日本名輪会・山口健治の「江戸“鷹の目”診断」/ケガから復帰2戦目の平原に勝機

【「富山記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人!】◎平原康多/○浅井康太/▲取鳥雄吾/△高橋晋也/稲垣裕之/山崎芳仁/柏野智典/岩本俊介/柿澤大貴/稲毛健太/竹内雄作/黒沢征治

 落車した翌日に好走できるのは、卓越したプロ根性の賜物でもある。

「富山記念」(7月23日【金】~26日【月】)は、東京五輪開会式の日が初日になる。SS班が平原康多1人だけなのは寂しいが、新旧の徹底先行をレース巧者の追い込み選手がガードする。33バンクらしい出入りの激しい4日間になりそうだ。

 本命には平原を推す。練習中のケガから復帰して2場所目になるが、ケガには強い強靱な肉体の持ち主。高松宮記念杯(【1】【9】【6】【6】)で準決勝に進出するなど、有望な若手先行がそろう埼玉勢の中で着実に力をつけてきた黒沢征治の後位は、断然のアドバンテージになる。ここを勝って「いわき平オールスター」(8月10日~)へ勢いをつける。

 対抗は浅井康太。今年3度の優勝は全てFIだが、京王閣ダービー(【1】【7】【2】【4】)決勝戦のゴール前は、あわやの接戦だった。何度も連係している竹内雄作が主導権を取りきるようなら逆転がある。

 その竹内は、逃げ一本で戦い抜いている。ここは16年に共同通信社杯を制した思い出のバンクでもある。「いつGIを獲ってもおかしくない」と期待された当時と比べられるのはつらいだろうが、まくりに構えれば出番はあるはずだ。

 あとは、動ける取鳥雄吾と高橋晋也の台頭とみた。

【大穴この1車】谷口遼平(三重・103期)。

 先行選手では珍しい高配当メーカー。今年FI戦で2度優勝しているが、3月福井が3連単3万4230円、6月大宮が15万3730円。GIIIは昨年の11月から2月まで万車券ラッシュで11月四日市は2本、12月佐賀(【1】【2】【7】【2】)の連対全てが万車券で最終日は14万オーバー。そして2月奈良(【1】【3】【7】【7】)の2日目は20万超えだった。

【狙い目の伏兵3人】

 1班不在の富山で、47歳の松崎貴久(82期)が健闘している。1月松山記念では2日目から3連勝、4月GIII奈良は【1】【4】【3】【7】と決勝戦に乗った。鋭いタテ脚で予選は突破したい。

 大石崇晴(大阪・109期)を見直したのが前走の立川2日目。初日に落車しながら突っ張りきって惜敗2着。プロ野球オリックスの元監督の父、大二郎さん譲りのプロ根性によるもので、これからが楽しみだ。

 117期のエリート、菊池岳仁(長野)が本物になってきた。FIではまだ優勝していないが、6月GIII松山(【5】【3】【3】【3】)は、よく粘っていた。21歳になったばかりの若武者だけに、勢いに乗れば大暴れがある。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

2021/7/21 17:58

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