卵のパックがプランターに!お手軽ミニ家庭菜園のすすめ

 おうち時間を利用して何かをはじめたい。お金がかからず、健康と美容に効果絶大な趣味ってある? おススメはおうち菜園。『ペットボトルからはじめる水耕栽培とプランター菜園』(内外出版社)には、資源を再利用して作れる野菜がたくさん。

 畑がなくたって、白ゴマやレッドキャベツまで作れちゃうんです。自分で育てた野菜なら、愛おしさやおいしさも格段にアップ。お財布にもやさしいおうち菜園、さっそくはじめてみませんか。

◆卵パックで野菜ができる

 著者のはたあきひろさんは、奈良市で家族5人分のお米と野菜を作っています。いわば自給自足のベテランですが、「専門家だって最初は素人。この本は野菜づくりスタートのキッカケづくり」と、とびきり簡単な方法をおしえてくれました。なんと、卵パックを再利用して野菜ができちゃうのです。SDGsにも貢献できる、プチ自給自足生活の第一歩を本書からまとめてみました。

◆準備するもの

1. 野菜の種(今回はキュウリを使用)

2. 卵パック(同じ形状の物ふたつ)

3. キリや竹串など卵パックに穴をあけられる道具

4. 土(園芸用土)

5. 霧吹き

◆キュウリ苗の育て方

1. 卵パックの底部に5つの穴をあけて水が通るようにする。

2. 底部を上に蓋部を下にして重ねる。

3. 底部に土を9分目まで敷き詰める。

4. 土全体を湿らせる。底から水が流れる程度に湿らせておくとタネが定着しやすくなるが、水の受け皿側の蓋部には貯めないようにする。

5. タネをまくために、竹串などで1㎝ほどの深さのくぼみを作る。

6. タネをくぼみに2~3粒まきく。

7. まわりの土でタネを埋める。

8. 霧吹きで地表面をしっかり湿らせる。

9. 発芽するまで保湿のため、キッチンペーパーをかぶせる。

10. 1カ所に1苗にする(タネまきから焼く10日後に間引きする)。

11. 本葉が2~3枚になったら定植する。

 定植とは、育苗のために仮植えしたものをプランターなどに植え替えること。プランターは100均でも購入できますし、宅配便で使われる食品用の発泡スチロールボックスもプランターとして優秀だと本書。その他、お菓子の空き缶、ペットボトル、牛乳パック等々、工夫次第でプランター代わりになるものは身の回りにあるのだとか。押さえておくべき事柄は、底の部分は穴をあけて水はけに留意する、この1点のみです。

◆おうちグリーン化計画

 プランターでまさかの九条ネギ、ハクサイにキャベツ、ダイエットにも活用できるブロッコリーなど、想像の斜め上をいく野菜が栽培可能。野菜は好きだけどインテリアとしてはちょっと…、という方にはエディブルフラワーはいかが。食卓がパッと華やかになりますよ。

「最初の一歩は無理せず楽しく始めること」が本書のモットー。野菜の成り立ちって、私達は案外知りませんよね。育っていく過程で見る葉や花など、意外な美しさに感激したりして。

 作り方に迷った人のために、人気野菜づくりの動画が見られるQRコードも付いています。おうち菜園には、食べるだけではなく鑑賞のよろこびもあることをおしえてくれますよ。

―小説家・森美樹のブックレビュー―

<文/森美樹>

【森美樹】

1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx

2021/7/18 8:44

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