三浦春馬さん「最後の出演映画」『太陽の子』に裁判騒動?「最後の主演作」『天外者』との明暗

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 昨年7月に急逝した三浦春馬さん(享年30)にとって、最後の映画作品である『太陽の子』が、8月9日に公開される。柳楽優弥(31)演じる原子物理学の研究に没頭する若者が戦争という時代の波に翻弄されていく様子を描いた作品で、昨年NHKで放送されたテレビ版は第58回ギャラクシー賞テレビ部門奨励賞を受賞している。

 しかし、7月29日発売の『週刊文春』(文藝春秋)が、本作にエグゼクティブプロデューサーとして携わっているA氏が「泥沼裁判問題」を抱えてることを報じ、波紋を呼んでいるという。

「A氏が代表を務める会社が、2014年公開の映画『太秦ライムライト』を制作するにあたって2013年に出資を募ったんですが、公開後に5000万円近くに上る残額を“持ち逃げされた”として出資者に払わなかった、と今回出資者の1人が明かしたんです。これにA氏は、

“京都市からの助成金を受け取るにあたって、脚本家が交渉していて会社の口座に1670万円振り込まれたが、のちに助成金の総額は6170万円と発覚。A氏は、脚本家がでたらめな領収書に基づいて決算報告したのでは、と疑っている”と主張しています」(女性誌記者)

 この主張に脚本家は、内規によって助成金の過半を市の関連先に対して使用することが定められていたというルールをA氏に説明したうえで1670万円を振り込み、

「残高を使途不明金のように主張しているが、京都のスタッフやキャストへの支払いは委員会が行っている。不正流用した事実はない」

 と主張。いまだに真相はやぶの中だ。

■時代考証の甘さを指摘する声も

「三浦さんの最後の作品で、変なところでケチがついてしまいましたね……。また、『太陽の子』については、シナリオの大筋は“核物理学者たちが『お国のため』という大義名分ではなく、核分裂によって発生する美しい光に魅せられたり、教授の語る夢に感化されながら核開発に邁進していくのがリアルで恐ろしかった”とギャラクシー賞の選考で評されており、役者の演技も素晴らしかったんですが、時代考証の点で批判の声も上がっているんです」(前出の女性誌記者)

 2020年9月10日号の『週刊文春』(文藝春秋)では、『太陽の子』についてNHKのシニア・ディレクター大森洋平氏が三浦さんの衣装に関して、

「陸軍の下士官兵用の軍服を着ているのに、何故か襟章が将校たる『少尉』のものだった」

 と、衣装のミスを指摘したほか、京都帝大から学生たちが小銃を担いで行進する描写を、

「昭和18年(西暦1943年)東京、神宮での学徒出陣壮行会のイメージを間違って理解したもの」「昭和19年以降、学生たちは個別に出征したはずであり、同時期に入隊する場合でも、小銃を担いで行進したりはしなかった」

 と、指摘している。

「日米合作の、非常に出来がいい作品ではあるんです。それだけに粗がよけいに悪目立ちしてしまいました。それにしても、今回の『文春』報道で明らかになった騒動の発端が、2013年というのは、因縁めいたものを感じます。三浦さん最後の主演映画だった『天外者』も、企画の立ち上げは2013年だったんですよ」(前同)

『天外者』は、幕末から明治にかけて活躍した、「大阪経済界の恩人」とまで呼ばれる五代友厚の生涯を描いた時代劇。製作総指揮の廣田稔をはじめとした市民有志が2013年に「五代プロジェクト」を立ち上げる形で製作をはじめ、19年に撮影された。

■『天外者』にも「フィクション」はあるが…

「この映画も基本は史実に則りつつ、大胆なフィクションがあります。五代友厚、坂本龍馬、伊藤博文、岩崎弥太郎らがそれぞれ個別に面識があったのは事実ですが、映画のように“夜明けを夢見る同志”として4人そろっていつも仲良く食事を楽しんでいた、という部分は完全な創作です。

 しかし、これは歴史学者から “資料に残っていない空白の6か月”があることを聞き、意図的に群像劇仕立てに脚色したことを月刊『創』1月号(創出版)で田中光敏監督が明かしています」

 これについて本作の脚本を手掛けた小松江里子氏も今年3月17日にWEB版の『現代ビジネス』(講談社)で、

「もちろん、時代劇なので史実に沿って書かなくてはなりませんが、史実に引っ張られすぎてしまうと出来事の羅列になってしまうので、その隙間に光を当てて、ストーリーを創り出していく。史実なら1行で終わるところに物語を見出すのが、歴史を書く醍醐味だと思っています」

 と話している。

「もう1つ、不思議な縁としては『太陽の子』の監督と脚本を手掛けた黒崎博氏は、吉沢亮主演NHK大河ドラマ『青天を衝け』のチーフ演出を担当していますが、『青天』でもディーン・フジオカ(40)演じる“五代友厚”が登場しているんです。

 ちなみに、『青天』の五代は幕府側の視点で描かれる関係から、五代に関しては『天外者』と違いダーティに描写されていて、《悪い五代様もいい!》《ニヒルでカッコいい!》と、こちらの解釈も好評です」(前同)

 思わぬところで対比される形となった『太陽の子』と『天外者』。最後の出演作と、最後の主演作で、差が生まれてしまったようだーー。

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  • 7/31 12:15
  • 日刊大衆

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