「オリンピック期間中は、水を差すようで言えなかったこと」…東京五輪を振り返る

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モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。8月9日(月・振休)の放送は、夏休み中のユージに代わり、スポーツジャーナリストの生島淳さんがパーソナリティをつとめました。この日の放送では、「大会期間中は水を差すようで言えなかったこと」と題して、今回のオリンピックが残した課題・問題点について、生島さんに伺いました。

※写真はイメージです



◆コロナ禍で開催された五輪…

吉田:今大会の選手の活躍、素晴らしかったと思いますが、一方で運営面を含め、さまざまな課題も浮き彫りになりましたよね。

生島:(コロナ禍で賛否両論があるなかで開催されたオリンピックですが)ある意味、分断されている状況で、政治家が「無事に終わって良かったです」と発信したとしても、それを鵜呑みにしてはいけないなということは凄く感じています。

やはりこの先、1週間、2週間……と新規感染者数や、今後のコロナ対策に注視していかなければいけないと思います。あとは、どういった形で(8月24日(火)からおこなわれる)パラリンピックを迎えるのか、まだまだ気を緩めてはいけないなと思います。

◆無観客開催…どう考えるか?

吉田:今回は、いろいろなところで判断がギリギリになっているな、という印象がありました。(競技場で)お酒を提供する・しない、観客入れる・やっぱり入れない……など。結局、無観客開催になりましたが、結果、無観客で良かったと思われますか?

生島:首都圏に関しては仕方がなかったのかなと思います。今回は(宮城や)静岡でお客さんを入れていましたが、お客さんがいるというのは(やっぱり)良いなと。

あと、女子バスケットで、ボランティアの方々がご覧になっていたのが、僕は感動的でした。やはり誰かが観ているということは、(選手にとっては)とても大切なことだと思いました。ただし、感染のことを考えると(1都3県での無観客開催は)妥当な判断だったのかなとは思います。

一方で、たくさんの方がオリンピックを現場で観戦する機会を奪われてしまったことは、日本にとって大きな損失だろうなと僕は思うんです。

それはなぜかというと、例えば(日本で開催された)2019年のラグビーワールドカップを観た思い出を、とても大切にしてくださっている方が多いことを考えると、日本の将来的なスポーツに関してはマイナスですよね。でも、仕方がなかったかな……というのが、今日の意見ですね。

吉田:もし観戦できていたら、競技場に来ていた子どもたちが将来の選手になる可能性もあったかもしれないですしね。

生島:そうですね。人生に何らかの影響を与える可能性はあったわけで、それができなかったことは何かと考えていくと、無策だったんですよ。日本政府、IOC(国際オリンピック委員会)、東京オリンピック組織委員会。それを(コロナ禍にも関わらず)なし崩しに(開催して)、「(やっぱり開催して)良かったじゃないですか。無事に終わったので」と言うような流れは、僕は許してはいけないな、って個人的には思っています。

◆猛暑のなか強行された東京五輪

吉田:あともう1つ心配だったのが“暑さ”ですよね。

生島:札幌も暑かったですね。

吉田:熱中症の心配もありました。これはいかがでしょうか?

生島:時期に関してはIOCも悪い。お金をたくさん払ってくれているスポンサー、(アメリカのテレビ局)NBCの意向もあったでしょうから。でも、「(猛暑で熱中症の懸念もある)この時期は無理だ」というメッセージの発信はありませんでした。

吉田:今回、(あまりの暑さで)海外の選手が倒れてしまったり、(猛暑による試合時間変更の)声をあげる方が多かったですよね。

生島:(男子テニスの)ジョコビッチ、ズベレフ……声をあげていましたね。でも、(これからのオリンピックの)開催時期に関しては、IOCも譲らなければいけない時期にはきているなとは思います。

吉田:そうですね。アメリカ(国内で放送権を持つNBCの放送時間)の問題で……というところもあると思いますが……。一方で、今回の東京五輪はアメリカでの視聴率があまり良くなかった、という報道もあったりしますが。

生島:視聴形態が変わったんじゃないかな。

吉田:ネットで観ることもできますしね。

◆選手の心の問題、SNSへの誹謗中傷…

吉田:また、スポーツ界で選手のメンタルヘルスの問題も注目されています。アメリカの体操代表のシモーネ・バイルズ選手の途中棄権もありました。(心の健康上の問題を理由に棄権されましたが)これについては、どんな感想を持たれましたか?

生島:これはアメリカでは最大の問題として捉えられています。おそらく今後1、2年、アスリートのメンタルヘルスについて、さまざまな議論がされていくと思います。おそらくコーチもショックだったと思います。でも、それぐらい心のケガがあるというようなことが、今回バイルズから発信されたと。

外傷はわかりやすいかもしれませんが、心の問題は本人にしかわからない。オリンピックで戦うことは、大変な名誉で嬉しそうに見えるかもしれないけれど(私たちには計り知れないプレッシャーを背負っていると思います)。そういったことにも目を向けて行かなければならないな、ということが今大会ではっきりしたと思います。

吉田:このシモーネ・バイルズ選手の途中棄権があり、スポーツ選手のメンタルについて考えるきっかけがあったにも関わらず、その後も(SNSなどで)選手に対する誹謗中傷が続きました。

生島:SNS(の誹謗中傷)に関しては、今大会が良い方向に変わるきっかけになってほしいです。あるOBの方が「訴えたほうが良い」と言っていましたね。実際に、そういう流れになっていくんだろうとは思います。やはり人権・メンタルヘルスは守られるべきものであって、それは侵害されるものではない。

では、どのような手立てがあるのか? というのは、これからみんなが考えていくと思います。ただ(インターネット上の誹謗中傷への対策を)選手がやることには限界があるので、統括団体とか、そのような権利を守る組織ができていくことが、僕は望ましいのではと思いますね。

吉田:そうですね。日本国内だけの問題ではなく世界中の問題なので、世界で手を組んで、そういった取り組みをしっかりおこなっていただきたいですね。

生島:良い方向に向かうと僕は信じたいです。

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聴取期限 2021年8月17日(火) AM 4:59 まで

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番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイトhttps://www.tfm.co.jp/one/

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  • 8/15 6:00
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