『ラーメン二郎』店長が涙の訴え!ラーメン店が追い詰められる「本当の理由」

 安くて、うまい日本人の国民食“ラーメン”に、危機が迫っている。

「『ラーメン二郎』仙台店・店主が、SNSで“豚がまた上がるそうです。豚肉を普通のラーメン屋さんの5倍は使ってるので、肉が1キロあたり少しでも上がるとヤバイのです。値上がりするかもしれません”と悲痛な声を上げたんです。今後、値上げを検討、強行するラーメン店が続出するかもしれませんよ」(情報誌記者)

 突如、訪れたラーメンの値上げ騒動。この背景を流通アナリストの渡辺広明氏は、こう解説する。

「豚肉や小麦価格の高騰が影響していると考えられます。たとえば、米国産豚肉は、現地の食肉加工場がコロナ禍で大量に閉鎖した影響で高騰しました。小麦は、今年2月に主要産地の米国を寒波が襲ったことで、生産量の減少が懸念され、価格が上昇しています」

 中国が、世界各地の豚肉を買い占めているというニュースも流れている。コロナ禍の現在、さまざまな食材が、世界的に供給不足になっているのだ。

 ラーメン店は、その影響をモロに受ける。特に、麺の原材料・小麦粉の値上がりは痛恨だ。数々のラーメン店をプロデュースする『元祖海老そば縁や』元店主・野本栄二氏は、こう語る。

「小麦粉は今年4月時点で、コロナ禍前の約30~40%値上がりしました。卸業者は、8月に再び値上げすると言っていますが、これは前代未聞の事態です。さらに値上げされれば、ラーメンの価格を維持するのは非常に難しくなります」

 中でも、麺を製麺所から仕入れている店は、より厳しい状況にあるという。

「確かに小麦は高騰しているね。ただ、ウチは自家製麺だから、今のところは大丈夫。でも、製麺所に委託している店は厳しいはず」(都内ラーメン店の店主)

■ラーメン店が追い詰められる本当の理由

 一方、豚肉の高騰は、ラーメンに欠かせない焼豚に影響する。

「私が手がけた店では、焼豚を魚の天プラに替えました。豚肉は、15~20%ほど値上がりしていますので、今後、焼豚の代替品が増えるかもしれません」(前出の野本氏)

 厳しい戦いを強いられるラーメン店だが、ここまで追い詰められるのには、食材以外の要因もあるという。

「そもそも、ラーメンの値段は安すぎます。8割の店舗が起業から3年以内に潰れるといわれていますが、ラーメン店は薄利多売で成り立つ商売。そこに食材の高騰が加われば、値上げせざるをえないでしょう」(前出の渡辺氏)

 野本氏も、値上げは不可避と推測する。

「年々、飲食業界の人件費が上がり、個人店では経営が逼迫しています。お手頃価格でラーメンを提供できなくなる時代が、すぐそこまで来ているのかもしれません……」

 安価でおいしいラーメン。庶民の味が“高級料理”になってしまうかもしれない。

2021/7/18 12:00

この記事のみんなのコメント

23
  • トリトン

    7/30 14:16

    地方は貧乏だけど東京は千円は端金五千円のラーメンが普通みたいだし寿司も何十万払うのが当たり前だから東京の人に毎日消費してもらえば良いやん金がないのに高い物食べれるか!それほど東京ほど金はもらってないわ。

  • 管仲

    7/30 13:27

    貧乏な日本人はデフレから抜け出せず、安いモノ安いモノと中国製のモノばかりを買い、そのおかげで中国は潤い世界中から食材を買い占める。そしてこの記事のようになる。

  • エッコ

    7/30 12:14

    大衆食堂的なお食事処は今後、大幅に数を減らすかもなぁ。食材の高騰、人件費の高騰、飲食業自体がキツイ・汚いみたいな部分ある。ホリエモンとかのクレーマーやSNSの書き込みで四六時中見張られてるみたいだし。飲食業好きでもやるメリットが無い。近い業種せで言ったらいぜいコンビニ位しか残らないのかも。

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