男の脳内をノイズと幻聴が襲う…『クリーン、シェーブン』不穏な予告編

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25年の時を経て再び劇場公開されるロッジ・ケリガン監督による93年の初長編作『クリーン、シェーブン』より、ノイズにまみれた不穏な予告編が解禁された。



『クリーン、シェーブン』は、幻覚幻聴に悩まされながらも娘を探し続ける、統合失調症の男の姿を徹底的に抑制されたトーンで映し出した、哀しく陰鬱なサスペンス映画。『ナイト・オン・ザ・プラネット』、『デッドマン』、『コーヒー&シガレッツ』など、ジム・ジャームッシュ作品の常連スタッフであるジェイ・ラビノウィッツが編集を務めている。


第20回テルライド映画祭でワールドプレミアの後、第11回サンダンス映画祭や第47回カンヌ国際映画祭のほか、ニューヨーク近代美術館でも上映され、そのノイズにまみれた唯一無二の映像表現を、スティーヴン・ソダーバーグ、ダーレン・アロノフスキー、ジョン・ウォーターズといった錚々たる監督たちが、“忘れがたき表現性”と絶賛した。

日本では96年の公開以降、作品全体が放つ疲労感を覚える空気、悲惨さと哀愁が話題となり未だに語り継がれる作品だったが、近年では観ることの出来ない幻の作品となっており、昨年頃から一部で再公開を希望する声も多数あげられていた注目作だ。


この度解禁された日本制作の予告編は、ロッジ・ケリガン監督自ら確認、監督によるフレーム単位の繊細かつこまやかな修正を経て完成したもの。観る者が平静でいられなくなるようなノイズが全編を覆っており、それはまさに、自分の頭に受信機、指には送信機が埋め込まれていると信じている主人公ピーターの混乱と不安を疑似体験するかのようだ。震えながらタバコを吸う姿、指先を見つめるショット、ただトマトを切っただけでも、観ているこちらの心がざわめいていく。しかし、そこに出るのは“娘に会う。望みはそれだけだった。”の文字。その後に映る、少女の遺体は何を意味するのか。予告の終盤に繰り返される“聞こえるか。”という言葉と共に入るフラッシュカットが不穏さを加速させる映像となっている。


世の中は静かであっても、常に頭の中のノイズに悩まされる。狂っているのはこの男なのか。それともこの世の中なのか…。観る者の心に深く刻まれる、忘れられない衝撃作となることだろう。

『クリーン、シェーブン』は8月27日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。

(text:cinemacafe.net)


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クリーン、シェーブン 2021年8月27日よりシネマート新宿ほか全国にて公開
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  • 7/30 19:30
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