金メダル・東京五輪野球日本代表「噛んじゃえ」爆笑表彰式で伝わる稲葉篤紀監督と河村たかし名古屋市長「人間力の差」

 東京五輪・野球日本代表の「侍ジャパン」が、8月7日に横浜スタジアムで行われた決勝戦で宿敵アメリカを2―0で下し、金メダルを獲得した。

「日本は3回、ヤクルトの主砲である村上宗隆(21)が、米国先発のニック・マルティネス(31)から1号ソロを放ち先制。さらに8回に、オリックスの吉田正尚(28)が、米国3番手のスコット・マクガフ(31)をとらえ追加点を奪い、そのリードを最終回まで死守して、見事勝利しました」(スポーツ紙記者)

 五輪野球での金メダル獲得は、公開競技だった1984年ロサンゼルス大会以来37年ぶり2度目。正式競技になった1992年バルセロナ五輪以降では、初となる快挙だ。まさに悲願となる金メダルを獲得した「侍ジャパン」。その歓喜の表彰式ではこんな一コマも。

「表彰式の写真撮影で広島カープの菊池涼介(31)が、稲葉篤紀監督(49)の首に自分の金メダルをかけたんです。本来なら競技選手のみに贈られる金メダル。その思わぬ授与に、稲葉監督は“いいの?”と、涙声で興奮していました。すかさず選手の誰かが、“噛んじゃえ、噛んじゃえ”と、いま物議をかもしている、名古屋・河村たかし市長の金メダルかじり事件を引き合いに出して、チームは爆笑に包まれていましたね。

 周囲から温かい拍手が送られるなか、“めっちゃうれしい〜。まじ、いいのこれ? まじうれしい”と、稲葉監督は誇らしげに金メダルを手に数枚だけ写真撮影に応じ、“恐れ多くて…”と、菊池へ金メダルを返していました」(前同)

■飛行機移動でエコノミーを

 歴代の野球日本代表監督のなかでも“最も謙虚”と評されるほど、選手ファーストの姿勢を貫く稲葉監督。こういった謙虚エピソードは、今回に限った話ではない。

「2019年の国際大会“第2回プレミア12”の大会期間中には、チームの飛行機移動でエコノミー席を利用し周囲の人を驚かせました。日本代表監督がエコノミー席を使うなんて前代未聞。もちろん稲葉監督にはビジネスクラスが用意されるはずだったのですが、監督自ら“自分はいいから選手たちを優先してほしい”と要望し、選手たちにビジネスクラスを譲ったんです。

 そのような稲葉監督の姿勢に多くの選手たちが感動し、チームの結束もより強まったことが、今回の金メダル獲得につながったのではないでしょうか」(同)

 2017年7月から4年超に渡り「侍ジャパン」を引っ張ってきた稲葉監督は、今大会を最後に、任期満了による勇退を予定している。その人柄と、たしかな指導力で日本代表チームを悲願の金メダルへ導いた彼の功績は、間違いなく日本野球史に燦然と輝くはずだ。

2021/8/8 19:00

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