夏のスパイスカレーは朝食に有能か? 夏バテ、仕事の集中力への効果

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 朝カレーという言葉が広まって随分経つ。また、数年前からスパイスカレーのブームも続いている。しかし、その二つは親和性が低いのか、これまで「本格スパイスカレーの朝カレー」というものを見かけることはほとんどなかった。しかし、最近になって本格的なスパイスカレー店が早朝営業を開始。朝からスパイスカレーとはどんなものなのか、そしてその効果とは。実際に食べてみた。

◆高円寺民をうならせる南インドカレーが朝営業スタート

 都内に数店舗展開し、スパイスカレーブームの中でも高い人気を誇るERICK SOUTH。同店が満を持して、南インドカレーとビリヤニを看板メニューとして高円寺にオープンしたのが2020年3月。飲食業界はこの時期から、コロナウイルスの感染拡大を防ぐために厳しい制限の中での営業を余儀なくされている。

 それでも、カレー店が群雄割拠する高円寺で確実な支持を集めていった。そんなERICK SOUTHが4月26日から、朝7時オープンで朝カレーをはじめたのだ。通常の営業時間帯のメニューとは違い、朝カレーのメニューは主に2種類。小さめのカレーにドリンクのついた「ドリンクセット」と、通常サイズのカレーが食べられる「レギュラーサイズ」がいずれも、500円という安さなのは魅力だ。

 入り口で「ドリンクセット」を注文して支払いをすると、ほんの2分程度で出来上がる。時間のない朝には嬉しい速さだ。細かい金銭のやり取りの少ない500円という価格設定と、メインのメニューを2種類に絞ることで、スタッフのオペレーションをシンプルにすることができる。これによって、従業員の数も最小限にすることができ人件費を抑えながらも、廉価で素早い提供ができているようだ。

 舟形で銀色をした器に盛られて出てきたカレーは、小さめサイズとはいえ、ライス140gにカレー150gと朝食として十分な量。カレーは5種類から選べるようになっているが、筆者が注文したのは看板メニューでもあるエリックチキンカレーで、ゴロッと大きめの鶏肉が3切れも入っているのには驚いた。

 カレー自体は、スパイスの刺激と香りが強く辛さもかなり強い。とはいえ、南インド風のカレーなので、朝でもさらっと食べられるような爽やかなスパイスの香りも印象的だ。

ライスが粘り気の強い日本米ではなく、インド産のパスマティライスを使用しているため朝からでもサラッといただけるのもありがたい。先客の男性が「仕事前だけど途中下車してきたよ」とスタッフに話すほど、スパイスカレーの朝カレーは待ちに待たれていたようだ。

◆スパイスカレーは朝カレーとして有能なのか

 スパイスたっぷりのカレーを朝食べることで、どんな有用性があるのだろう。

 例えば、スパイスカレーの中心的存在でもあるクミンは、鉄分を多く含んでおり、それによって、貧血の改善にも効果ありと言われている。低血圧で、朝が辛い人に朝カレーは有効であるようだ。

 その他、カレーには欠かせないクローブには口腔衛生を助ける効果があるという。口の中を殺菌し口臭の問題を軽減させるそうで、寝ている間に繁殖した口の中の菌をやっつけるのにも、朝カレーは最適と言えるだろう。

 さらに、スパイスカレーにふんだんに含まれたスパイスが、交感神経を活発にし、脳を寝覚めさせるのだそう。午前中の仕事への集中力も、朝カレーで高まるというわけだ。

 逆に、カレーは夜に食べると眠れなくなるということも……。カレーによく使われるトマトは、胃に長くとどまり胃酸の分泌を増やして胸焼けや胃もたれを引き起こすため不眠の一因となるというのだ。また、辛味の強いスパイスは胃を刺激するため、良質な睡眠を阻害するとも。

 新進気鋭のようにも思われる朝カレーという習慣、実は朝食べるのが体には一番いいのかもしれない。

◆都内でスパイスたっぷりな朝カレーが食べられる店

 ここ最近、他にもスパイスたっぷりのカレーが朝から食べられる店が誕生している。

 今年2月に四谷にオープンした「スパイスカレー食堂」は朝8時の開店だ(平日のみ)。パリップと言われるスリランカカレーを中心に4種類ものカレーがあいがけになった朝専用メニューが500円で食べられる。

 朝用に控えめな量だが、通常の時間帯では1000円以上のメニューが中心なので、かなりお得な価格になっている。

◆蕎麦とセットでガッツリと

 また、日本橋や銀座でスパイシーなカレーが朝から食べられるのは、なんと立ち食いそば店。

「よもだそば」という店が、そばとともに看板メニューにしているのがカレーで、タマネギをあめ色になるまで炒め、たっぷりのクミンシードとヨーグルトを中心に作り上げた本格的でスパイシーなカレーが、驚くべきことに立ち食い蕎麦屋で食べられる。

 そばとセットで注文するのもよし、箸でほぐれるほどホロホロに煮込まれた手羽元が、丸々一本入っている単品カレーも490円という安さ。高級な街で、気軽に朝カレーができる店だ。

 一般的になってきた朝カレー文化が、今年に入ってよりスパイシーになってきた。コロナ禍で、夜の営業の縮小を余儀なくされている飲食店の救いと、美味しさと健康という一石三鳥のスパイス朝カレーを食べれば、体の芯からジワジワと熱くなり、夏バテ防止にも一役買いそうである。

取材・文/Mr.tsubaking

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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