仲野太賀『#家族募集します』伸び悩みは「やらかし炎上」ギリギリの不安

 ジャニーズWESTの重岡大毅(28)が主演するドラマ『#家族募集します』(TBS系)。7月16日に放送された第2話の平均視聴率(世帯)は、7.8%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)とやや低め。とはいえツイッターでは世界トレンド1位になるなど、注目度は高い。

 第1話では息子と二人暮らしのシングルファーザー・赤城俊平(重岡)と幼なじみの小山内蒼介(仲野太賀/28)が再会。蒼介は「一緒に暮らして子育てをシェアしよう」と提案し、俊平親子以外の家族ともつながるためSNSで家族募集をかける。

 それがきっかけで、5歳の娘を持つシングルマザー・桃田礼(木村文乃/33)とつながり、第2話では蒼介と俊平親子、礼親子で、シンガーソングライターを目指す横瀬めいく(岸井ゆきの/29)親子をサポートすることになる。

 子役たちもかわいく、俳優陣は全員うまい。泣けるシーンも多いのだが、どうしても気になるのが仲野太賀演じる蒼介の性格である。家族と縁が薄かった自分の経験から「子育てからなにからみんなでシェアしよう!」とアイデアを出すまではまだいい。しかし、やることがあまりにも勢いだけで、計画性がなさすぎる。

 俊平の答えを待たずに勝手に募集をかける。しかもSNSで! 条件もユルユル。そして実際、募集を見たという人が来ると腰が引けまくり。家族に対する憧れが強く、子どもに寂しい思いをしてほしくないという情熱があるわりには、子どもに対しての対応があまり優しくない。

■「ほのぼの感」少なめが仇に?

 第1話では、木村文乃演じる礼が子どもの雫(宮崎莉里沙)を預けにきたとき、小さな雫をこわごわと見つめ、慌てて俊平に電話する有様。第2話でも、シンガーソングライターを目指すめいくが子どもを置いて姿を消すが、彼女の小さな息子・大地(三浦綺羅)の前で慌てすぎ。「子どもの前で露骨に不安な顔に出し過ぎ問題」にヒヤヒヤする。

 実行だけは早いが精神的にも環境的にも全然準備が整っておらず「それをしたらどういう結果になるのか」イメトレもできていない、「やらかし炎上」の特徴を彼に感じてゾッとするのである。かなり強引に礼と俊平を巻き込み、都合を聞かず進めては投げる。しかも彼らを協力者ではなく「責任者」として頼る。蒼介は、一番SNSを使ってはいけないタイプではなかろうか。

 ただ、シングルマザー、シングルファーザーの心の叫びがストレートに聞こえてくるようなセリフの強さはある。一見、ハートフルな方向に振ってはいるが、現代の生きにくさが強烈に出た、ヘビーでシリアスなイメージ。正直、金曜の夜に期待していた「ほのぼの」とはかなり違っていた。今後の展開が気になるが、今クールで一番、賛否が分かれそうなドラマである。(伊那峡子)

2021/7/22 7:30

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