彼氏の言葉責めが謎すぎてドン引き…ナルシスト男との初夜で恋心がスンッと冷めた
自信を持つのは、素敵なこと。しかし、あまりにも度が過ぎると友人や恋人を不快な気持ちにさせてしまうことも……。
現在30歳の高田朋美さん(仮名)は、ナルシストすぎる彼氏にドン引きしてしまった女性の一人です。
◆自称イケメンの年上男性とマッチングアプリで出会って…
幼い頃から自信が持てなかった朋美さんは、いつも自分とは正反対の強気な男性に惹かれてきました。
「ないものねだりなんでしょうね。自信満々な人と関わると、私もああいうふうになりたいって思って、好きになっちゃう」
4つ年上の友広さん(仮名)を好きになったのも、そんな理由からでした。
2人の出会いは、マッチングアプリ。出会った当初から友広さんは朋美さんに対して、積極的に自分の良さをアピールしてきました。
「俺には朋美さんのことを一生、幸せにできる自信があります」と、結婚前提にも取れる甘い言葉で朋美さんの心を刺激してきます。
◆赤の他人に「あんな顔」と嘲笑
やがて2人は交際をスタートします。しかし、交際開始から1ヶ月近く経った頃から友広さんの言葉に少し嫌悪感を抱くようになりました。
「例えば、外でデートしてるとき、まったく知らない人を見て『あんな顔だと彼女作るのが大変そう。俺はこの顔に生まれて本当に良かった』と言っていました」
言うほど、あなたもイケメンではないのだけれど……。そう思いつつも、朋美さんは話題を逸らし、楽しいデートになるよう努力します。
赤の他人を嘲笑する彼の態度にはちょっぴり引いたものの、自分に対してはとことん優しかったため、自己愛が強いだけなのかもしれないと考えました。
「私はそんなふうに自分を褒められないので、少し羨ましくもありました。それに、彼は自分を褒めた後に必ず私のことも褒めてくれて。それが嬉しくもあったんだと思います。」
◆「かっこいい」と褒め忘れたら不機嫌に…
しかし、関係が深まるにつれ、彼との付き合い続けていいものかと悩むことが増えていきました。
「出会って間もない頃からデートのたび、彼に『今日もかっこいいね』と言っていたんですが、ある日、言うのを忘れてしまって……。そしたら、すごく不機嫌になってしまいました」
「なんで今日はかっこいいって言ってくれないの」友広さんは、そう朋美さんに迫り、デート中ずっと、ふてくされた態度をとりつづけました。
「彼は自分のことをかっこいいと思っているからか、褒め忘れるということが理解できなかったみたい。『俺の顔をみたら普通、自然と出てくるでしょ』と言われました」
この一件以来、朋美さんは友広さんとの別れを少し考えるようになりました。
しかし、容姿さえ褒めていれば変わらず優しかったのと、また新たな恋人を探すことを煩わしく思う気持ちもあったため、ズルズルと交際を続けていました。
◆ナルシストすぎる“初夜”にドン引き
そんな関係にピリオドを打つきっかけとなったのが、彼との初めての夜。ホテルでいいムードになっていたとき、朋美さんは友広さんがベッド横にある大きな鏡をじっと見つめていることに気づきました。
すると、その視線を察した友広さんは「俺の顔を見てるだけでイケるでしょ」と言い、謎の言葉責めを開始。
「(俺の)切れ長の目が、(キミの)胸を見てるよ」「(俺の)高い鼻に、(キミの)いいにおいが入ってくるよ」など、ドン引き発言を連発します。
「しかも彼、自分の言葉に興奮してひとりで果ててしまって……」
スッキリした友広さんは「俺とやれるなんて、幸せ者なんだからな」となぜか勝ち誇った表情。
◆サイテーすぎる捨て台詞に、苦笑い
あまりにも自分のことが好きすぎて、さすがについていけない……。その日、そう痛感した朋美さんは3日後、別れ話を切り出しました。
「そしたら、『こんないい男をふって、絶対後悔するぞ、ブス』と言われました。どんだけ自分に自信あるんだよと、もう笑っちゃいましたね」
自分を愛する気持ちを持つことは、大切です。けれど、客観的な視点で自身を見つめ、驕らないことも同じくらい大事。友広さんと出会ったことで、そう気づいた朋美さんは、前よりも少し自分のことが好きになれたと言います。
「相変わらず自信がありそうな人は魅力的に見えてしまいますが、この人は他人のことも大切にできるのかなと考え、恋愛モードになってしまう自分にブレーキをかけることができるようになりました」
そう語る朋美さんは友広さんと過ごした日々にある意味、感謝しているそう。彼女にとって、このドン引き経験は幸せな恋愛を手に入れる肥しとなったのでしょうね。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291