実は馬券を当てやすい夏競馬。狙い目は重賞より3勝クラス以下の理由

拡大画像を見る

◆競馬開催のスケジュールで1年の馬券のマネジメントをしよう

 競馬予想家の安井涼太です。G1戦線も終わり現在、夏競馬真っ盛り。しかし、夏競馬にあまり良いイメージを持っていない方ももしかしたら多いかもしれません。実際、「夏競馬は難しい」という声もよく耳にします。

 そのため、競馬は一旦一区切り…なんて方も多いのではないでしょうか? でも、それはちょっともったいないです。というのも、実は夏競馬こそ当てやすいからです。

 競馬というのは、日本ダービーを中心に番組が組まれています。2歳馬がデビューして3歳になり、日本ダービーが終わればクラス編成が行われ古馬との戦いになります。そしてまた次の世代の2歳馬がデビューして…。この流れは普遍的なものであり、おそらく今後も変わる事はないでしょう。

 つまり、競馬サイクルのスタートは日本ダービーが終わる6月からということになります。

 競馬において、1番人気という存在は全ての競馬ファンが予想し結論付けた集合知となります。いろいろなファクターが含まれており、単純に精度という意味(儲けるという意味ではまた別)ではこれを超える指数や予想はかなり難しいと言えるでしょう。

◆夏場は1番人気の勝率が上がる

 つまり少し乱暴に言えば1番人気というのは出走馬の中で1番強い馬と言えると思います。その1番人気の勝率は、2011年から2020年までの10年間で32.1%を記録しています。そしてこれをベースとして考えた場合、この水準を超えている月は下記の通りとなります。

6月 32.9%
7月 32.4%
8月 32.5%
9月 33.6%
10月 34.3%
11月 32.2%
12月 32.2%


 一方、水準の32.1%を下回る月は下記の通り。

1月 30.5%
2月 31.3%
3月 31.3%
4月 31.2%
5月 30.6%


 このようにきれいに競馬サイクルのスタートとなる6月から1番人気の成績が基準を上回り、秋競馬の9~10月をピークとして徐々に下がり、終盤に差し掛かる1月からは基準値を下回ります。そして、競馬サイクルの終着点である6月には最低水準の勝率を記録することになります。

 なお、この期間には2019年から廃止された降級制度も入っていますが、2019年から2020年の成績を見ても同様の傾向となっています。

◆夏競馬をやらないことはチャンスを逃している

 6月からクラス再編成が行われ、競馬サイクルがスタート。1年間勝ち上がれなかった馬と成長著しい3歳馬の戦いとなり、この時期は出走馬間の能力差の大きいレースが多く、実力馬が順当に勝ちやすい状況が整っているわけです。

 こうして実力馬が順に勝ち上がり、また出走馬間の差が少なくなり始めるのが11~12月。そして実力馬がほとんど勝ち上がった1月から6月あたりは期待値も低いという状況になります。そしてまた、1年間勝ち上がれなかった馬が6月からのスタートで3歳馬とぶつかります。こうした背景があるため、この流れは必然と言えるでしょう。

 つまり、夏競馬を休む競馬ファンは、せっかく難しい時期が終わり当てやすい時期に入ったにもかかわらず、そのチャンスを自ら放棄しているという事になります。これがいかにもったいないかは想像に難くありません。

 ではなぜ、このように明確な傾向が出ているのに夏競馬は難しいと感じるのか。それはおそらく、注目度が高く多くの人が参加している重賞が難しいからでしょう。

 7~8月に行われる重賞は札幌記念を除いてGⅢ戦。そして、ハンデ戦で行われる重賞もあり、かなり難解なレースばかりが組まれています。ハンデ戦は能力を均等にするというのが名目ですから、それもある意味当然と言えば当然。

 実際、同期間の重賞の1番人気勝率は30.8%ですが、7月の勝率は26.3%。8月も25.6%と最低水準を記録しています。

◆長いスパンで考える

 メインレース、特に重賞だけを買うという方は多いと思いますが、夏競馬の難しい重賞に参加して波乱が続き、夏競馬自体が難しいと感じてしまっている方は多いのではないでしょうか?しかし、すでに説明しているように重賞以外のレースにおいてはむしろ当てやすいのが夏競馬なのです。未勝利戦から3勝クラス戦を中心に購入すると夏競馬の感じ方が変わると思います。

 競馬はその日その日の結果で一喜一憂せず、長いスパンで考えることが大事。どの時期に勝負をかけて、どの時期は勝負を控えるか…このように競馬サイクルの流れが理解できていれば、1年間の馬券マネジメントができると思います。そして、夏競馬こそ勝ちやすい時期であり、さらにこの先に待ち構える大収穫の秋競馬へ向けて資金を増やせるチャンスでもあるのです。

 今年も先週(7月25日まで)時点で全体の1番人気勝率32.5%に対し、6月の勝率は34.4%。7月に入るとさらに上昇して36.5%と高い値を記録しています。5月は30.4%まで落ち込んでいましたから、今年も同様の傾向が継続していることがわかるでしょう。もうすでに勝ちやすい夏競馬はスタートしているのです。

 特に、関東圏では夏競馬の中でも難しい福島競馬場の開催が終わり、先週から新潟競馬場に開催が移りました。するといきなり勝率41.7%と高水準を記録する幸先の良いスタートを切っており、これでさらに実力馬が力を発揮しやすい状況が整いました。当てやすい夏競馬もいよいよラストスパートです。

 ということで、ぜひ夏競馬を楽しんでみてください!

文/安井涼太

【安井涼太】
競馬予想家/ライター/クリエイター。著書に『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法』(秀和システム)、『安井式ラップキャラ』(ベストセラーズ)が発売中

関連リンク

  • 7/31 8:29
  • 日刊SPA!

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます