コロナ禍で生まれたフェンス越しの友情、固い絆で結ばれた年の差97歳の2人(米)

米ミネソタ州ミネアポリスに住むメアリー・オニールさん(Mary O’Neill、99)とベンジャミン・オルソン君(Benjamin Olson、2)は、このご時世で1年以上にわたって厳しい制限下のもとで暮らしてきた。

37年前に夫を亡くし現在ひとりで暮らすメアリーさんは、他州に住む孫やひ孫と会うことができず、家に閉じこもってテレビを見たりゲームをしたり寂しく過ごす日々が続いていた。

メアリーさんの隣の家に住むベンジャミン君もまた、他の子供たちに会うことができず一日のほとんどを家の中で過ごしていた。2歳になったばかりの彼には、友達と呼べる存在がまだいなかったという。

しかしこの2人が出会ったことで、メアリーさんとベンジャミン君の生活はがらりと変わったのだ。

パンデミックの間、ベンジャミン君は庭に出て遊ぶことが多くなった。最初は家の窓からベンジャミン君を見て手を振るだけのメアリーさんだったが、外に出て挨拶をするようになり、やがて2人は家を隔てるフェンス越しに頻繁に会うようになった。

ベンジャミン君の母親サラさん(sarah)は、2人が楽しく遊ぶ様子をこう明かしている。

「ベンジャミンは庭でメアリーさんを見かけるとボールを持って駆け寄ります。そしてメアリーさんにボールを蹴り、フェンス越しに彼女が杖でボールを返すゲームを楽しんでいます。これはメアリーさんが作った“ケーンボール”というゲームです。」

2人は97歳も年が離れているが、ベンジャミン君はそのことをまったく気にしていないそうだ。

2人の関係についてサラさんは「息子はここ最近、メアリーさんのことを『ミミ』と呼びます。家の中で遊んでいると『ミミ? ミミ?』と言うので、私たちは外に出てミミを探すのです。メアリーさんは息子を見ると『ヘイ、ベンジャミン!』と声をかけてくれます。2人のやり取りを見ていると、とても可愛いですね」と語る。

ある日のこと、メアリーさんはベンジャミン君にトラックが入ったおもちゃ箱をプレゼントした。

「これは亡くなった私の息子が遊んでいたものよ。長い間ずっと地下室に置いてあったの。」

ベンジャミン君はこのおもちゃで遊びながら色を覚えたという。

そしてパンデミックの影響が和らぐにつれて、ベンジャミン君はメアリーさんと自分を隔てるフェンスを開けることを覚えた。

「ベンジャミンは時々、石や砂を拾ってきて私にプレゼントしてくれるの。とてもいい気分になるわ」と笑顔で話すメアリーさん。自宅の壁には州外に住む孫やひ孫たちの写真が飾られているが、ベンジャミン君と弟のノア君の新しい写真はいちばん目立つダイニングテーブルに置かれている。

「もう孫のような存在なの。雨の日や寒い日は外に出られなくて、誰もいない庭を見てとても寂しい気持ちになったわ。ベンジャミンに会いたくて会いたくてたまらなかった。」

そんなメアリーさんの思いを知ったサラさんは、涙を浮かべながらこのように語っている。

「そんなふうに私たちを思ってくれていたなんて知りませんでした。メアリーさんはとても自立した人で、弱さを見せることがありません。」

「メアリーさんはベンジャミンにとって初めての親友なのです。友情にはさまざまな形があります。隔離されていようがいまいが、パンデミックが起きていようがいまいが、2人がこのような関係を築けたことを本当に嬉しく思っています。」

様々な規制が解除された今、メアリーさんとベンジャミン君はフェンスを越えて隣に座ってゲームをしたり、シャボン玉を吹いて遊んでいるそうだ。

画像は『KARE 11 2021年7月27日付「He’s 2 years old. She’s about to turn 100. They’ve formed a friendship across a backyard fence you have to see」(Credit: Chad Nelson, KARE)(Credit: Sarah Olson)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 上川華子)

2021/8/3 5:00

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