日本名輪会・山口健治の「江戸“鷹の目”診断」/深谷とのコンビで郡司が2度目の頂点へ

【『いわき平「オールスター」』ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人!】◎郡司浩平/○松浦悠士/▲脇本雄太/△新田祐大/平原康多/守澤大志/清水裕友/深谷知広/古性優作/新山響平/吉田拓矢/山崎賢人

 実力者であっても久々の実戦は、まず初戦でその動きを確認したほうがいい。

 ナイターで行われるGI第3戦、いわき平「オールスター」(8月10日【火】~15日【日】)に、東京オリンピックを経て、競輪は平塚GP以来になる脇本雄太と新田祐大が参戦する。ファン投票ベスト9による初日のドリーム戦は、この2人の戦いぶりにも注目したい。

 本命は郡司浩平。前走の函館サマーナイトFは準決勝で不覚を取ったものの、位置取りのうまさは卓越している。郡司の前で戦う深谷知広とは、東日本きっての名コンビになりつつあり、今年2度目のGIの頂点に立つ。

 差のない対抗が松浦悠士だ。清水裕友との前後は微妙だが、勝負勘は郡司と互角。自在戦で逆転がある。あとは底力で脇本と新田の台頭とみた。

 岸和田高松宮記念杯でGIウイナーになった宿口陽一は、その実力を試される舞台になる。厳しい目で見られるだろうが、堂々と戦い抜いてこそ王者である。

【大穴この1車】和田圭(宮城・92期)。

 高配当の名脇役は、この追い込み選手に尽きる。5月久留米(【6】【1】【5】)の準決勝から6場所連続万車券に絡み、前走のサマーNFの最終日3着は7万円超え。6月の宮記念杯2次予選2着で飛び出した超特大の44万円は落車と失格があったとはいえ、冷静なハンドルワークによるものだった。筋違い決着の2、3着は押さえておきたい。

【狙い目の伏兵3人】

 次世代のスター候補である117期トリオが台風の目になる。中でも町田太我(広島・21歳)はサマーNF2日目に逃げ切り快勝。117期のトップを切ったGIII優勝(5月松山【1】【1】【3】【1】)がフロックではなかったことを証明した。

 石原颯(香川・21歳)は4月GIII奈良(【1】【1】【1】【2】)で逃げ切り3連勝のあと、決勝戦では突っ張り先行からの惜敗だった。町田とともにGI初出場となるが、先行力に注目したい。

 山口拳矢(岐阜・25歳)は、すでに宮記念杯(【4】【3】【5】【7】)でGIの準決勝に乗っている。サマーNF(【1】【3】【2】)はクレバーなレースぶりが光った。決勝戦進出があってもおかしくない。

 2日目「アルテミス賞」は◎佐藤水菜が断然。以下は○久米詩、▲山原さくら、△石井貴子に印を打つ。

 3日目「ガールズドリーム」は、好調な◎高木真備と○石井寛子のマッチレースが濃厚。やや調子落ちの▲児玉碧衣と、五輪帰りの△小林優香は2着までか。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

2021/8/4 17:58

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