コミケを奪われたコスプレイヤーたちの今夏「ほぼ引退していたけど」

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◆もしも夏にコミケがあったなら……

 夏と冬に毎年開催されてきたコミックマーケット(コミケ)。2020年の冬コミケ(C99)は新型コロナの影響で開催延期、2021年のゴールデンウィークを予定していたが、再び見送るかたちとなった。次回は今年冬の開催を目指していると発表されている。

 コスプレイヤーたちにとっての晴れ舞台であるコミケ。しかし連続で活動の場を奪われてしまった。では、この1年間どのように過ごしていたのだろうか。もしも今夏にコミケがあったなら、どんなコスプレをしたかったのか。3人の女性コスプレイヤーに取材した。

◆コミケはレイヤー仲間との大切な交流場所

 す!さんは10年ほど前から、コミケに通っているとのこと。1日目に買い物をして、2日目、3日目はコスプレイヤーとして参加するのが毎年恒例のスケジュールだったという。

 この1年、コミケがなくなってどのように過ごしていたのか。

「2020年はコミケ以外にもコスプレするイベント自体が少なくなっていました。スタジオやロケに行く気もなんとなく起きず……アニメもあまり見なくなって、コスプレ自体から離れていました」(す!さん、以下同)

 コロナの影響で、コスプレだけではなくオタクカルチャーからも距離を置いていたそうだ。

「私にとって、コミケは様々なジャンルの知らないオタクたちと盛り上がるお祭りみたいな場所なので、新しいアニメ作品を見てもワイワイしたりする場がないのは悲しかったです。

 コスプレするためにアニメを見ているわけではないんですけど、全国にいる普段会えない仲間たちと会って作品について語ったり、盛り上がったりする大切な機会が奪われてしまったのは精神的にも結構キましたね……」

 仲間と交流する場を奪われ悲しんでいた彼女だったが、ある作品をきっかけに1年ぶりにコスプレを再開したという。もしも今夏にコミケが開催されていたらやりたかったコスプレとは?

「今年の夏、コミケがあったら『呪術廻戦』の釘崎野薔薇(くぎさきのばら)をやりたかったです。HOTな作品でもありますし、コスプレ撮影を再開した作品が『呪術廻戦』だったので……!」

◆コロナの影響で辞めてしまったレイヤーも

 橘鏡夜さん(Twitter:@kyouya02coslove)がコスプレを始めたのは7年前。コミケに通い始めたのは2〜3年前だという。コミケが延期されてからどのように過ごしていたのか。

「コロナをキッカケに仲間と一緒にコスプレをしたり交流したりする機会がなくなってしまったので、その間はやらなかったです。辞めてしまったレイヤーさんも多かったのでとても悲しい1年でしたね」(橘さん、以下同)

 コミケなどのイベントが突然なくなったことで、橘さんも仲間たちもコスプレから離れてしまっていたそうだ。

「緊急事態宣言中は外でコスプレができないので、レイヤーさんたちは“宅コス”という自宅でのコスプレが中心でした。私はこの期間中に色んな方のレイヤーさんのメイク方法や技術を調べていましたね。『これなら、真似できるかも!』と思って、家でひたすらメイクの練習をしていました」

 橘さんはステイホーム期間を利用して、今やれることに気持ちを切り替えたそうだ。もし、夏コミケが開催されていたらやりたかったコスプレは……。

「キャラクターは『Fate/GrandOrder』のタマモヴィッチ・コヤンスカヤです。延期になってしまったコミケの時に用意したコスプレなんで、みんなに見てほしいですね!」

◆引退を考えたが宅コスをきっかけに再開

 おしゅしおじさんさん(Twitter:@LastShimesaba)は、9年前コスプレでコミケに参加した。それ以来、夏は5回、冬は2回ほど参加していたという。コミケがなくなってからどのように過ごしていたのだろうか。

「コスプレでのイベント参加はコミケがほとんどだったので、コスプレをしなくなってしまいました。その一方で、Twitterなどで宅コスをされている方をたくさんお見受けするようになり、自分もこの半年くらいで宅コスから再開しました」(おしゅしさん、以下同)

 やはり、おしゅしさんも、コミケの延期が続いたことでコスプレからは遠ざかってしまっていたのだ。コスプレイヤーを辞めようか悩むこともあったのだろうか?

「コミケが無いなら、もうやらなくてもいいかなとは感じていました。あまり悩んだという自覚はありませんでしたが、結果的には“ほぼ引退”というかたちになってしまいましたね」

 幸い今ではコスプレも少しずつ再開しているという。そんなおしゅしさんの夏コミケが開催されていたらやりたかったコスプレは、『ラブライブ!』のキャラクターだとか。

「『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の上原歩夢です。作中ではコミケの会場でもある国際展示場が聖地にもなっているので、コミケが今後再開されたらやりたいと思っています」

◆2021年で100回目を迎えるはずだったコミケ

 コロナによって表現の場が奪われたコスプレイヤー。今回の取材で、苦悩を抱えながらも葛藤する彼女たちの本音が垣間見られた。コミケはコスプレを披露するだけではなく、レイヤー仲間との交流や、他ジャンルのオタクと出会うことができる特別な祭典でもあったのだ。

 本来ならば、2021年で100回目を迎えるはずだったコミケ。今後はどうなるのか。先の見えない不安をいち早く払拭したいと思うのは、私たちもレイヤーも同じなのである。

<取材・文/桃沢もちこ>

―[コミケがなかったコスプレイヤーたちの夏]―

【桃沢もちこ】
愛知県出身、'93年生まれ。好奇心旺盛の雑食オタクライター。主にアイドルを追っかけてます。趣味はサウナ、旅行、飲酒、カルト映画など。アングラカルチャーが好きです。Twitter:@mochico1407

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