たおやかに強く生きる女性が美しい。江國香織の小説おすすめ5選

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江國香織の小説に出てくる女性は、多くがとても都会的でオシャレで洗練されています。江國香織の小説には不倫の描写が多く、倫理的には問題がありますが不倫に身を投じてしまう女性が美しく尊いものに思えてくるから不思議です。今回ご紹介する江國香織の小説も、女性らしい弱さと強さ尊さの描写が美しく映えています。

江國香織の小説は食事の描写が多い?

料理を取り分ける

江國香織の小説と言えば、食事シーンが印象的です。日常の中に馴染んでいる食事、料理をするという行為を通して登場している女性たちの心情を表現する手法は見事で取り込まれてしまう人も多いはず。紹介する小説の中で、食事を通して描かれる女性の姿にも注目して読んでみて下さい。

金平糖の降るところ

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金米糖の降るところ (小学館文庫)

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江國香織/小学館/小学館文庫/全1巻/完結

〇あらすじ
アルゼンチンの日系人の町に住んでいた頃、姉妹は恋人を共有することをルールとしていた。大人になり姉佐和子(カリーナ)が日本に留学した際に知り合った達哉と結婚する。達哉は常に女の影が絶えないタイプだったけれど、姉の佐和子は唯一達哉が一緒に生きていきたいと思った女性だった。そして佐和子が唯一姉妹で共有することを拒んだ男性だった。そんな時妹はアルゼンチンに戻り父親のわからない娘を一人生む。妹のミカエラ(十和子)は日本にいる時、達哉に結婚を申し込んでいたが…

〇おすすめポイント
姉妹で一人の男性を共有する、そんな突飛な設定で始まる本作。そんなルールを初めて姉が反故にした相手、達哉の存在が姉妹のバランスを更に複雑なものにします。愛はどこにあるのか探しながら、姉妹の繋がりの深さを実感する物語です。

赤い長靴

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赤い長靴 (文春文庫)

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江國香織/文藝春秋/文春文庫/全1巻/完結

〇あらすじ
十和子は夫と結婚して十年。子どもはいない。夫婦仲が悪いわけじゃないけれど、時折訪れる孤独感。独りぼっちの孤独より、二人なのに独りぼっちの方が胸が痛む。もう若くはない女性の孤独感を美しく時に後ろ暗い空気を纏いながら描く連作短編集。

〇おすすめポイント
江國香織作品の特徴である、爽やかな女性の孤独をくどさを感じさせず描いている作品です。普通のどこにでもある夫婦の日常の中に潜む孤独感が、読者を少しずつ襲います。結局夫婦になっても「独りぼっち」なのか、それとも‥。その答えを本作の中に探してみて下さい。

号泣する準備はできていた

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号泣する準備はできていた (新潮文庫)

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江國香織/新潮社/新潮文庫/全1巻/完結

〇あらすじ
・「号泣する準備はできていた」:はいつも待っている。隆志は他の女性と関係を持って出て行って半年。それでも時折隆志はを訪ねてはまた出ていく。隆志はが夢に出て来たと電話で聞かせてくる。泣きたいけれど、泣けない…

他「前進、もしくは前進のように思われるもの」「じゃこじゃこのビスケット」「熱帯夜」「煙草配りガール」「溝」「こまつま」「洋一も来られればよかったのにね」「住宅地」「どこでもない場所」「手」「そこなう」を収録

〇おすすめポイント
表題の「号泣する準備はできていた」に惹かれて手に取る人が本作は多いようです。号泣する位の愛や恋の哀しみをあなたが襲っても、大丈夫、大丈夫と手を添えてくれるような小さな優しい物語を集めた作品です。物語の起伏というよりは、失った恋物語の一部分を見せてくれるようなさり気なさを感じられます。

はだかんぼうたち

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はだかんぼうたち (角川文庫)

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江國香織/KADOKAWA/角川文庫/全1巻/完結

〇あらすじ
桃は35歳の歯科医。もうすぐ入籍するはずだった恋人と別れ、軽薄だけれど優しい9歳年下の男鯖崎と付き合い始めた。桃の親友響子は突然母を亡くし、母の60歳の同棲相手についての対応を巡り夫と衝突を繰り返していた。気落ちする響子に桃がいながら鯖崎が興味を抱き近付き始める。そんな時桃子は、別れた婚約者と再会を果たし…

〇おすすめポイント
皆相手がいながら、他の存在に心惹かれ複雑に絡まった関係が展開されていきます。誰も満足していなくて、誰かの愛を求めては迷っている様子に共感したり反発を覚えたり、読者側の感情も迷子になりそうな作品です。立場的に皆総じて不倫なのですが、気持ちの上では不誠実ではなく寧ろ苦しんで泣いて慰めてほしくて、もがいている。そんな女性の弱さをそこはかとなく感じさせる作品です。

ヤモリ、カエル、シジミチョウ

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ヤモリ、カエル、シジミチョウ (朝日文庫)

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江國香織/朝日新聞出版/朝日文庫/全1巻/完結

〇あらすじ
幼稚園児の拓人は虫と話ができる。ヤモリ、カエルなどの小さな動物達も拓人と心を通わせられる大事な存在。拓人の姉は一生懸命に拓人を庇護しようとしてくれる。父は、家族よりも恋人との時間を優先させて、なかなか帰って来ない。母はそれでも父を想い待ち続けている。穏やかな家族の中で何も知らないままではいられないけれど、大好きな存在に囲まれながらそれでも拓人は穏やかに成長していく…

〇おすすめポイント
子どもの視点で描かれる江國香織作品としては珍しい本作。幼い子どもが見えている世界はやはりシンプルで、でも複雑で。小さな生き物たちに囲まれて、愛情のバランスが欠けた歪な家族の中で拓人は何を思うのか、幼い心の周囲に集まる愛の形を探してみて下さい。

まとめ

江國香織作品に登場する女性たちは皆まっすぐではありません。どこかしら歪んだ形で愛情を求めていて、でもそれが美しくて魅力的。江國香織作品を読めば、あなたが求めている愛の正体が分かるかもしれません。

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