バイきんぐインタビュー#3 小峠「松本人志さんのコントは、やってる人いないですよ。常人には考えつかない」

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小峠英二と西村瑞樹がバイきんぐを結成してから今年で25周年。7月17日と18日の2日間、2年ぶりの単独ライブ「STRAIGHT」が開催された。単独ライブチケットは常に入手困難なほど人気の彼らだが、今回からオンラインで配信され、18日の公演では生でのVR配信も敢行。新たな試みを続けるバイきんぐの2人が、インタビューに答えた。(第3回/全3回)

―小峠さんは、ネタを考えるとき、どういうところから発想するのでしょうか?

小峠「いや、でも本当に日常からですよ。僕らのネタは基本的に日常からしか作らないので。まあ、葬式とかコンビニとか、そこでどういうことが起きたら面白いかなっていうところから考えますね」

―『キングオブコントの会』(※2021年6月12日放送。ダウンタウンの松本人志が20年ぶりに民放でコントを演じることで話題になった)のコント「壁」も、まさに日常から起きたハプニングという感じでしたね。

小峠「そうですね。あのネタに関すると、まずバナナマンの日村勇紀さんがやってくれるということで、日村さんがどうなったら面白いだろうなと思ったら、ああいう体型だから“日村さんが壁に挟まって出られなくなったら面白いな”っていうところからですね。

 でも、日常でも決してあり得ないことではないというか。中国でも、子どもとか挟まったりしてるじゃないですか。まあそんなところから」

―「壁」のコントも、コンビニバイトの面接に遅れてしまう西村さんと、店長の日村さんが登場する、やっぱり日常的な部分がありますね。メチャクチャ面白かったです。そのとき、日村さんについて「普通笑うことないのに笑ってしまった」っておっしゃってましたね。

小峠「そうですね。あれは……。自分で言うのもなんですけど、珍しいんじゃないですか。僕はコント中に笑うのはほぼないんで……」

―一緒にやってみて、改めて日村さんはすごかった?

小峠「そうですね。やっぱりバナナマンさんも毎年単独ライブをやられているから、やっぱりその辺の勘というか。僕が“ここのセリフはこんな感じでお願いします”って言ったら、もう一発で理解していただけるというか。“はいはいオーケーオーケー”って、その感じで声を出してくれるとか、そのような顔をしてくれるとか。やっぱりそれは、ずっと舞台に立ってる人だからこそできることなんだろうな、と思います」

―さっきのお話にもつながってきますね。

小峠「そうだと思います」

―日村さんと一緒に壁に挟まれていた西村さんはいかがでしたか?

西村「こんな間近で、あんな面白い顔と発声されたら、僕も笑いそうになりましたね。やっぱ流石だなと思いました」

―2人が挟まってる絵面だけでも面白かったです。強制的に笑わされるというか……。

西村「そうですね(笑)」

―小峠さんはダウンタウン・松本人志さんとも一緒にコントをしていましたが、「台本はあったけど、松本さんはどんどん変えていった」という話もありました。

小峠「そうです」

■小峠「ほとんどアドリブで、セッションみたいでした」

―そういう作り方は、小峠さんとは違う?

小峠「僕らのネタは僕が全部書いて、その通りにやっているので。松本さんのは台本があって、その通りにやっていないので、もう全然違いますね」

―衝撃を受けましたか?

小峠「そうですね。ビックリしました。松本さんが“コントの台本ちゃんと読んだことないわ”って。“本当ですか?”って。それが当日に、“あ、なるほどね。そういうことか”って思いました」

―本番でもおっしゃってましたけど、どんどんアドリブが乗っていって……。

小峠「ほとんどアドリブですね。はい」

―ジャズじゃないですけど、即興で?

小峠「たしかに、セッションみたいなことに近いかもしれないです」

―やっていてドキドキしたり、怖かったり?

小峠「そうですね。何がくるんだろうって本当に読めないから、その瞬間瞬間でやっていくしかないです」

―楽しいけど、緊張がすごそうですね。信頼感がないと難しいですね?

小峠「そうかもしれないです」

―小峠さんは急きょ、かまいたちの濱家隆一さんの代役で松本さんとのコントに出演されたということですが、昔はダウンタウンさんのコント番組を見ていましたか?

小峠「見てましたね。本当に面白いですよね。ただただ面白いなーって」

―分析というより、純粋に腹を抱えて笑っていた感じですか?

小峠「そうですね。おもしろいですねぇ……。だから、たとえば今回松本さんとやらせてもらった『管理人』もですけど、ふつうのコントだったら管理人とおばちゃんだけのやり取りで終わるんですど、途中から入れ替わって、そのおばちゃんがどういう人か見せるバックボーンを持っている人かを見せたりとか。あれは、やってる人いないですよ。時間軸をずらすというか。一直線じゃなくて、ちょっとそこから1回逸れて、過去行って、で、また戻ってくる……。まずあの作りのコントをやっている人がいないですよね。すごいなと思います。考えつかないです、やっぱり常人には」

―バイきんぐさんのコントは、どなたに憧れたとか、そういうのはありますか?

小峠「やっぱりダウンタウンさんじゃないですかね」

―たとえば志村けんさんとかは……。

小峠「もちろん志村さんも見ましたし、『ひょうきん族』のコントも見ましたし……」

―やっぱりお笑い全般を?

小峠「でもコンビってなると、やっぱりダウンタウンさんだと思いますよ」

■西村「今回もアドリブはしないと思います」

―確かに存在感とか、圧倒的なものがありましたよね。西村さんはいかがですか?

西村「まあ一緒ですよ。世代が一緒なので」

―そんなダウンタウンさんと共演する機会が増えましたが、やはりうれしい気持ちが大きい?

西村「嬉しいですね」

―最初にお会いになった時のことは覚えていますか?

小峠「『キングオブコント』優勝のときなので……」

―あの時が初めてだったんですか。

小峠「そうですね」

―今回の単独ライブは、『キングオブコントの会』で松本さんと一緒にコントをやった影響、刺激などは出ていると思いますか?

小峠「……いやぁ、松本さんとやったことによっていまのネタがどうこうなったは、ないかもしれないですね」

―話は変わりますが、西村さんはアドリブが一切ないタイプですが今回も?

西村「やってみないと分からないですけど、ないですね」

―(笑い)

西村「やってみないと分からないですけども……ないという(笑)」

―小峠さんもそこは期待しない?

小峠「はい。言ったことないですから。僕が言っても、無視しますから」

―小峠さんが変化させても、無視?

西村「台本に書いてないですからね。急に言われても。こっちは聞いてないです」

―台本に書いてあることは完ぺきに?

西村「それはもちろんやりますよ」

―台本は、いっさいミスをしない?

西村「いや、ないことはないですけど。生モノなので」

―舞台って一発勝負ですが、突発的な事態が起きたことはなかったんですか?「流石に台本にないけど、言わなきゃどうにもならない!」みたいな事態です。

西村「………ないんじゃないですか?」

―それもすごいですね、そのスタイルでやれるのは。小峠さんは?

小峠「ネタが飛ぶとかはありましたけど、どうしようもならなかったことはないんじゃないですかね」

―近年、テレビはコンプライアンスが厳しくなっている印象を受けます。小峠さんも感じていますか?

小峠「あー、でもまあ厳しいですよね。年々本当に。ネタとかも、厳しいよね」

西村「あー……」

小峠「あれ言っちゃいけない、これ言っちゃいけない」

西村「ネタ番組とかで“このワードはダメだ”っていうのは増えてきましたね」

―それは、1回リハーサルとかで?

西村「いや、台本を渡した時です」

―今回の2,3本テレビではNGというネタも、コンプライアンスのせい?

小峠「そうなんですよね」

―今回はどういう部分が引っかかったんですか?

小峠「道徳的な話です。道徳的にマズいっていう。だから、放送禁止用語とかではない。設定が、って話です」

―昔の感覚だとイケるんじゃないかってやつ?

小峠「そうかもしれない。昔だったら……なかったかもしれないですね」

―それは、「これはダメなんだ!」ってショックはありましたか?

小峠「そうですね」

―自信のあるネタだったとか。

小峠「ああ、でも“ダメだ”って言われたとき、“そりゃそうか”って思いました(笑)」

―でも単独ライブでは流れる。そういう意味では、貴重ですね。もう二度と見られない?

小峠「そうですね。ライブかDVDで」

■小峠「結局、芸人なんて面白いか面白くないかですから」

―テレビ以外、YouTubeとかで活動したいという気持ちが芽生えたり、しましたか?

小峠「いや、そういうのはないですね」

―テレビではできないことを、単独ライブで頑張る?

小峠「うーん……。それを単独でやってみようとも思わないですけどね。今回たまたまそういうネタを作ってしまっただけで。それを単独にぶつけようって発想ではないです」

―ご自身の思う面白いことがテレビでできないから、どこか違うところでやりたいとか、そういうことではない?

小峠「うん。そうですね。単純に僕は。テレビに出るためにお笑いをやっているので。そのためにやってきたので」

―西村さんはYouTubeをやっていますが、それはテレビとは関係ない?

西村「関係ないです。あれはただの僕のキャンプの思い出のビデオです。あれを観ながら、家で酒飲んだりしてます」

―小峠さんは、YouTubeやSNSに興味はありませんか?

小峠「特にないですね。別に知って欲しくないですね。僕が普段何をやってるのか、どういうものに興味があって、普段こういう生活をしてるっていうのを知って欲しいとは思わない。
やってる人って結局、そういうことですよね。普段誰と会ってとか。インスタとかSNSとかすべてそうですよね。ここに来て、何を食って、誰と会って、普段こういうことを考えて、こんなのを着て、こんなのを最近買って……。それを別に知って欲しいとは思わないです」

―普段は完全に別ということですね?

小峠「結局、芸人なんて面白いか面白くないかですから。それ以外のことなんか、必要ないですね」

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  • 7/19 18:30
  • 日刊大衆

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