東京五輪に水を差す「ネットトロール」生態!アスリートへの「悪夢の暴言」実情

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 SNSなどネット上で誹謗中傷を繰り返す「荒らし」行為。英語圏では「ネットトロール」と呼ばれているが、トロールは怪物で、暴走して歯止めが利かなくなった人々の姿や行為を指す。こうした社会問題ともなっている現象について、国際フェンシング連盟副会長で日本協会前会長の太田雄貴氏(35)が、8月1日にツイッターを更新。日本代表選手らへの誹謗中傷について言及した。

「7月30日に、エペ団体で金メダルを獲得したフェンシング男子ですが、1日のフルーレ団体では、準決勝で強豪国フランスに敗れました。おそらく、この団体競技で敗因となった選手が、バッシングの対象になっているのだと思います」(スポーツ紙記者)

 太田氏はツイッターに次のようにつづった。

《皆さんへのお願い。男子フルーレの準決勝、沢山の方に応援頂きありがとうございました。
敗れましたが、フェンシングでは流れや調子の波があり、望んだ結果と違う事になる事がよくあります。

 現在、特定の選手への誹謗中傷が鳴り止まない状況です。3位決定戦を控えている中、悲しい状況です》

《選手、コーチ、スタッフは、今日に至るまで、血の滲むような思いで競技と向き合ってきました。
スポーツでは、望んだ結果を出せない事が多々あります。私も現役の頃よくありました。
そういった選手に対しての言葉の暴力は許されものではありません。
笑って看過出来るものではありません。》

《有名税(※)で見過ごす事なんで到底ありません。SNSは、もはやインフラとして、生活に密着しており、選手の目に留まらない訳がありません。
どうかお願いです。こんな時こそ、温かい言葉や、メッセージをかけてあげて下さい。ネガティブな感情を選手にぶつけるのはどうかおやめください。》

(※有名税:有名人ゆえの宿命を税金にたとえた用語。今回のように“批判は有名税だから仕方がない”という風に使われることが多い)

■多くの選手たちが被害に

 フェンシングに限らず、多くの東京オリンピック出場選手らも被害にあっている。卓球の混合ダブルス・伊藤美誠(20)とのペアで金メダルを獲得した水谷隼(32)は、7月31日に法的措置を検討している、と明かしている。

《言いたいことだけ言ってアカウントを消したみたいですが、あまりにも悪質な誹謗中傷は全てスクショしていますし、関係各所に連絡を行い然るべき措置を取ります。》

 とつづり、アンチがDMに膨大な数のえげつない罵詈雑言を投稿してきた様子を動画で公開した。

「水谷選手がいい例ですが、金メダルを取ろうが関係ないんです。過去にも東京五輪に限らず多くの有名人が被害を受けましたが、“ストレス解消だった”“相手が有名人だったから”という悪ふざけで中傷する人も少なくない。水谷選手の場合、“金メダルは伊藤選手のおかげ。水谷選手は何もしていない”という旨の言いがかりをつける人もいました。とどのつまり、叩きたいだけなんですよね」(前出の記者)

 東京オリンピックの体操女子個人総合に出場した村上茉愛選手(24)も、29日の個人総合決勝後の囲み取材で海外メディアが「SNSでの誹謗中傷」「メンタルヘルス」について質問した場面で、

「そういうのが嫌でSNSをやっていなくて……。コロナになって、いろんな人がいろんなことに中傷する世の中になった。アスリートが発言するのがものすごく難しいなって」

「消去しましたけど、すごく嫌なコメントを見てしまって、すごく残念で…。でも、それを周りに相談して、そんなの気にしなくていいからって」

 としている。また、コロナ禍ゆえに「オリンピック中止派」を唱える層が選手にまで誹謗中傷してくる件については、

「そういう人がいるのはすごく残念だなってすごく思います。反対している人も知っているし、もちろん分かるし。だけど、(誹謗中傷は)見たくなくても見てしまう、勝手に入ってきてしまう、すごく残念だなって、悲しかったなって」

 とコメントしていた。

■韓国では「指殺人」とさえ呼ばれる社会問題

大会前には、競泳女子の池江璃花子(21)がSNS上で代表辞退を求められた事例もあったのは記憶に新しい。

「そのほかにもサーフィン男子で金メダルを獲得した五十嵐カノア選手(23)、体操男子の個人総合で金メダルを獲った橋本大輝選手(19)らが被害を訴えいていますが、この騒動を扱った8月1日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)のウエンツ瑛士(35)が提案している対処法が話題になりましたね」

 ウエンツは誹謗中傷問題について「この話題、1年以上しているけど結論は出ていない。もう止める手立てがないんじゃないかなと思う」としつつも、

「僕はこういうメッセージを見る時は1人で見ないようにするっていう方法で防ぐ。誰かと一緒にいる時に、応援メッセージか誹謗中傷か分からないじゃないですか。

そういうコメントを見て開いて誹謗中傷があった時に“なんだよこれ、ムカつくな”と、人と共有するとそこでスッと流れるので」

 と、実体験を踏まえた意見をしていた。これには、隣の松本人志が「……初めてええこと言うたな。今のは良い意見だなと思った」と、冗談交じりで感嘆。

「《いい考えだと思う》《共有できると気が楽になるよね》とウエンツの案を称賛する声が多いですが、そもそも誹謗中傷をしている側が悪いのに被害者側がいろいろ対策を講じなければいけないのも理不尽な話。韓国では芸能人などに対するSNSの誹謗中傷を“指殺人”といいますが、今回の現状を見ていても、決して言い過ぎではないと思います」(前出のスポーツ紙記者)

 およそ1週間後の8月8日に東京オリンピックは閉会式を迎える。トロールたちが蠢く、悪意に満ちた大会だった、という印象だけは避けたいところだが……。

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  • 8/3 7:20
  • 日刊大衆

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