたかった~。この仕事を始めてから普段はあまり目立つかっこうをして外歩かなくなったから、思いっきり可愛くして外を歩きたい!

――男性のなかには「おじさんだって青春していたい!」という中年世代もいるのですが、みなさん的にはどう思いますか?

小玉 人生を楽しんでるな~って感じで良いと思います!

廣川 うん。逆に私たちのライブとかに来て、冷めた顔で見られると「ちょっと!」ってなる。楽しいことを素直に楽しいって思えることは大事だなと思ってます。

――男としてもアリですか?

三品 あり。だけど、それなりのまともな部分もないと。楽しむところは楽しめる人がいいけど、無鉄砲はダメですよ!

坂元 メリハリをつけて、仕事もちゃんとして。って何歳に言われてるのよ(笑)

――あとはYouTubeで公開されている動画のコメント欄を見ていて、海外からのも多くて驚きました。これまで11か国でライブを行ってきて、今はコロナでなかなか難しい状況ではありますけど、今後行きたい国は?

松田 インドネシアからの反応がすごく多いみたいなんですけど、まだ行ったことがないので、コロナは落ち着いたらぜひ会いに行きたいです。

◆わーすたが海外ファンにウケている部分とは?

――海外のファンには、どういう部分がウケているんですか?

廣川 いろいろなアイドルがいるなかで、猫耳を着けてるのがウケてますね。海外だと、最初に猫耳を見て「可愛い」ってなって、そのあとにMVを見てくれて、他国の言語にも字幕対応してるから歌詞を覚えてくれたり。ほかにもファン同士でグループを結成して、わーすたの衣装やダンスをコピーして動画投稿してくれたりして。本当に嬉しいですね。

――猫耳はブレずに着け続けてますもんね。

三品 見るのも嫌になった時期を経て、猫耳があるから6年もやってこれました!

坂元 わーすたの9割は猫耳に詰まってるね(笑)

――5人のわーすたも残りわずかですが、どう過ごしていきたいですか?

廣川 夏は新曲のリリースイベントや対バン、9月は東京と大阪でワンマンライブ、そして12月に5人体制のラストライブを予定しています。残された期間を楽しみながらも、5人でいけるところまで上を目指して、いい形で葉月のラストライブを迎えられるように過ごしていきたいです。このタイミングで、わーすたを知ってくれる方もたくさんいると思うので、ぜひ一度ライブを見に来てもらえると嬉しいです!

取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧


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