森の中に停めていた車の中にクマが侵入 大声で追い返されてクマも困惑(米)

アメリカ在住のジョセフ・ディールさん(Joseph Deel)は、テネシー州ガットリンバーグにある山を友人たちと訪れていた。目的地に到着して車を停めると、荷物を降ろしてコテージの中に入って行った。

ジョセフさんたちは車をコテージの窓から見える位置に停車させていたので、必要ないと判断したのか鍵をかけずにいたという。そして夜遅くまでお酒を飲んで楽しんだジョセフさんらは翌朝の午前7時、突然車のクラクションの音を耳にした。

二日酔いの状態だったが、早朝からクラクションが鳴る事態に驚き、何があったのか確認しようとしたジョセフさんは「友人と外に出てみると、車が狂ったように動いているのが見え『絶対中に何かがいる』と感じました」と当時の様子を語る。

車の窓ガラスは曇っていたため、中で何が起きているのかは遠くからでは分からなかったが、近づいてすぐにアメリカグマ(black bear)だと察したという。

クマは車の中にいたためすぐにジョセフさんらに襲い掛かる心配は無かったが、ジョセフさんは「自分の身の安全よりも車のダメージが心配になって、アドレナリンが体中に溢れたんだ」と当時の心境を明かしており、扉を開けてクマを追い出そうと車に近づいた。

その当時のジョセフさんの姿を友人がカメラで捉えていた。防護服や武器など手に持たず、Tシャツにハーフパンツ、そして裸足というラフな格好で車のドアに手をかけるジョセフさんの姿が映っている。

そして覚悟を決めてドアを開けると、中からジョセフさんと同じくらいか、もしくはもっと大きい体格のクマが出てきた。車の扉一枚を挟んでクマと対峙するジョセフさんの姿に、動画を見ているこちらも思わず息を飲む映像だ。

ジョセフさんは「行け! どっか行け!」とクマに向かって叫んでおり、撮影者である友人も大きな声を出してクマを怖がらせようとする。狙い通りクマは大きな声に驚き、困惑した様子でジョセフさんと撮影者の方を交互に見ており、その後すぐ森の方へ走り去って行った。

この緊張感あふれる動画をジョセフさんが自身のTikTokアカウントに投稿すると、今月27日の時点で2260万回の再生回数を記録し、「なんでドアを開けようと思ったの!?」「どうやって車の中に入ったんだろう?」「運転してみたかったのかな?」「突然大声を出されて、クマの方もびっくりしてるね」などの多くのコメントが寄せられている。

のちの投稿でジョセフさんは車の中を公開しており、その被害が明らかになった。ドアの内側は引き裂かれて天井は剥がれ落ち、様々な場所にクマの鋭い爪痕が残されていた。フロントガラスにはヒビが入り、後部座席の窓ガラスも一部砕け落ち、車内には物が散乱している。

さらに不運なことに何者かが車のバッテリーを盗んだようで、どう見ても運転できる状態ではなくなってしまい、ジョセフさんは泣く泣く車を廃棄することになったという。

幸いにも保険に入っていたジョセフさんは、保険会社から4500ドル(約49万円)を小切手で受け取ったそうだ。保険の詳細は定かではないが恐らくこれが限度額のようで、これだけでは新しい車を買うにはとても足りない金額だ。

そこでジョセフさんはクラウドファンディングサイト「GoFandMe」にページを立ち上げ、車の購入にかかる資金を募っている。

ちなみに同州はクマの出没率が高く、近年はクマが人間の出すゴミや食べ物に慣れてしまい、こうした物を求めてテントや車に侵入してしまうケースがあるとアメリカ国立公園サービスが明かしている。

画像は『bear_inna_car 2021年7月12日付TikTok、2021年7月16日付TikTok「#bearincar #fypage #damage #car #looter #hippy #bear #gta」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2021/7/28 6:00

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