【国立感染研】新型コロナ・デルタ株の解析レポートを発表 急速に置き換わり進行

 国内で新型コロナウイルスの感染拡大が爆発する中で、感染の主流になりつつある変異株「デルタ株」が海外から首都圏に流入した件について、1つの起点から全国に広がったと見られることが、国立感染症研究所(NIID)の調べでわかった。

 8月4日に開催された政府の「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」でNIIDはデルタ株に感染した人から採取したウイルスの遺伝子を解析し、分析した結果を発表した。https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000816632.pdf

 その報告によると、7月26日時点でデルタ株は計783事例が、34都道府県から報告されている。

 NIIDでは国内症例の始まりとしては、それぞれ独立して異なる系譜を示す海外からの流入と考えられるとしており、少なくとも7つの起点(個人か集団であるかは特定できていない)が存在したと考えている。これを陽性者検出時期と検疫での検出の状況を判断すれば、インドとネパールからの流入と推測している。

 そして、このうちの一1つの起点が首都圏を中心に拡大し全国へと波及、現在、この起点を中心に全国規模に拡大が続いていると推測している。

 この中で、もっとも過去の国内検体は、海外渡航歴がない人から5月18日に採取されたものだと判明した。また、この検体に最も起源に近い系譜の検体が、4月16日に空港の権益検疫で見つかっていた。

 このため、この4月16日の入国関連症例を起点にして、首都圏で潜在的に感染が繋がっていた可能性が考えられるとしている。ただ、一方で5月10日の検疫強化後の未検出の輸入症例が、直接拡大させた可能性も否定できないという。
 一方、5月ごろにインド・ネパールからの流入と考えられ、関東や関西、中京、南九州など起点としたデルタ株のクラスターの多くは、その後は大きな感染拡大につながらず、7月初旬ごろまでにはほぼ終息したと推察している。

 デルタ株は2020年10月にインドで発生した変異株で、感染・伝播性が非変異株より97%増加していると推定され、入院リスクの上昇が指摘されている。さらに、ワクチンと抗体医薬の効果を弱める可能性も指摘されている。

 NIIDでは、この感染力が強いデルタ株は、8月初旬に関東地方は約90%、関西地方は約60%と、急速に拡大を続けているとしている。

 特に、8月2日時点で東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏では89%となっており、早晩、デルタ株に置き換わると予測している。さらに、大阪、京都、兵庫の関西圏でも8月2日時点で63%がデルタ株となっており、早晩、80%を超える水準にまでデルタ株が拡大すると予測している。

 都道府県別のデルタ株の割合では、東京都が90%、埼玉県と沖縄県が89%、千葉県87%、福岡県85%、神奈川県84%、京都府83%、茨城県74%、北海道73%などの比率が高くなっており、全国でデルタ株への置き換わりが進んでいると指摘している。

 このように、デルタ株への置き換わりが進む中で、感染者数がこれまでにはないスピードで増大しているため、重症者数も急速に増大し、死亡者はまだ少ない状態で推移しているが、重症例が増加していること、死亡例の発生には遅れがあることなどから今後死亡例も増加に転じていく可能性があると注意を促している。

 このようにNIIDの分析では、新型コロナウイルス感染の中心は、感染力が強く、重症化リスクも高い変異株であるデルタ株への置き換わりが急速に進んでおり、今後は感染のほとんどがデルタ株になると予測されている。

  • 8/10 13:00
  • サイゾー

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